サバイバル5日目 食糧と風呂事情
サバイバル訓練から5日目、当初の予定通り2日置きに全チームを見に行き新たな訓練や魔法を教えることにしている。それと問題や不都合があれば改善していくことにしているが自分でもそこは甘いと思う。
俺とフクロウ状態のミネルヴァは空を飛びながらAチームの所へ向かった。
「主、私も生徒たちと模擬戦をしていいか」
「それはダメだ、生徒たちはまだ対人戦を出来るほど心が鍛えられていない」
生意気な生徒は叩きのめしているけど、対人戦もそろそろ考えないとな、冒険者志望の3年生のみに限定するか 相手は盗賊だけどね
Aチームがいる場所に降り立つ、生徒たちは空から飛んできた俺を見て驚いている。
「トーマ様、お待ちしておりました。」
「おはよう、メアリーさん 何か問題はありませんか?」
「まずは食糧の問題ですね、魚や肉、野菜だけなので腹持ちが良くないですね」
食べ盛の年齢だもんね、小麦か芋くらい持ってこればよかったな
「次に水浴びの問題です。季節的に夜は肌寒いので水を浴びるのが辛くて」
「なるほど、訓練前に問題の解決をしてからがいいね」
生徒を集めて、まず食糧の問題から
「採れた野菜に芋かもろこしはなかった?」
「先生、芋に似たものならありました。」
芋に似たものを見せてもらった、芋は芋でもさつまいもだった。
「これは食べた?」
「まだ食べていませんが沢山あります」
「これはさつまいもと言って食べれるけど、甘いんだ よ、お菓子にも使用出来るけどお通じが良くなる点とおならが出やすくなる点があるかな 魔法を使った料理をするからよく見ておくように、質問があれば答えるよ」
土魔法で土鍋を作り、水魔法でさつまいもを洗って鍋の中に入れ、水も魔法で注ぐ 土魔法で釜を作り、枯木を入れてから火魔法で火を点ける。後は柔らかくなるまで放置で終わり
「先生、さつまいもを洗った時に何かしてましたよね」
「よく気づいたね 水魔法でコーティングしたんだ、熱だけでさつまいもを温めるようにしているんだ」
さつまいもが完成するまで時間があるから、風呂作りにしようかな
「お風呂を作るからよく見ていて欲しい」
土魔法で穴を掘り周りを固める、水魔法で水を入れ 火魔法を水の中に突っ込み一気に温める。お風呂が完成した。メアリーさんなんで泣いているの?女子生徒たち泣いていた、泣くほど嬉しいのかな?
「男子たち、集まってくれ」
「どうした、先生」
「お風呂は女子たちと離れた所で作るように、くれぐれも覗かないように」
「俺たちはそんなことはしないぞ」
「夜も一応監視はしておくからな」
女子生徒の方へ戻ると全員泣き止んでいた。
「トーマ様、情けない所を見せましたわ」
「理由は聞かないことにしておくけど、お風呂の周りに土魔法で壁を作ると覗かれないようにできるから」
女子生徒たちからは尊敬の眼差しで見られている。旅行の時にエバさんの豊満で美しい裸体を見ているから女子生徒たちには悪いけど頑張って成長してくれ
お風呂作りのレクチャーが終わり、さつまいもの方も完成したようだ、完成したさつまいもを生徒たちに渡していく、合計22本使ったから1本は俺の分だ
「熱いから気をつけて食べるように」
俺は半分に割り、フクロウ状態のミネルヴァに食べさせる 羽で器用に持って食べている。元に戻って食べた方が楽だろ
「甘い」
「美味しい」
「トーマ先生の味がする。」
一部変な声がしたが無視する方向で
「先生、肩のフクロウはなんですか」
「それ、俺も気になった」
「白くて可愛いよね」
どう答えようかな、女神と言ってしまうと大変なことになりそうだし
「可愛いよね、助けたら懐いてくれたんだ。」
これで誤魔化せたよね、肩に乗っていたミネルヴァは肩から離れ、元の姿に戻る。
「我が名は女神の一柱、ミネルヴァ 召喚に応じ、主トーマ様と契約いたしました。」
生徒たちは驚いているが・・・・・
「先生、凄い」
「女神様、綺麗」
生徒たちの反応は俺の予想とはまったく違っていた、食事後、訓練を行うことに
「今日の訓練内容は『重ね』だ、3年生は使えると思うけど この技術は色々な魔法に応用が出来る。それと魔吸鉄や障壁を破壊するのにも使うことが出来るし障壁を強化するのにも使うことが出来る。とりあえず見ていてくれ」
右手に『重ね』を使ったファイアーボール、左手に普通のウォーターボールを作り、頭上でぶつけ合う ファイアーボールが属性相性を無視し残り、ウォーターボールは蒸発した。
「簡単に説明すると魔法の二重掛けだ、魔法で確認するなら今のようにぶつけ合うのが早いが危ないから身体強化に『重ね』を使うように1.5倍から2倍くらいに能力が強化されているはずだから、3年生には下級生の訓練指導と『重ね』の限界に挑戦して欲しい ちなみに俺が簡単にやると」
8重ねしたファイアーボールを少し遠めの山に向けて放った。ファイアーボールは山の天辺に着弾し、頭の部分を吹き飛ばした。大丈夫だろ、人の反応なかったし
「軽くこれくらいは出来るようになるから、2日後、いもと小麦を持ってくるからね」
逃げるようにBチームに向かった。ミネルヴァは元の姿で俺の隣で飛んでいる
B、C、EチームはAチームと同様にお風呂事情と食糧事情で悩んでおり、解決した。
Dチームはレイナがいるため問題は起きていなかったがミネルヴァを召喚した事で怒られた、Dチームの生徒たちからは婚約者に頭が上がらない先生もまた見ていて面白いという評価で レイナ、パト、ミネルヴァは仲良く談笑していた。
明日はエバさんの店に商品を卸しに行くのとついでにいもと小麦の買い出しだな




