2 拠点の確認
「司令、まずは拠点設備の確認から行いましょう」
「ひゃいっ……」
キアラさんに頬をつねられ、ダメ司令が涙目になっている。
「……」
その光景を見ている俺は、無言でいた。
司令がダメ人間なことに突っ込みを入れないし、それをコントロールするキアラさんにも、何も言うまい。
俺はただの一兵士として、無言を貫かせてもらう。
「なお今の拠点には、私たち三人しかいないので、レイン君も強制参加になります」
「分かりました」
この拠点のトップは司令だけど、キアラさんに逆らってはいけないと本能的に感じ、すぐに了承した。
「結構。では拠点の確認をします。二人ともついてきてくださいね」
そう言って、キアラさんが俺と司令の二人を従え、拠点にある設備の確認をすることになった。
と言っても、この拠点にある設備はかなり心もとない。
「こんなのただの難民キャンプだ。オンボロテントが立ち並んでいるだけの、難民キャンプじゃないかー!」
司令が絶叫するように、現在の拠点はそんな感じだ。
台風でも来れば、たちまち吹き飛んでしまいそうなキャンプの数々。それが無数に建てられていて、拠点と呼ぶにはあまりにもお粗末だった。
「そういやゲームの時も、最初期の拠点はオンボロだったな。さっさとエネルギー集めて、拠点をアップグレードしないと」
相変わらず司令は、ゲームだった時と比較して考えている。
「それがよろしいですね。現在の拠点は急造された代物です。掘っ立て小屋ですらない、野戦キャンプなので、早めに拠点改造に乗り出したいですね」
「これだと、夜露を凌ぐくらいしかできないな」
拠点の改造に関しては、俺も反対はない。
「ところでゲームだった時は、拠点のアップグレードには”エネルギー通貨”が必要だったけど、ゲームが現実になっても、その仕様って変わってないのか?」
「はい、司令がおっしゃるように拠点のアップグレードには、”エネルギー通貨”が必要です。エネルギー通貨の獲得方法も覚えていますか?」
「キアラちゃん、それチュートリアルの時のセリフとほぼ同じ~」
そこで、ニヘリと笑う司令。
中年のおっさんが、浮かべていい表情ではない。
「司令、覚えていますか?」
だけどキアラさんが有無を言わせない様子で、司令にもう一度問いかけた。
その様子に、司令も浮かべていた笑みを、慌てて引っ込める。
さっき頬をつねられたのが、物凄く痛かったようだ。
「ゲームの時と同じなら、アイテムを溶かしてエネルギーにすればよかったな。
アイテムに関しては、兵士を”探索”にだせば、勝手に採集してくれたぞ。
溶かしたアイテムのランクに応じて、エネルギーの獲得量も変わったな」
「その通りです。現在の状況では、探索に出ることができるのはレイン君だけなので、探索は任せますね」
「分かりました」
キアラさんに言われて、俺は了承する。
「この辺はゲームの仕様のままか。ちょっと感動するな」
「感動ですか?」
「ああ、俺のプレーしていたゲームが現実になったと思うと嬉しい」
「そうですか」
司令は一人で嬉しそうにしているものの、キアラさんは冷静。
俺は二人の後ろに立っているだけで、話しかけられなければ基本空気に徹している。
二人の会話に、割り込む必要がないと思うからだ。
「そういえば、アイテム溶かすのって、”転換炉”を使うんだよな。せっかく現実になったんだから、一度見てみたいなー」
「量子転換炉ですか?見ても面白いものではありませんが……ここは設備の確認を兼ねて、視察しておきますか」
