転生
俺、ゼルディスは転生した 6歳の少年になっている 彼の記憶だとここはカドラス王国で俺は第4王子トーマ・カドラスだ ここはボロボロの小屋の中だ
トーマは産まれつき盲目であり、母はすでに亡くなっている トーマには実の姉が2人いるが、トーマを助けることはなく、食事もまともに食べれない 奴隷以下の王子だ
「記憶の混濁で頭が痛い」
頭の中を整理するために瞑想をする、昔から考える時は瞑想をして心を落ち着かせていた、デート前にも彼女と初めての初夜も
「はぁ~」
実験は成功していたのか、それにしてもこの世界には空気中の自然魔力がとても豊富だ、転生前の世界は滅ぶ寸前の世界で、病気の蔓延、世界各地でのスタンピード、食料不足 彼女はいつも嘆いていたな
精神世界でトーマと語り合うことに
「トーマよ、お前はどうしたい」
「僕は死にたい、この国は弱肉強食なんだ 弱い僕を誰も見てくれない、助けてもくれない」
「俺が、お前の身体を使っても良いか」
「いいよ、生きているのが疲れた」
「そうか」
トーマの精神は完全に俺の精神と同調した
瞑想を止めた俺は小屋から出た
「泣き虫、トーマ 早く国から出ていけ」
確かこいつは第3王子ヌケだ、年は1つ上で腹違いの兄だ トーマの母はトーマを産んですぐに亡くなった、第1王女と第2王女は実の姉で、母親を奪った俺を敵視しており、残りの第1から第3王子、第3から第5王女は腹違いの兄弟になるらしい
「・・・・」
無視をした、相手をするのが面倒だ
「生意気なんだよ」
ヌケは石を投げて来たが魔力で障壁を張り防いだ
次に殴りかかろうと走って来たが、顔から障壁に当たり気絶した 7歳だから仕方ないのか馬鹿なのか
城の自室へ帰った、案の定部屋はめちゃくちゃ 服は破られ、ベッドも壊されている
ため息を吐きつつ、修復魔法で直していく 完全に元に戻し、今度は破壊不能のエンチャントをかける 嫌がらせの犯人は兄と姉たちだ
夕食もまともに食べれないことが多いみたいだ、誰も呼びに来ないため、夜中に厨房から盗み食いをすることが多いようだ トーマよ、良く耐えたな
城を破壊して国を出るか、捕まって処刑か 追放された方がいいな
せめて後、6年後かな まずはこの体に慣れること、鍛えることが必要だ