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卒業試験・第一の試練「嘘つきたちの門限」

この物語はフィクションです。現実の学校現場とは全く関係ありません。ご一読ありがとうございます。

「中村先生、聞こえますか? 卒業式まで残り10時間。僕が仕掛けた10のパズルを解き、各教室のロックを解除してください。さもなければ、彼らの卒業証書は電子の藻屑となります」


九条くんの冷徹な宣戦布告と共に、校内放送が途絶えました。私は有給休暇への未練を断ち切り、エミ先生と共に向かった最初の関門——それは、3年生の教室の扉に設置された「論理の門」でした。


### 【第一のパズル:論理学の罠】


モニターには3人の「門番AI」が表示されています。


* 門番A:「門番Bは嘘をついている」

* 門番B:「門番Cは嘘をついている」

* 門番C:「門番AとBは、二人とも嘘をついている」

**問題:正解の扉を守る「正直者」は誰か?**


**中村:**「……九条くん。初手から古典的な論理パズルか。だが、これを解かないと私のゲーム機への『最短経路』が開かない」


**エミ先生:**「中村先生、落ち着いて! 誰かが本当のことを言っているはずですわ!」


---


### 校務:鈴木先生と「論理のデバッグ」


**鈴木:**「……中村先生。論理学(数理論理学)の基本です。仮定を立てて矛盾(背理法)を探してください。Aが真実だと仮定すると、Bは嘘。Bが嘘なら『Cが嘘』という発言も嘘になり、Cは真実を言っていることになる。……ですが、Cが真実なら『Aは嘘』でなければならない。これは矛盾です」


**中村:**「つまり、Aは嘘つきだ。Aが嘘ならBは真実。Bが真実ならCは嘘。Cが『AとBは嘘』と言っているのが嘘なら、矛盾しない。……答えはBだ」


---


### 授業:背理法と「消去法の美学」


扉が開き、中から山口くんが飛び出してきました。


**山口:**「先生! 閉じ込められて筋トレのメニューが狂うかと思ったぜ! 助かった!」


**中村:**「山口くん、いいか。世の中には『正しいこと』を言う人間ばかりじゃない。でも、全員の言い分をぶつけ合えば、矛盾という名の『外れ値』が必ず見つかる。それが数学的な『背理法』の力だ」


**六条(天才肌):**「……さすが先生。複雑な計算をせず、矛盾点だけを突いて最短で扉を開けましたね。……でも、次の教室は私の『確率論』が仕掛けられています。簡単には通しませんよ」


---


### 結末:賢者の「一歩目」


1つ目の扉が開き、校内の電子ロックの一部が解除されました。しかし、まだパズルはあと9つ。


「中村先生……。あなたの迷いのない判断、まさに混沌の中に一本の線(論理)を引く指揮者のようですわ。……さあ、次の試練が待っていますわ!」


(エミ先生、私はただ早く帰ってポテトチップスを食べながら冒険したいだけなんです! 指揮者じゃなくて、ただの脱出希望者なんです!)


中村正樹の「サバイバル卒業試験」は、まだ始まったばかり。次の標的は、六条さんが支配する「第二の試練・確率の迷宮」です。

演習問題

ある村には「常に正直な人」と「常に嘘をつく人」しかいません。分かれ道で村人に「あなたは、この道が正しい道だと『はい』と答えますか?」と聞いたとき、相手が正直者でも嘘つきでも、必ず正しい道がわかります。それはなぜでしょう?

1. 正直者は「はい」、嘘つきは「いいえ」と答えるから。

2. 二人とも必ず「はい」と答えるから。

3. 二人とも必ず「いいえ」と答えるから。

4. 正直者は黙り込み、嘘つきは逃げ出すから。


解説

嘘つきに「『はい』と答えますか?」と聞くと、「嘘をつく(いいえ)」という自分の性質についても「嘘をつかなければならない」ため、二重否定となって結果的に「はい」と答えてしまいます。正直者は当然「はい」です。

**正解:2**

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