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期末試験の「難易度」と、意図せぬ神速採点

この物語はフィクションです。現実の学校現場とは全く関係ありません。ご一読ありがとうございます。

「……ついに来てしまった。期末試験という名の、採点地獄デッドラインが」


放課後の誰もいない教室。私は、10名分の白紙に近い解答用紙を前に、天を仰ぎました。

試験問題を作るのは、ある意味「未来の自分への嫌がらせ」です。記述問題を増やせば増やすほど、採点という名の断頭台が私に近づいてくる。


「死にたくない。採点で週末を潰したくない……!」


私の生存本能が、かつてない速度で回転し始めました。

私は、全10問のうち後半の5問を、あえて「数式的には複雑だが、ある一点に気づけば一瞬で解ける」という、いわゆる『エレガントな解法』が必要な問題に差し替えました。


(これなら、生徒が解くのには時間がかかるが、採点は一瞬だ。……ククク、天才か、私は)


---


### 校務:鈴木先生との「OCR自動採点」実験


職員室で問題を印刷していると、鈴木先生が背後に立っていました。


**鈴木:**「中村先生。この設問構成……論理的整合性は高いですが、採点効率を優先した『逃げ』の姿勢が見え隠れしています。……嫌いではありません」


**中村:**「鈴木先生! 逃げではなく、生徒の『本質を見抜く力』を試しているんです(必死)。ところで、この解答用紙をスキャンして、自動で正誤判定するスクリプト、佐藤さんに教わったPythonのライブラリ(OpenCV)で組んでみたんですが、検証をお願いできますか?」


**鈴木:**「……なるほど。記述の癖をデータ化し、正答パターンと照合するのですね。いいでしょう。私が管理している教育プラットフォームの生徒特性データとリンクさせれば、誤答の傾向分析まで数秒で終わります。……これで、私たちは採点後の『分析会議』という名の無駄時間を短縮できます」


(よし! 鈴木先生を巻き込めば、私の採点作業は実質ゼロになる!)


---


### 授業:試験直前対策(ショートカットの数学編)


**中村:**「みんな、期末試験のヒントだ。数学は『力技』で解くものじゃない。いかに『計算しないか』を考える学問だ」


**望月:**「先生! この2次関数の最大値を求める問題、平方完成しなくても、軸の対称性を使えば一瞬で答えが出ちゃいます!」


**中村:**「その通り! 望月さん。近道を見つけることは、怠慢じゃない。知性の勝利だ。山口くん、君もシュートを打つとき、毎回軌道計算はしないでしょ? 身体が『最適解』を知っているはずだ」


**山口:**「おう! 先生、俺、テストもシュートと同じ感覚で、最短ルートをぶち抜いてやるぜ!」


(……いいぞ。みんな、最短ルート(私が採点しやすい方法)で解いてくれ!)


---


### 結末:1000年に一度の「神速」


試験終了後。

私が職員室のデスクに座り、スキャナに解答用紙を通した瞬間。


「……終わりました。全10名分、採点および成績処理、完了です」


時間は、わずか3分。

他校の教師が徹夜で赤ペンを握っている間、私はコーヒーを優雅に啜っていました。


ところが。


「中村先生……。今、教育委員会のサーバーに、本校の成績処理完了通知が届きました。……試験終了から、わずか5分で。……これは、前代未聞ですわ!」


エミ先生が腰を抜かし、朝永教頭が震える手で眼鏡を拭き直しています。


「中村くん……。君は、10人の生徒の思考を、試験が始まる前からすべて『予見』していたというのか? だからこそ、採点というプロセスを省略スキップできた……」


「いえ、ただの自動化で……」


「いいえ! これは、教師が生徒の魂と完全に同調したときにのみ起こる『教育的シンクロニシティ』だ!」(朝永教頭)


そこに、稗田校長が静かに現れ、私の肩に手を置きました。


「中村先生。時間を操る者は、運命を操る者。……あなたは、教育という名の『永遠』の断片を、デジタルという名の『一瞬』に閉じ込めたのですね。……さすがは、私の見込んだ情報の守護者です」


(校長、ただ単に早く帰ってゲームしたかっただけなんです! 予見じゃなくて欲望なんです!)


中村正樹の「採点から逃げたい」という執念は、ついに「時間を超越した教育の神業」として、県内の教職員の間で都市伝説化していくのでした。

演習問題

2次関数 y = 3( x -100 )^2 +500 の最大値・最小値について、正しいものはどれですか?


1. x = 100 で最大値 500 をとる。

2. x = 100 で最小値 500 をとる。

3. x = - 100 で最小値 500 をとる。

4. この関数に最大値・最小値は存在しない。


---


**【解説】**

a = 3(正)なので、グラフは下に凸です。

よって、頂点で最小値をとり、最大値はありません。

頂点は ( 100, 500 ) なので、x = 100 で最小値 500 をとります。

**正解:2**

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