19話 テスト開幕
『杞人天憂』
この言葉は、テスト前の生徒の数人の状態である。もしかしたらもっといるのかもしれない。勉強をしたのに問題用紙が机に置かれた時、「本当にできるのだろうか」と心配することだ。俺だってそんなことは何回もあった。今は何の心配もない。俺はチャイムが鳴ったと同時に問題を読み解答を書いていく。俺にとって大事な行事が始まった。
期末テスト初日の最初のテストは英語。俺の苦手教科ではあるがスラスラと答えを書いていく。40分ほどで終わったため、10分の余り時間ができた。その時間を見直しに5分ほど掛け、残りおよそ5分とした。その間に俺はとある計画を考えていた。
「どうすれば学校中の情報を集められるか」
もちろんあまり知られていない人間関係や家族関係、他にも個人のあらゆる情報を含む。学校の施設を調べる事は安易にできる。自分が校内を歩き1つ1つ確認すればいいだけだ。ただ、校長室や職員室には簡単に調べる事はできない。そのための解決策があればいいが、今のところは何も思い浮かばない。となると大事になってくるのは人間関係だ。もし、生徒会選挙での主犯が先生でその息子あるいは娘、親戚ならばその生徒を探し、生徒から先生の情報を聞き出せば良い。これが1番簡単なパターンだが現実は上手くいかないだろう。となるとどんな先生に絞っていくかだ。教科?性別?部活動?年齢?どのように絞るかで時間が変わる。1つ言える事は俺のことを知っている人が主犯だ。意図してあの行動を起こせるのはとても難しい。単純に面倒な事をわざわざする必要が無いからと言った方が分かりやすいだろう。ただでさえ俺は影の薄い生徒の1人、名も顔も知らない生徒にあの行動は普通はできない。だが、その普通はこの高校では普通では無い。生徒の自主性を高めるために生徒中心の学校になっている。学校自体が普通では無い。となると、生徒がやった事も視野に入れなければならない。そう考えていた時にチャイムが鳴った。
「そこまで。後ろから回収。」
俺は1番前。考えようとしたが次の生物のテストに備えて勉強の頭に切り替える。
生物のテストが始まる前、近くで答え合わせをしている声が聞こえる。無視をしようと思っていたが耳に入ってしまった。
「問7の問題が分からなかったけど分かった?」
「あーあれね。テスト範囲外だと思う、多分。」
確かにそうだった。あの問題は今回のテスト範囲では無い。たまたま俺は分かったが他は分からなくて当然だ。
そして生徒のテスト、保健のテストも終わり無事初日は終わった。今のところ手応えは十分ある。ただ気になる事があった。
『テストの範囲が本当に正しいのか?』
英語のテストだけでなく生物と保健もテスト範囲外の問題が出されていた。大問題ではないが、問題があるのは変わらない。なぜテスト範囲外が出題されたのか?それも全教科。何か共通点があるのかもしれない。とりあえず今から部活がある。この問題は後で解決すればいい。何があろうと俺の計画は変わらない。
投稿が遅れました。今回から期末テスト編が始まりました。と同時に1章である1学期編が終わりを迎えてきました。投稿頻度が少ないのでここまでくるのにとても時間がかかりました。1つの区切りをしっかりと終わらせれるように頑張っていきます。




