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第七の試練「体育館の空間ベクトル迷宮」と、エミ先生の色彩感覚

この物語はフィクションです。現実の学校現場とは全く関係ありません。ご一読ありがとうございます。

スライダーでグラウンドへ降り立った一行を待っていたのは、体育館から立ち昇る奇妙な光の柱でした。扉を開けると、そこは数千本のレーザー光線が幾何学的な格子グリッドを形成し、複雑に入り組んだ**「多次元迷宮」**へと変貌していました。


「中村先生、見てください! 迷宮の奥に、次の試練への扉が見えますわ。でも、あそこに至る道が……歪んで見えますの!」


エミ先生が指差す先、光の格子は不規則にねじれ、三次元的な距離感が完全に狂わされていました。


### 【第七のパズル:行列による座標変換と空間ベクトル】


出口への最短経路を歩むには、歪められた空間座標を正しく認識しなければならない。


* 迷宮内の床タイルには x, y, z の3次元ベクトル v が割り振られているが、九条くんが設定した**「行列 A 」**により、視覚情報が線形変換されている。

* 扉を開けるには、特定の「固有ベクトル」の方向に沿って進む必要があるが、光の色(波長)が行列の成分と連動しており、正しい色を組み合わせて進まなければ道が閉ざされる。


**問題:行列 A の固有値と固有ベクトルを算出し、エミ先生の色彩感覚(光の波長の識別)と協力して、歪んだ空間を最短ベクトルで走破せよ。**


---


### 中村の記憶:『静止』という名の檻


(……行列。空間そのものを定義し直し、個人の動きを支配する巨大な枠組み……)


光り輝く格子を見つめながら、私は再び、自らが捨てた過去の数式と対峙していました。


(……『感情の定常波』の研究で、私は行列を使い、社会全体の不満を『相殺する空間』へ変換しようとした。個人の意思というベクトルを、行列という巨大な力で捻じ曲げ、不平不満が生まれない一点に収束させる。……だが、それは救いではなく、誰もが自分自身の方向(意思)を見失う、透明な檻だったんだ……)


**九条(モニター越し):**「先生。あなたは空間を歪めてまで、人々を『静止』させようとした。でも、今のあなたの隣には、数式を色として捉えるエミ先生や、力として捉える山口さんがいる。彼らの意思ベクトルを、あなたはどう繋ぎますか?」


---


### 校務:鈴木先生と「固有値の導出」


**中村:**「……繋ぐだけじゃない。私は彼らの感覚を信じ、この歪んだ空間を『解釈』する。鈴木先生! 行列 A の特性多項式を解いて。空間を最も引き伸ばしている『主軸(固有ベクトル)』を特定するんだ!」


**鈴木:**「……中村先生。固有値 の計算を完了。……エミ先生、迷宮の床にあるレーザーのうち、『深紅』と『紫』が交差する方向を見てください。それが、変換によって歪められる前の、真の直進方向です」


**エミ先生:**「わかってましてよ! 数式は難しくても、この美しい色の重なりが、私には『導きの糸』に見えますわ!」


---


### 授業:空間ベクトルと「合成の力」


私は山口くんの肩を叩き、エミ先生の示す光の先を指しました。


**中村:**「山口くん、エミ先生が色で選んだベクトルを、君の脚力で具現化するんだ。x_new = Ax 。行列で空間を曲げられても、僕たちが力を合わせれば、新しい座標系(自分たちの道)を作れる!」


**山口:**「おう! エミ先生の指す『色』と、先生の『計算』……。これなら、迷わず全速力で突っ込めるぜ!」


**六条(通信越し):**「……先生。あなたはかつて、行列で世界を縛ろうとした。でも今は、仲間を導くための『地図』としてそれを使っているんですね」


---


### 結末:賢者の「軸」


エミ先生が色彩を識別し、中村が計算し、山口が突き進む。三人の力が合わさった合成ベクトルが迷宮の出口を貫きました。光の格子が弾け飛び、体育館に静寂が戻ります。


「中村先生……! 私たちの『感覚』が、数式とこれほどまでに見事に一致するなんて、感動的ですわ!」


エミ先生が微笑み、山口くんも「俺たち、最強のパーティだな!」と拳を突き出します。


「……フン。個人の感覚を数式に統合したか。……いいでしょう。でも、第八の試練は『時間』です。……校舎の時計塔が指し示す、虚数時間の迷宮ですよ」


九条くんの声に、私は重い腰を上げました。


(……逆行列。過去をやり直すことはできないけど、今の仲間がいれば、どんなに歪んだ空間でも真っ直ぐ歩けるのかもしれないな)


中村正樹の「サバイバル卒業試験」は、ついに残り3つ。第八の試練——時計塔に隠された「複素数平面と時間の回転」が牙を剥きます。

演習問題

2つのベクトル a = ( 1, 2, -1 ) と b = ( 2, -1, 3 ) の内積 a・b を求めなさい。

1. 0

2. -3

3. 3

4. 5


解説

成分表示されたベクトルの内積は、各成分の積の和で求められます。

a・b = 2 - 2 - 3 = -3

**正解:2**

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