決別1
翌朝、国王陛下からの呼び出しだ 追放かな?辺境かな?
謁見の間に行く、今回は姉さんたちも着いてきた
「陛下、お呼びでしょうか」
この愚王には頭を下げる必要はない、処刑なら逆に殺して逃げよう
「元王子派の貴族を止められない、トーマに任せる」
何言ってんのこいつ、言いたいことを言ってさっさと出ていくか
「それなら、俺を追放して呼び戻せばいい、この国に未来はないけどな」
「・・・・・」
黙りか、追撃しよう
「母上が御存命ならこんな結果にならなかったでしょう、全ては愚王である お前が悪い すぐにでも出ていってやるが姉上たちも連れて行きますので」
チッ、なんか言えよ
「王とは何か、国とは何か、それが分からない時点でお前は王の器ではない さっさと滅びろ」
俺は姉さんたちを連れて謁見の間を出た
「姉さんたち、ごめんなさい」
「いいのよ、前から私も思っていたことよ」
「母上が女王なら、早く準備しましょう」
姉さんたちは前向きだから助かる
「姉さんたちの荷物をこの鞄に入れてください」
「トーマ、これは」
「マジックバッグです、宝物庫から盗ってきました 俺の荷物はすでに入れてありますので」
「トーマも来なさい」
アンジェ姉さんの部屋へ
「トーマ、この下着どっちがいいかしら」
「アンジェ姉さん、急いで下さい どっちも可愛いですよ」
「トーマの好みが知りたいのに」
ドレスは2着、持っていくんだ 女性は服が多いから、アンジェ姉さんの荷物の収納は終わり、次はアルティ姉さんの部屋へ
「トーマ、そこに集めてあるから」
アルティ姉さんは持っていく荷物を集めてあるから、収納が短時間で済む
「姉さんたち、いつまでドレスを着ているのですか、動きやすい格好になってください」
「そうね」
「トーマ、着替えるから出ていかなくて良いよ」
姉さんたちは服を脱ぎ始めた、両手で目を隠す、服を脱いだ音はしたが、着るときに擦れる音がしない
「トーマ良いわよ」
待て待て、今、下着でしょ、目を開けた、動きやすい服装になっている
「ドレスの下に着ていたのよ」
「トーマも男の子だもんね、興奮した?」
「姉さんたち、怒りますよ」
「「 ごめんね 」」
「トーマが可愛いからつい」
「これからはトーマと一緒だからね」
「姉さんたちはちゃんと結婚相手を見つけてくださいね 弟と結婚は出来ませんよ」
「トーマ、出来ますよ」
「姉弟婚は認められているので」
俺は初めてこの世界の神を恨んだ
「アンジェ姉さんにはこれを」
鞄から昨日盗んだレイピアを渡す
「剣より、軽いですが突きに特化した剣です、身体強化の術式が刻まれていますよ」
「トーマ、ありがとう」
「アルティ姉さんにはこれ」
鞄からロッドを出す
「風魔法が強化される効果と魔力を回復出来る術式が刻まれています」
「トーマを守るね」
術式が刻まれている武器は人の手により作られた物だ、転生前の世界ではダンジョン産のマジックウェポンには術式は刻まれていないため、鑑定士が鑑定しないとわからない 鑑定程度なら俺でも出来るがな
「それでは行きましょうか」
城の中を探知魔法で確認、人目につかないように城の中を動き外に出た
城の門の外には馬車が止まっている 嫌な予感しかしない




