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不屈の意志と、計算外の「共同研究」

この物語はフィクションです。現実の学校現場とは全く関係ありません。ご一読ありがとうございます。

「中村先生……。この『 5x - 7y = 2 』という一次不定方程式の解法、まるで魔法のようですわ」


放課後の職員室。エミ先生が、私の作ったデジタル教材を眺めてため息をつきました。


「いえ、これはユークリッドの互除法という古くからの知恵でして。……というか、エミ先生、なぜ数学の教材を?」


「あら、先日の進路調査の自動化があまりに鮮やかでしたので、私の農業科の授業でも、ハーブの調合比率を計算するのに応用できないかと思いまして。……ねえ、鈴木先生?」


隣では、鈴木先生がものすごい速さでキーボードを叩いています。


「中村先生。あなたが提示した『論理の構造化』と、私が研究している『AI読解』、そして朝永教頭の『素粒子観測データ』。これらを一つのプラットフォームで結合すれば、この学校は教育現場を超えた、世界最先端の**『知の集積地』**になる……。私の論理モデルがそう告げています」


(……怖い。鈴木先生の目が、バグを根絶する時の冷徹な光から、未知の真理を追い求める狂信者の光に変わっている)


「鈴木先生、それは少し……風呂敷を広げすぎでは……?」


「いいえ。中村先生、あなたは無自覚かもしれませんが、あなたの『楽をしたい』という動機から生まれる最適化プロセスは、物理学でいう『最小作用の原理』そのものです。……素晴らしい」


朝永教頭までが、温かいお茶を持って背後に立っていました。


「朝永先生まで……。私はただ、放課後に弓道を嗜む先生を眺めながら、のんびりしたいだけなのですが」


「はっはっは。君のその謙虚さが、周囲の探究心をさらに加速させるんだよ、中村くん」


---


### 授業:整数の性質(ユークリッドの互除法編)


教室では、生徒たちがタブレットを片手に、パズルのような計算に挑んでいました。


**中村:**「みんな、今日は『大きな長方形を、できるだけ大きな正方形で敷き詰める』ゲームをしよう。これが、実は最強の計算術『ユークリッドの互除法』の正体だ」


**望月:**「先生、これって、割り算の余りをどんどん使っていくやつだよね? 117 と 78 なら、 117 = 78 × 1 + 39 で、次は 78 = 39 × 2 + 0 だから、最大公約数は 39 !」


**中村:**「正解! 望月さん、速いね。じゃあ、これを『情報の暗号化』に応用したらどうなるかな?」


**六条:**「……RSA暗号の鍵生成ですね。先生、もしかして私たちに、この学校のセキュリティを構築させようとしていますか?」


(……ギクッ。実は、校務システムのパスワード管理が面倒で、生徒にアルゴリズムを考えさせようとしていたのがバレたか!?)


**中村:**「あ、あはは。まあ、知識は使ってこそ価値があるからね……(汗)」


**山口:**「先生! この計算、筋トレのセット間のインターバル計算にも使える気がしてきたわ! 効率的に筋肉を追い込める『最大公約数的な休憩時間』、俺が見つけてやるよ!」


**中村:**「……山口くん、それは新しい視点だね(たぶん違うと思うけど)」


---


### 結末:断頭台が遠ざかり、伝説が近づく


その夜、私は自室で「Web作家になろう」のマイページを開きました。

今日一日の出来事を、少し脚色してアップロードします。


『……聖者ナカムラは、迫りくる過労という名の断頭台を回避するため、古代の英知「ゴジョホウ」を民に授けた。民はそれを「暗号の盾」と呼び、国(学校)の平和を確信したのである……』


「……よし、これでよし。現実はただ、生徒に仕事を振って楽をしただけなんだけどな」


しかし翌朝。

登校すると、職員室の入り口に、稗田校長が立っていました。


「中村先生。昨夜、不思議な夢を見ました。あなたが金の糸で、この学校の未来を編み上げている夢です。……人類の歴史は、試練を越える意志の記録。あなたは、新たな歴史の編者なのですね」


(校長、それたぶん私の連載読みましたよね!? 予感じゃなくて既読ですよね!?)


中村正樹の「無自覚な解決」は、ついに校長の「神託」とリンクし、学校全体の士気を異常なまでに高めてしまうのでした。

演習問題

ユークリッドの互除法を用いて、161 と 92 の最大公約数を求めなさい。

1.  7

2.  23

3.  46

4.  1


解説

1. 161 = 92 × 1 + 69

2. 92 = 69 × 1 + 23

3. 69 = 23 × 3 + 0

余りが になったときの割る数 23 が最大公約数です。

**正解:2**

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