16話 簡単な作戦
俺は推理が苦手だ。だから深く考えたり少しの手掛かりから正解に辿り着く事が難しい。ただ、仕掛ける事は得意だ。得意と言うより簡単に出来てしまう。1つの出来事を複雑にさせるためにあらゆる方法を用いて相手を混乱させる。そして真実から遠ざける。それだけでいい。
生徒会に入ってから変わった事は今は特にない。生徒会に入ってから3日程でほぼ全員の生徒が知り俺に話しかけてくる奴もたくさんいた。「どう言う事?」や「なんで入れたの?」とか俺に聞いてくる。その度に俺は「空きが出たから入ってくれって言われた。」と言った。しかし、ここで普通は気づく。なぜ1年と2年の生徒会が辞めたのか。2年生は知らないが1年生は俺が仕掛けた。推薦者は生徒会を辞める罰はとても軽い。放課後の掃除、鈴松祭委員の参加など意外と少ない。
「なー内森。なんで俺が若尾に伝言を伝えなければいけなかったんだ?」
「そんなの決まってるさ。俺が言うより秀吾が言う方が確実に伝言を伝えてくれるからだよ。」
推薦者として生徒会に入った若尾由月は辞めさせる事が簡単だった。若尾には俺の数少ない友人のうちの1人、杉浦秀吾のことが好きだった。それはクラスの半数くらいは知っている事だった。だから、秀吾に頼み若尾と近づいてもらい若尾を辞めさせた。辞めさせれば近づかなくていいと伝えたのだが、逆に秀吾が意識し始め、今やおそらく両思いになっているであろう。初めは秀吾に申し訳なかったが今は頼んだ俺が正しかったのだと思うようになってしまった。秀吾が上手い感じに若尾を生徒会から辞めさせてくれたおかげで1枠空いたわけだ。あとは若尾が横山会長に伝言を残せば良かった。それも秀吾に頼んで内容をそのまま伝えてもらった。
「空いた枠は同じ学年で埋めるべきです。それに男女比を考えると男子が圧倒的に少ないので男子を入れるべきだ。」
と言って貰えばいい。流石に横山会長も分かっていたのか1年の推薦者で唯一の男子である俺を選ばざるを得なかったということだ。
「しかしまさかな。秀吾が若尾を意識するなんてな。」
「ばか、それは言うな。まだほとんどの人が知らないんだぞ。」
「そうなのか?ならこの日をきっかけに広めてやるか。」
「やめろって。」
「分かってるって。そんな事はしない。それにお互いwin winになったんだしいいだろう。」
「それはそうだな。ありがとう。」
「こちらこそありがとう。」
結果的にお互いが得をし、損がなかった事は何よりだ。
「それにしても佐賀原先生に呼び出された時どんな感じだったんだ?」
佐賀原先生に呼び出された時、近くに秀吾はいなかった。詳しく知らない様なので多少嘘をいれる。
「びっくりしたよ。なんで俺に用事があるんだって。」
本当は呼び出されることを知っていたのだが今はまだ言うべき時じゃないな。
久しぶりの投稿です。2ヶ月以上の期間、投稿出来ていませんでしたが少しずつ投稿頻度が増えるように頑張ります。本作はこれから、どんどん主人公がいろいろな情報を得たり、策略を巡らせていきます。これから明かされていくこともたくさん増えてきますので楽しみにしてください。