司令とキアラさんが、拠点内にある量子転換炉の設備へ向かう。俺も二人のあとをついていった。
俺たちは移動して、量子転換炉が設置されている大型のテントの中に入る。
「ふおおおーっ、でけぇー!」
量子転換炉は縦横3メートルの大きさで、球形をしている。
無骨な金属でできた設備で、そこに向かって司令が足早に近づいていこうとする。
「司令、近づきすぎると危険なので止まってください」
「えっ、これって危ないの?」
「量子転換炉はあらゆる物質を分解して、エネルギーに変換する装置です。当然生身の人間も分解されてしまうので、死にたくなければ近づきすぎないでください」
「うおっ、マジかよ!」
それまでの喜々とした態度が一転。
司令はおっかなびっくり、後退る。
「と言っても、今は変換炉の開口部を閉じているので、近づいても大丈夫ですけどね」
「……キアラちゃん、もしかして分かっていて俺をからかった?」
「フフフッ」
転換炉はあらゆる物質を分解してしまうが、現在は炉の開口部を封鎖しているので、安全だ。
ただし開口部を開ければ、内部にある炉の本体が現れる。
放り込まれた物質を何でも分解するため、冗談抜きで危険な代物だ。
「キアラちゃんのお茶目さん」
「まあ、司令ってばイタズラしないでください」
その後、司令がキアラさんの頭を軽く突くと、二人がまたしてもラブラブオーラを放ちだした。
「そういうのは、俺がいない所でしてくれませんか」
見ていて恥ずかしい。
「まあ、私としたことが恥ずかしい」
「チッ、そういやこいつがいたんだったな」
キアラさんは口に手を当てて恥ずかしそうにするが、司令は態度が物凄く悪かった。
こいつ呼ばわりはやめてもらいたい。
「ま、いいや。それより転換炉の本物が見れたし、ここに何か突っ込んでみたいな。なんでも溶かせるんだから、石か土でも放り込んでみるか」
「レイン君、その辺の石でも集めてください」
「分かりました」
司令が好奇心旺盛にしているので、それに応えるキアラさん。
俺は指示に従って、その辺に落ちている石をいくつか集めた。
俺が石を集めている間に、キアラさんが転換炉の操作パネルを操って、炉の開口部を開ける。
ギギギッと重たい音を立てながら開口部が開くと、炉の本体が露出した。
本体は、小型の太陽を思わせる輝きを放っている。
「あれが転換炉か」
「司令、今度は冗談抜きで危ないで近づかないでください」
「はーい」
キアラさんに真顔で注意され、大人しくする司令。
「レイン君、石を入れて」
「分かりました」
司令にもしもがあると危ないので、代わりに俺が集めてきた石を転換炉の中に放り投げていった。
石は瞬く間に消え去り、エネルギーへ変換される。
「音もなしで消えていくか。現実感がないな」
「ですが、人間でも跡かたなく消えてしまうので、絶対に近づかないでください」
キアラさんは改めて注意し、操作パネルを操って開口部を閉じた。
△ ◇ △ ◇ △ ◇ △ ◇
量子転換炉を見学した後、次の施設の確認にいく。
向かったのは拠点の中心にある司令室で、大型テントの中に、ポツンと司令官用のデスク端末が設置されている。
「司令官用デスク?ただの小学校の机だろう……」
司令官用デスクには、司令しか操作することができない端末があり、そこにはウインドウが表示されている。
しかし、司令の表情は冴えない。
「広いテントの中に机が一つとか、ただのボッチ空間だろう。いじめレベルの寂しさだぞ」
さて、他に見るものもないので、次へ行くことにした。
別のテントの中にあるのは、作業所。
