母
「2日前くらいに魔法が使えるようになったんだ、それで目の呪いも解呪したんだけど」
これで誤魔化せれたらいい
「まぁ、私たちはいつもあなたの心配をしていました」
「私たちがトーマを助けると私たちにも被害があるから」
「「 ごめんなさい 」」
今まで助けたくても助けれなかった謝罪のつもりだろう、彼女たちなら良い女王になるだろう
「姉上たちに言っておかなければならないことがあります。 近いうち俺は辺境に行くか国外追放辺りになるでしょう」
「どうして?」
「元王子たちの派閥の貴族たちが今回の件を黙っていないでしょう。それに国王の力は無いに等しい、だから姉上たちにはこの国を良くするために女王になって欲しい」
「やっとトーマと話すことが出来たのに」
「女王になるくらいならトーマと一緒に国を出るわ」
13歳のアンジェリカと12歳のアルティナを庇いながら旅は流石に厳しい、せめて6歳の身体じゃなかったらいいのだが
「姉上たちには婚約者とかいるのでわ?」
「いるけど、最低な人よ 人を見下す人に嫁ぎたくないわ」
「私の婚約者もよ、それに目の見えないトーマをペットにして飼うとか言う人よ」
この国の貴族も王族もまともなやつはいないのか
「姉上、母上にまともな貴族を教えてもらいましょうか」
「お母様はすでに亡くなっていますよ」
「母上の魂を呼ぶのですよ、この魔法は条件が揃っていないと使うことが出来ないので」
彼女の魂を呼ぶために考えた魔法だ、彼女は孤児で血縁者いなかったため、彼女に使うことは出来なかった
「呼び出す相手の血縁者を最低3人必要になります。」
「3人、揃っているわ」
「次にこの瓶に血を注ぎます 数滴でいいので」
ナイフで指を切り、瓶に血を垂らす
「お母様に会いたいもの」
アンジェリカも俺からナイフを受け取り、指を切り、血を垂らしていく
「私も」
アルティナもアンジェリカからナイフを受け取り、指を切り、血を垂らす
チョークで部屋の床に魔法陣を描いていく
「トーマは何を描いているの?」
「魔法陣だよ、これがないといけないんだ」
「トーマはどうしてそんなことを知っているの?」
「それはいつか話すよ」
魔法陣が完成し、中央に血の入った瓶を置く
「姉上たちは魔法陣の中に入ってください」
俺も魔法陣の中に入り、詠唱をする
『スピリットコール』
魔法陣が光、瓶の中の血がなくなる、魔法陣の中央にはとても優しそうな笑顔の女性がいる
「お母様」
「アンジェ、アルティ 大きくなったわね」
「トーマと言った方が良いかしら」
「はい、トーマです」
彼女には俺がゼルディスだとバレているのか
「あなたたちの話は聞いていたわ、この国から出た方が良いわね それにあの人、国王の器ではないもの」
やっぱり
「アンジェ、アルティ 旅立つ前に知識を身に付けなさい、アンジェは剣を使えるわね、アルティはトーマに魔法を教えてもらいなさい」
「はい、今、剣はありませんが剣に誓って家族を守ります」
「トーマの魔法は凄く勉強になります」
「トーマ、こちらへ」
母上の近くへ行く、耳元で
「ゼルディスさん、息子をありがとうございます あなたの想い人もこちらの世界で転生しておりますよ」
「え」
「ふふっ、居場所までは教えれないので」
「実験が成功していたのか」
「そうみたいですね、あの子も感謝していましたよ」
「姉上たち、そろそろ時間です」
「お母様、私たちは元気で頑張ります」
「天から見届けてください」
「愛しているわ、3人共」
母上は光の粒子になって消えた
「姉上たちは明日から頑張りましょう」
「そうね、3人で寝ましょう」
「アルティ、いい提案ね」
姉2人に挟まれて眠った、成長期の女の子だが良いのか? 俺は6歳だからいいのか
彼女との初夜はキスをしてから何もしていない、出来なかった 彼女はすでに病に犯されており、いつ死んでもおかしくなかったからだ
朝、冷たくなった彼女がベッドに寝ていた 死んでやろうと思ったし、自分を呪いたくなった あの時みたいに絶望したくない
姉上たちは必ず守り抜く