決別2
門の外に止まっていた馬車から降りてきた人物は予想通りの人物だった
「欠陥品、ようやく追放だな」
ヌケだ、こいつは本当に学習能力がない、ダラマは俺を睨みつけている
「弟たち、その辺にしておくんだ、王族が庶民をいじめているみたいではないか」
「アンジェ姉さん、あの頭の悪そうなやつ誰?」
「あれはアホンていう、元第1王子ですよ」
「影が薄くて存在感が今までなかったよ」
「ゴホン、トーマ、君には悪いけど、君の姉君たちは僕がペットの用に可愛がってあげるから安心して国を出るといい」
俺の後ろから威圧感が、どうやら姉さんたちの地雷を踏んだようだ、対してバカ兄弟は下品な笑みを浮かべている
「私たちもトーマと一緒に国を出ていくのだけど」
「これ以上、トーマを侮辱するなら、大怪我で済まさないわ」
アンジェ姉さんはレイピアを抜いた、アルティ姉さんはロッドを出して魔法をいつでも放てるよう、構築している
「姉上、本気ですか」
「あなたに姉上と呼ばれる筋合いはない」
レイピアを巧みに操り、アホンの服を細切れにし、全裸にした
「トーマのより、小さいですわね」
アルティ姉さんは魔法を使い、岩で出来た牢屋に3人を閉じ込める
「あなたたちと死んだおばさんが悪いのですよ」
感情は稀に魔力量を底上げしてくれる、アルティ姉さんには魔法の才能があるが、魔力量は多くないが怒りの感情のおかげで岩の牢屋が作れたのだ
「姉上助けてよ、全てはアホン兄さんが悪いんだ」
「トーマをいじめていたのもアホン兄さんの命令だ」
「何を言っているんだ、全ては死んだ母上の命令だろ」
お互いに罪の擦りつけ合い、とても見苦しい
「トーマ、首輪と鎖って作れる?」
「作れるよ」
「あの3人の首に首輪を、鎖で壁に繋いでおいて」
ペット呼ばわりされたことがよほど頭にきていたのだろう 俺はアンジェ姉さんの言う通りに魔法を使って首輪と鎖を作り、繋げた
「それで、あなたたちの妹はどこ?」
「あいつらは僕たちの妹ではない 養子だよ」
王家の血も引いていない子供を王女として、扱っていた、それも問題なのだが、国王は知らなかったと考えると・・・・・
「アンジェ姉さん」
「トーマ、さっさと国を出ましょう」
「とりあえず、あそこの馬車を奪おう」
アンジェ姉さんは馬車の中にいた、貴族をレイピアで脅して、引きずり下ろし、アルティ姉さんは馬車を操作するため御者の席に座り、俺とアンジェ姉さんは馬車の中に入り出発した
「トーマ、どこに行く?」
「どこに行こうかな、でも考えないといけないことはいっぱいあるよ、住む場所とか、お金を稼ぐ方法とか、後は料理とか」
馬車は走り、王都を出た 二度と戻って来ないだろう
「トーマ、鎖を作っているとき紙を貼っていなかった?」
「ああ、あれね 無能な兄たちに追放されました、姉たちは国を切り捨てましたって書いた紙を貼ったんだ」