「ここでは拠点に蓄積されたエネルギーを用いることで、アイテムを生産することができます」
「俺、缶ジュースが欲しいな。喉が渇いてきたんだ」
「残念ですが、現在の拠点のエネルギー残量では、缶ジュースすら作れません」
司令の要求を、あっさり却下するキアラさん。
必要なエネルギーと時間があれば、アイテムを生産できると言っても、肝心のエネルギーが現在の拠点にはない。
アイテムを作れる便利な施設だが、現在はただの置物でしかなかった。
「……さっき転換炉に石を突っ込んだから、缶ジュースくらい作れるんじゃない?」
「残念ですが、小石をいくら放り込んでも、拠点のエネルギーが加算されることはありません。ただの石ですからね」
「チェッ」
石を放り込んだだけで、拠点のエネルギーを増やすなんて現実的じゃない。
何十トン何百トンと放り込めば話は別だが、そんなことをしても、缶ジュース1本作るくらいのエネルギーにしかないないので、労力と結果が全く見合ったものにならない。
次に向かったのは、研究所。
名前は研究所だが、御多分に漏れずここの設備も大型テントの中に、無理やり突っ込まれている。
外から見たら、ただの大きなテントなので、内部にハイテク機器が収められている施設に見えない。
「この研究所では、エネルギーを消費することで拠点の拡張に必要な研究や、作業所で作るアイテムの種類を増やす研究などを行う事ができます」
「キアラちゃん、どうせオチは分かってるよ。”今はエネルギーがないから、何もできません”だろう」
「はい、その通りです」
キアラさんは真顔で答えたけど、ボケツッコミのように二人の息はピッタリ合っていた。
研究所でできることがないので、俺たちは次の設備の見学に向かう。
そこには、ひたすらテントが並んだ場所。
今までに見た設備は、どれも大型のテントに覆われていたが、ここは小さなテントが無数に設置されている。
「兵舎となります。レイン君たち兵士はもとより、私と司令も、ここで寝泊まりすることになります」
「兵舎?いや、これはどう見ても難民キャンプ。掘っ立て小屋の方がまだ……」
「兵舎となります!」
「あ、はい、分かりました」
司令が物凄く不満そうにするけど、キアラさんが有無を言わせない。
でも、背後で二人のやり取りを聞いてる俺も、これはないだろうと思う。
掘っ立て小屋の方がまだましだ。
けど、現在の拠点の兵舎は、これしかないから仕方ない。
「はうっ、中は寝袋1枚とか、ただのキャンプ場じゃねえか!」
「兵舎です!」
兵舎と言う名のキャンプの中をのぞいた司令が幻滅したけど、それでもキアラさんは”兵舎”と強調する。
「キアラさん、流石にここを兵舎って、呼び続けるのは無理ですよ」
かなりアレな司令だが、今回ばかりは俺も司令の意見に同意だ。
「……余裕ができれば、兵舎と呼んで恥ずかしくないものに建て替えてください、司令」
「へ、へーい」
やたら兵舎と強調していたが、内心ではキアラさんも不満のようだ。
さっきより、さらに強い口調になっていた。
そんなキアラさんに圧倒されて、司令は小さく返事をした。
名ばかり兵舎に、俺たち三人は納得できない思いを抱えるが、拠点の見学はさらに続く。
続いて向かったのは、格納庫。
もちろん、ここも大型テントの内部に設備があるが、もはやそのことに誰もツッコミを入れない。
この拠点にある設備は、全てテントで覆われているのだ。
格納庫って言うくらいだから、もっと近代的な外見をしていてほしいと思うのは、俺の我儘だろうか?
