表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/50

2次関数とWi-Fiの相関関係?

この物語はフィクションです。現実の学校現場とは全く関係ありません。ご一読ありがとうございます。

第2話を作成します。今回は「授業」の要素を織り交ぜつつ、中村先生が「楽をしたい」一心で放った一言が、周囲に深読みされていく様子を描きます。


---


「……繋がらない。なぜだ」


山中高等学校、唯一のコンピュータ室。といっても、型落ちのノートPCが10台並んでいるだけの、かつての図書準備室だ。

私は、壁際のWi-Fiルーターと格闘していた。昨日から校内のネットワークが不安定なのだ。


「中村先生、状況は?」


背後から、低く落ち着いた声。朝永教頭だ。

彼は、まるで物理現象を観察するように、点滅するルーターのLEDを見つめている。


「朝永先生。どうもこのルーター、接続台数の上限に達しているか、配置の問題で干渉が起きているようです。……ただの機械トラブルですよ」


「ふむ。……『境界条件』の問題かな」


教頭は弓道の的を見定めるような鋭い眼差しで呟いた。

(いや、ただの安物ルーターの限界なだけなんですけど)


そこへ、廊下から騒がしい足音が聞こえてきた。


「中村センセー! 今日の数学、外でやりましょうよ! 天気いいし!」


元気よく入ってきたのは、バスケットボールを指で回している山口くんだ。運動能力は高いが、数学の時間はいつも窓の外を眺めている。


「山口くん。数学は教室でするものですよ。……と言いたいところですが」


私は、手に持ったルーターと、手元のタブレット(自腹で購入したもの)を見た。

私の脳内に、ある「生存戦略」が閃く。


(そうだ。教室で真面目に板書をしていたら、ノートを取らない生徒の対応で私のHPが削られる。いっそ、このWi-Fiトラブル解決を『探究学習』にすり替えて、生徒に丸投げ……いや、主体的に解決してもらおう!)


「……よし。今日の『数学Ⅰ』は、予定を変更して屋外で行います。テーマは、**『2次関数と電波強度の放物線的関係、および最適配置の導出』**だ」


「……は?」

山口くんが呆然とする。


---


### 授業:2次関数の導入(フィールドワーク編)


校庭。

10名の生徒たちが、怪訝そうな顔で集まっている。


**中村:**「みんな、スマホやタブレットのWi-Fiマークを見てごらん。校舎から離れると、どうなる?」


**六条(成績優秀な女子生徒):**「……当然、弱くなります。距離の2乗に反比例して減衰するからですよね?」


**中村:**「正解。六条さん、さすがだね。じゃあ、今のルーターの位置(原点)から、みんなが一番快適に通信できる『頂点』はどこか、2次関数のグラフを使って特定してみよう」


私は地面に棒で大きな座標軸を描いた。


**中村:**「教科書の2次関数の形を思い出して。 。この『頂点 』こそが、君たちが最も電波を掴みやすい聖域サンクチュアリだ」


**望月(数学が得意な女子生徒):**「先生、つまりルーターの高さを としたとき、私たちの位置 との関係が放物線を描くってこと?」


**中村:**「その通り! さあ、各自タブレットを持って、電波強度が最大になる地点を探して。そこが、この学校の新しい『アクセスポイント設置予定地』になる」


生徒たちは「ゲームの隠しアイテム探し」のような感覚で、校庭を走り回り始めた。


---


### 結末:深まる誤解


放課後。

無事に(生徒たちのデータ収集により)最適な設置場所が判明し、私は新しいルーターをそこに置くだけで、校内のネット環境を劇的に改善させることに成功した。


「……ふう。これで明日の授業準備もネットで楽にできるぞ」


私が事務作業をしていると、鈴木先生がやってきた。彼女はタブレットに記録された生徒たちのログを見て、珍しく目を見開いている。


「中村先生……。驚きました。単なる接続トラブルを、2次関数の動的理解に繋げ、さらに実社会の問題解決(DX)を生徒自身に行わせるとは。……『主体的・対話的で深い学び』の極致です」


「いえ、私はただ、自分が配線し直すのが面倒だっただけで……」


「謙遜は不要です。あなたは、生徒たちの『認知特性』を数理的に把握し、最適な学習環境を構築した。……まさに、情報の魔術師ですね」


(違う。私はただ楽をしたかっただけなんだ……!)


遠くの校長室から、稗田校長が窓の外を見つめながら微笑んでいるのが見えた。

「人類の歴史は、試練を英知で乗り越える記録。……中村先生、あなたはやはり、この学校の運命を変えるキーのようですね」


私の意図とは裏腹に、山中高校の「ICT革命」の噂は、静かに、しかし確実に広まり始めていた。

演習問題

2次関数 y = -(x - 3)^2 + 5 のグラフについて、正しい記述はどれですか?

1. グラフは下に凸であり、頂点は (3, 5) である。

2. グラフは上に凸であり、頂点は (-3, 5) である。

3. グラフは上に凸であり、頂点は (3, 5) である。

4. グラフは下に凸であり、軸は直線 x = -3 である。


解説

2次関数の基本形 y = a(x - p)^2 + q において:a が正なら下に凸、負なら上に凸。頂点は (p, q) となります。本問では a = -1(負)なので上に凸、 p = 3, q = 5 なので、頂点は (3, 5) です。正解:3

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