対校戦2日目
今日は準決勝と決勝 負けることはないがアルティ姉さんを1人だけ投入しても勝てるからな準決勝からは全員『三重』連射4発までを解禁、今の1年生の実力は最低でも『四重』だからな
ここで『重ね』のおさらいをしよう 『重ね』とは魔力を重ねることの意味だ、その応用が同時魔法発動になるのだが『二重』だと2つの魔法を同時に発動できる、また並列思考を使うことで違う属性を同時発動したり、複合属性を同時発動なども出来るようになる。
アンジェ姉さんの場合は『七重』をレイピアに纏わせたり、1発の威力を高めて放つことは出来るが魔法の連射や同時発動に向いていない、アルティ姉さんの場合は同時発動や連射などを上手く使うことが出来るがアンジェ姉さんのような1発は使うことが出来ない、手数で攻めるタイプだ。姉妹でも向き不向きがある
「トーマ、私はいつになれば出場出来るの?」
「アルティ姉さんは手加減が出来ないからね、『三重』4連射を守れるならいいけど」
「もっと魔法を射ちたい」
「アルティ姉さん1人で勝てるレベルなんだよ、やり過ぎて来年から出られなくなってもいいの?あと正体がバレるよ」
「頑張って抑えるから」
昨日の夜の会話なのだが、準決勝からアルティ姉さんを投入した。『三重』4連射は守っているけど中級魔法、複合属性、連射やり過ぎだ。対戦校のやる気は失せているし、過去最高得点を塗り替えてしまった。
「トーマくん、君のお姉さんは凄いな」
「学院長、使用魔法に制限を付けるべきでした。」
「トーマくん、普段生徒たちがやっている訓練を我々教師陣にもやってもらいたいのだが」
「いいですけど、フル装備で来てください 抑えますが怪我だけは覚悟してもらいますよ」
決勝戦が始まったのはいいが対戦校はこちらと同じように『重ね』を使おうとしているが全く出来ていない、その間に点数を稼いでいき、制限時間残り数秒の所でアルティ姉さんはやってしまった。『5重』上級魔法3連射 的は全て耐えきれなく壊れてしまった。
「あれだけ言ったのに」
「トーマくん、勝ったからいいじゃないか」
学院長は気分良く高笑いをしている。その隣で俺はこれからどうするか思考を巡らせている。
宿に帰ったら反省させよう
記録をまた塗り替えてしまった。
宿に帰ると祝勝会が始まった、学院長と教師たちは酒を飲んでいない、この後、ゴーレムと戦うから飲まないよな
「アルティ、明日は私が頑張るわ」
「アンジェ姉様なら楽勝です。」
「アルティ姉さんは反省をしてくれ、アンジェ姉さんは『三重』で抑えるように」
「トーマ、任せなさい あなた達の姉として良いところを見せるわ」
祝勝会が終わり、宿の訓練場で俺と学院長と6人の教師たちが集まっている。
「トーマくん、始めよう」
通常のゴーレムを15体作り、向かわせる。次々魔法で破壊されていくが俺の方は作る速度を上げていく、次に動物型ゴーレムと対魔法特化ゴーレム、ゴーレム改を作りだし、攻めさせる。
「動物型ゴーレム、素晴らしい、素晴らしいですぞ、トーマくん」
魔道具科の教師が狂気じみている。
最後に最高傑作のドラゴンゴーレムを作りだし、全員全滅した。
「なるほど、動物型ゴーレムで対魔物戦の訓練になっているのだな」
「今回は属性ゴーレムを出してませんが、どの魔法が有効的なのか臨機応変に対処する訓練もあります。」
「武器を持たしているのは魔法が効かない相手の対処ですか、私もまだまだですね」
確かこの人、魔法史の教師だったな
「ドラゴンゴーレムは素晴らしい、トーマくん、あれに勝った生徒は」
「いませんよ」
「素晴らしい」
魔道具科の教師は狂気じみている所が平常運転なんだな
「長期休暇の時に訓練をサボっていた生徒にはフェンリルと戦ってもらいましたよ もちろん手加減して」
学院長と教師たちへのゴーレム訓練は終わり、就寝 明日から2年生の旗取りが始まる