「ここは大型兵器を格納しておくための場所であり、自動化されたメンテナンスロボットによって、兵器のメンテナンスが行われます」
「メンテナンスロボ……ゲームをしていた頃から思っていたが、貴様やはりル○バの親戚だろう。この自動掃除ロボットの進化系め!」
司令がメンテナンスロボを見つけると、訳の分からないことを叫びだした。
キアラさんは、そんな司令を生暖かい目で見つめ、俺はスルーしておく。
藪を突いて蛇が出てきたら嫌なので、こういう時はスルーするに限る。
「○ンバめ!ルン○め!」
何が面白いのか分からないが、司令はひとしきりメンテナンスロボに向かって叫んだ。
メンテナンスロボは、丸い本体から六本のアームが伸びていて、それが格納庫の中で待機している。
「アイデデデ、指を挟まれた!」
メンテナンスロボのAIが高度なのか、ロボの機嫌を損ねてしまった司令は、アームに攻撃されていた。
「ウフフッ、ダメな人って可愛いわ。身も心も私がいなきゃダメなようにしてあげる」
「……」
オレ、ナイモキイテナイ。
司令の無様な姿に、キアラさんがなぜか両頬に手を添えて、嬉しそうにしている。
俺は「藪蛇藪蛇」と唱えて、突っ込まないでおいた。
ただ、腐っても司令は司令。
メンテナンスロボへの興味がなくなると、次は大型兵器へ移る。
現在、格納庫には大型兵器は一台も設置されていない。
「俺がしていたゲーム知識だから、違いがあるかもしれないけど、あのゲームって歩兵戦闘と大型兵器戦闘の二種類の戦闘があったんだよな。
なあ、レインも大型戦闘機を持ってるだろ。なんでここにないんだ?」
司令は再びゲーム知識を持ち出してくる。
「俺の機体はメンテナンスが完了しているので、量子データ化してここに保存しています」
俺は腕に装備している携帯端末を、司令に見せる。
「量子データ化……ああ、転生物でお約束の”無限ストレージ”の科学版が、ゲーム設定であったな。ここにお前の機体が入ってるのか」
「司令がお望みなら、機体を出しますよ」
「ぜひ見たい。やっぱり巨大決戦兵器は、男のロマンだよなー」
髭面で中年おじさんの司令。
そんな司令が、まるで少年のようにワクワクする。
見ていて、キモイ!
だけど俺はそんなことは口に出さず、司令の命令に従って、量子データ化した自分の機体を格納庫に展開させる。
「機動騎士、リリース」
携帯端末に指示を出すと、量子データ化されていた機体が現実世界に展開されていく。
光の粒子が辺りを舞い、それが一つに集まっていくことで、格納庫の中に俺の搭乗する機体が現れる。
人型戦闘機、通称”機動騎士”と呼ばれる大型兵器だ。
「おお、巨大人型兵器!白を基調に青のラインで装飾された機体。顔には輝くツインアイ……クッ、野郎の機体だというのに、不覚にも羨ましいと思ってしまった自分が悔しい」
俺の機体を見て、興奮する司令。
そのまま近づいて、機体の足元で頬ずりしだした。
「クウッ、羨ましい。乗りたい。殺してでも奪い取るべし……」
ヤバい目で、司令が俺の方を睨んできた。
「司令、冗談ですよね?」
「……半分だけな」
もう半分は本気かよ!
司令の態度に、俺は内心ドン引きだ。
ただ、ここで助け舟を出してくれるのがキアラさん。
「残念ですが、機動騎士はパイロットの生体情報が登録されているため、専属パイロット以外は乗ることができませんよ」
「……その生体登録って、俺に書き換えられないの?」
機動騎士に乗りたい欲求は本物のようで、司令が簡単に諦めない。
「不可能ではありませんが、登録変更の手続きは時間がかかります。ですが、司令が乗り込むのは、そもそも無理です」
「どうして?」
司令が機動騎士に乗るためには、重大な問題があった。
「機動騎士を操縦する際、物理的な衝撃が大きいため、私や司令みたいな普通の人間が乗り込むと、体が耐えられないからです。
地面の上を数歩歩かせただけで、胃の中身が出るほどの振動があります」
「……」
「さらにジャンプでもすれば、着地時の衝撃で脳や内臓がグチャグチャに……」
「ヒエエーッ!」
自分が機動騎士に乗り込むとどうなるか想像したらしく、司令の顔が真っ青になっていく。
「元々機動騎士は、クローン兵専用に作られた機体です。
私や司令はただの人間ですが、レイン君は生まれながらに強化されたクローン兵です。見た目は私たちと違いませんが、身体強度だけでも、トン単位の衝撃に耐えられるようになっています。
