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夢日記

カンガルー仮戦記

作者: 鶏野玉子

風呂上り、ふと思い立って使っていない和室に入りペンダントライトの紐をひいた

明るくなった室内には何も置かれていない


鴨居から膝まである障子窓を開くと、夜目にも外の小高い丘が見える

外は月明かりで明るく、電気をつけていても遠くまで見渡せた

田舎だけに見晴らしがいい


遠目に見える小高い丘の上に何かいるような気がして網戸も開けて目を凝らすと、何かと目があった

そこにいたのは……



カ・ン・ガ・ルー!



どこのオーストラリアだ、そんなわけがない

だけどそんな感じの動物がいる

成体雄カンガルーなら1.5メートル近いはずだが、遠くにいるのでサイズも不明

わからないので仮にカンガルーと呼称する


カンガルー仮と目があった

あってしまった

慌てて窓を閉め、障子も閉める


なぜこここにカンガルー仮が?

そんな動物はこのあたりにはいないはず


窓の前に座り込み、本能で膝までの高さの壁に身を隠しつつ、少しだけ障子をずらす

窓が曇って何も見えなかった

指先で手のひらほどの大きさに曇りをぬぐい、恐る恐る外を覗くとヤツの影!

あちらも微動だにせずこちらを見ている


電気をつけるんじゃなかった

電気を消して再び見てみる

まだ見てやがる……・!


落ち着こう

この部屋は2階だ

カンガルー仮がいかに身体能力に優れた野生動物であっても、2階の窓まで飛び上がれるはずがない

たぶん


ここが2階だと気付いて気が大きくなったのか、電気を消したことで月明かりに照らされる外のほうが明るくなりこちらが有利と思ったのか、私は窓を全開にしカンガルー仮を観察した


するとカンガルーが動き出した

なんか近寄ってくるんですけど!

いやいや我が家には1.2メートルのブロック塀がある

お隣さんは会社の倉庫で障害物もばっちり

危険はない

はず


見ないうちに何かされるのも恐ろしく、ガラス越しに戦々恐々と眺めていると、なんか塀を足場にして飛び上がってきた!

届かないけど



届かないけどやばい気がする

ガラス窓の防御力などたかが知れている

雨戸を閉めるべき?

よく考えると1階の雨戸を閉めていないので、2階だけ防御力をあげてもあまり意味はなかったが、その時はちっとも思い至らなかった


何度か塀足蹴アタックを繰り返すカンガルー仮

このままではやばい、妨害しなくては……!


投げるものを探してきて網戸を開くと

いつの間にか天気も崩れ大雨になっていた


いや大雨なんだから帰れよカンガルー仮

しかし、いるのだから仕方ない

窓から吹き込む雨でびしょぬれになりつつ、棒上のものを投下し邪魔をしてみる


カンガルー仮は2階の窓に届かず、私の投擲はカンガルー仮に届かず

膠着する現状に小休止するため障子を閉めた

大雨のせいで全身びしょぬれ、髪から水が滴っていて、雑にしぼると畳に水たまりができてしまった

ああ、何かで拭かないと畳にしみ込んでしまう

だけどカンガルー仮を倒す道具も見つけないと……!


投げっぱなしでは道具が尽きる

棒の後ろに長い紐を結わえて、投げてはひっぱって再使用しよう

紐、ひも、ヒモ、どこかにないか

なぜかペンダントライトの紐が何メートルもあったので、その先に棒を結んだ


勝った

これで無限に再使用できる

窓を開け、投げる、引っ張る、投げる

こちらには重力も味方している

飛び上がるより投げ落とす方が有利だ!


決着は……!




目が覚めました

今日の夢日記

理不尽

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