表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/50

国家プロジェクトと、裏山に現れた「黒いスーツの集団」

この物語はフィクションです。現実の学校現場とは全く関係ありません。ご一読ありがとうございます。

「中村先生……。どうやら、あなたの夏休みは本日をもって『国家機密』に指定されたようですわ」


研修会の翌日。自宅のソファでようやく「裏山の精霊」たちとボス戦に挑もうとしていた私の元へ、エミ先生が息を切らしてやってきました。

窓の外を見ると、普段は軽トラしか通らない山道に、高級な黒塗りのセダンが数台、不自然な隊列を組んで停車しています。


「エミ先生……。私、何か国家反逆罪でも犯しましたか? それとも、Excelの関数を使いすぎてサーバーを落とした罪ですか?」


「いいえ。デジタル庁のタスクフォースと、文科省の『GIGAスクール構想第2フェーズ』の担当者たちが、本校を『次世代教育の実証フィールド』に認定したそうですの。……今、校長室で稗田校長と朝永教頭が、彼らと『宇宙規模の教育予算』について話し合っていますわ」


(断頭台が、ついに霞が関からやってきた……! 実証フィールドなんて、一番「手間と責任」がかかる仕事じゃないか!)


---


### 校務:鈴木先生と「国家プロジェクトのサンドボックス化」


私は絶望の淵で、なぜか楽しそうに新型のドローン用センサーを調整している鈴木先生に泣きつきました。


**中村:**「鈴木先生、これ、断れませんか!? 国家プロジェクトなんて、報告書の量だけで森林が一つ消滅しますよ!」


**鈴木:**「……中村先生。落ち着いてください。論理的に考えれば、これはチャンスです。彼らが提供する『国家予算』を使えば、本校の教育プラットフォームのサーバーを量子コンピュータ級に増強できます。……報告書? そんなものは、彼らが持ってきたデータのログをAIで自動整形して投げ返せばいいだけです」


**中村:**「(……悪魔だ。この人、国を相手に自動化しようとしている!)……でも、彼らが『実証』したいのは、私の『効率化メソッド』なんですよ?」


**鈴木:**「なら、見せてあげましょう。彼らが驚愕するほどの『究極のサボり……あ、いや、最適化』を。名付けて、**『山中高校・自律型教育システム(Y-AES)』**です」


---


### 授業(?):国家公務員への「逆・特別講義」


校長室。エリート官僚たちを前に、私は鈴木先生が作成した「極めて不遜な」スライドを提示しました。


**中村:**「……えー。デジタル庁の皆様。本校の教育メソッドの根幹は、『教師が何もしないこと』にあります」


**官僚A:**「なっ……。何もしない? それはどういう意味ですか、中村先生」


**中村:**「数学的に言えば、『自律分散型アルゴリズム』です。生徒たちに、課題の期待値と報酬(自由時間)をセットで提示すれば、彼らは自ら最短経路(最短学習時間)を選択します。教師の仕事は、その経路にバグがないか、たまに監視カメラ(ダッシュボード)を眺めるだけです」


**官僚B:**「……驚いた。我々が数千億かけて構築しようとしていた『個別最適な学び』が、この辺境の地で、ハーブティーを飲みながら完成しているというのか!?」


---


### 結末:賢者の「バカンス」は、聖域へ


結局、官僚たちは「これこそが、我が国が目指すべき『究極のDX』の形だ!」と感動し、なぜか「中村先生の自由時間を確保するための予算」まで計上して去っていきました。


「中村先生……。あなた、国から『休むための予算』を勝ち取った初めての公務員かもしれませんわね」


エミ先生が呆れ顔で笑い、朝永教頭は「これで弓道の的も自動復旧式にできるな」とほくそ笑んでいます。


稗田校長は、黒塗りの車が去っていく土埃を見つめながら、静かに呟きました。


「中村先生。国家という巨大な歯車を、あなたの『怠惰という名の叡智』で、優雅なメリーゴーランドに変えてしまった。……あなたは、もはや一教師ではない。……この国の未来を『最適化』する、名もなき軍師ですね」


(校長、私、ただの『ゲームのランク上げを邪魔されたくない男』なんです! 軍師とか、そんな重い看板は鈴木先生に渡してください!)


中村正樹の夏休みは、あろうことか「国家の至宝」として保護(隔離)されることで、結果として(望まぬ形で)静寂を取り戻していくのでした。

演習問題

あるシステムを全国の学校(約30,000校)に導入しようとしています。1校あたりの導入コストを C 、維持コストを年間 M とします。5年間の総コストを表す式として正しいものはどれですか?

1. 30000×( C + M )

2. 30000× C + 5 × M

3. 30000×( C + 5M )

4. 30000× 5C + M


解説

各学校に導入コスト C が1回、維持コスト M が5年間かかるので、1校あたり C + 5M。

それが 30,000校あるので、全体のコストは 30000 × ( C + 5M ) となります。

予算を組むときは、こうした「変数」の見極めが重要です。

**正解:3**

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