間違っても、レイン君と同じような事をしようとしないでくださいね」
「は、はいっ……」
キアラさんに諭され、司令は大人しくなった。
と思ったけど、まだ諦めない司令。
「だったら、せめて動いてるところが見たいなー。チラッチラッ」
露骨な態度で、俺の方を見てきた。
「ダメです!」
でも、速攻でキアラさんが止めに入る。
「どうして?」
「機動騎士は強力な兵器ですが、その分消費エネルギーが膨大です。
レイン君の機動騎士には内蔵されているエネルギーがあるので、動かすことはできますが、そのあと再充電するためのエネルギーがありません」
悲しいのはエネルギーの不足。
現在の拠点は、エネルギーがカツカツなため、俺の機動騎士を再充電できる余力がない。
一度動かせばそれまで、いくら強力な兵器でも、エネルギーの補給ができないとどうしようもない。
「……異世界転移したら、物凄く貧乏になった気がする。俺の気のせいか?」
「エネルギーがほぼゼロの拠点なので、実際貧乏です」
「グハッー!」
キアラさんにとどめを刺され、司令が地面の上にぶっ倒れた。
「貧乏なんて嫌いだー」
と、言いながら。
△ ◇ △ ◇ △ ◇ △ ◇
この後、司令が地面の上でバタバタと転がって駄々をこねたが、それが収まると拠点の見学を再開した。
と言っても、もはや見るところは数えるほど。
最後に立ち寄ったのは、貯蔵庫。
「ここでは各種アイテムを量子データ化して、収納しておくことができます。
収納できる上限は、貯蔵しているアイテムの種類と質量によって決定されるので、闇雲に重たいものばかり収納しないようにしてください。すぐに貯蔵庫に入らなくなってしまいます」
ここでも、キアラさんが貯蔵庫の説明をする。
「量子データ化ねえ。要するに、ファンタジー異世界物でお約束の”無限ストレージ”……いや、この場合は”有限ストレージ”だな」
一人で納得する司令。
「そういえば、お前も量子ストレージを持ってるんだよな」
「はい。ただ携帯式なので、ここにある大型貯蔵庫ほどの容量はありません」
司令の問いかけに、俺は答える。
「そうか、入る量に違いがあるのか。……ムフフッ、勝ったな」
なぜか司令が俺を見下して、自慢気になった。
司令が何に勝ったのか、分からない。
「この拠点は俺の物。つまり、俺の貯蔵庫こそが世界一!」
そんなことを言って、司令は一人で嬉しそうに叫び始めた。
ああ、やっぱりこの司令は色々とダメだ。
俺は今日何度も思った事を、またしても思わされた。
「はいはい、司令。喜ぶのはいいですが、ちゃんと現実に帰ってきてくださいね」
「はーい」
そんな司令を、キアラさんがうまい具合に宥めた。
この人、司令の扱いに慣れるの早すぎだろ。
なお、この拠点だが、
「防衛設備は何もありません」
と、キアラさんが言う。
マジで、何の防衛設備もない。
一応軍事拠点としての扱いになるのだが、これが現実だ。
外敵に襲われれば、反撃することができない。
拠点内で戦えるのは、クローン兵である俺だけで、司令とキアラさんは戦力にならない。
「だよねー。初期拠点だから仕方ないよなー。ゲームでも初期拠点はただの難民キャンプって、ネタにされてたから仕方ないよなー」
そんな現実に、司令は遠い目をして黄昏れた。
この人がこの拠点のトップとか、これから先に不安しか持てない。
・量子デバイス
ノヴィスノヴァの世界において使用されている機械は、電子でなく量子を用いて演算が行われている。
電子よりさらに小さな世界である量子を用いた機器は、電子機器以上の演算能力を持ち、現代地球文明を上回っている。
この高度な演算の能力によって、各種のAIの性能が格段に向上し、全自動化されたロボットなどを動かしている。
また量子テクノロジーは、物質の非物質化、再物質化を可能としている。
量子データ化することによって、量子端末の記憶領域に物質の情報を保存し、展開することによって、再度現実世界に物質を取り出すことができる。
また、専用の能力を備えた量子デバイスにおいては、デバイス内でデータ化された物質を新たに構築することができ、構築した物質を現実世界に展開させることで、任意の物質を作り出すことができる。ノヴァアークの拠点においては、作業所がこの役割を担っている。