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精鋭たちの「暴走」と、無自覚なオーバーテクノロジー

この物語はフィクションです。現実の学校現場とは全く関係ありません。ご一読ありがとうございます。

「中村先生! 見てください、私たちの『自主学習』の成果ですわ!」


ある日の放課後。中平さんと六条さんが、目を爛々と輝かせて私の元へやってきました。彼女たちが差し出したタブレットには、何やら複雑な3Dモデルと、膨大な数式が並んだ画面。


「……これは、何かな? 数学Ⅰの範囲を大幅に逸脱している気がするんだけど」


「先生が仰ったじゃないですか。『期待値を最大化するために、自分で因果関係を作れ』って! だから私たち、学校の裏山の斜面を利用した『全自動・最短経路物流ドローン』の航路アルゴリズムを組んでみたんです!」


(……待て。私はそんな、軍事転用できそうな研究をしろとは一言も言っていない。ただ、三浦さんの進路面談でちょっとカッコいいことを言っただけだ!)


「先生、これに朝永先生の地下観測データのノイズ除去技術を応用したら、風速 15 km でも安定飛行できる計算になりました。……山中高校の精鋭として、これくらいは当然ですよね?」


---


### 校務:鈴木先生と「加速する生徒」へのリミッター


**中村:**「鈴木先生……。生徒たちが、私の適当な一言を『神託』のように解釈して、オーパーツみたいなものを作り始めています。どうにかして、彼女たちのリソースを『普通のテスト勉強』に引き戻せませんか?」


**鈴木:**「……中村先生。それは不可能です。あなたの『無自覚な触発』によって、彼女たちの認知機能はすでに一般的な高校生のフレームワークを突破しています。……むしろ、このエネルギーを校務の自動化に転換デリゲートすべきです。例えば、全自動の『給食配膳最適化システム』とか」


**中村:**「鈴木先生まで!? ……だめだ、この学校の教員はブレーキをかけるという概念がない。岡田先生なんて、ドローンのペイロード(積載量)を『プロテイン20kg分』にするよう勝手に仕様変更を迫っていますし……」


---


### 授業:2次関数と物理(放物運動の制御編)


収集がつかなくなる前に、私は彼女たちの「熱」を、せめて教科書の内容に繋ぎ止めることにしました。


**中村:**「みんな、ドローンの制御もいいけど、まずは基本に戻ろう。斜面から物体を投射したときの軌道計算だ。y = ax^2 + bx + c の係数に『重力加速度』と『風の抵抗』を入れたとき、目的の座標に『最小誤差』で着地させるにはどうすればいい?」


**六条(天才肌):**「先生、それは微分方程式で解くべきですが……あえて2次関数の『頂点の移動』として近似シミュレーションすれば、オンボードコンピュータの負荷を下げられますね。……さすが先生、計算資源の節約まで考えているなんて!」


**山口(体育会系):**「先生! 俺もドローンに負けねえ。重力を味方につけた『数学的ダンクシュート』の軌道、今ので理解したわ!」


(……よし。なんとか『勉強』の形にはなった。これでドローンが村を制圧するような事態は防げるはず……)


---


### 結末:校長の「期待」という名の重力


その日の夕方。

裏山でテスト飛行をする生徒たちの姿を、稗田校長が慈愛に満ちた表情で見守っていました。


「中村先生。あなたが蒔いた『知恵の種』が、ついに空を飛び始めましたね。……自らを『盾』として守るだけでなく、生徒たちに自ら未来を拓く『翼』を与える。……その不屈の意志、まさに歴史を動かす革新者の姿そのものです」


(校長……。翼というか、あれはただのラジコンの進化版です。私はただ、彼女たちが飽きて静かになってくれるのを待っているだけなんです……!)


しかし、中村の願いも虚しく。

山中高校の公式サイトには、鈴木先生の手によって**『本校生徒による、次世代物流アルゴリズムの研究成果』**という輝かしい実績がアップロードされました。


「中村先生。これでまた、本校の『期待値』が跳ね上がりましたわ。……さあ、次の『奇跡』の準備を始めましょう?」


エミ先生の優雅な微笑みが、今の私には一番の「破滅フラグ」に見えるのでした。

演習問題

2次関数 y = -5x^2 + 20x +2 のグラフにおいて、放物線の頂点の座標を求めなさい。(重力加速度を 5 とした簡易モデル)


1. ( 2, 22 )

2. ( -2, -58 )

3. ( 2, 2 )

4. ( 4, 2 )


解説

y = -5( x^2 - 4x ) + 2

y = -5{ ( x - 2 )^2 - 4 } + 2

y = -5( x - 2 )^2 +22

よって、頂点は ( 2, 22 ) です。

**正解:1**

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