漫才『悪役令嬢と付き合いたい』
※【ゲラゲラコンテスト2】参加作品
二人「はいどーも」
ツッコミ「突然なんだけど、悪役令嬢っていいよね」
ボケ「あー分かる分かる。マヨネーズにつけて食べると美味しいよねー」
ツッコミ「ん?」
ボケ「ちょっと茹でると鮮やかな緑になって、夏にピッタリな食材だよね」
ツッコミ「……それは悪役令嬢じゃなくて、スナップエンドウだね。わざわざ舞台に出てきてマイナー野菜の話するわけなくない?」
ボケ「あれー? ごめんごめん。キリスト教の本のことだっけ?」
ツッコミ「それは悪役令嬢じゃくて、旧約聖書だね。いや絶対わざと聞き間違えてるよね? 僕が言ってるのは悪役令嬢」
ボケ「ナチュラルエイト?」
ツッコミ「いや、それはくりぃむしちゅーとマツコ・デラックスが所属している事務所の名前!」
ボケ「あと浜ロンもね」
ツッコミ「いや、上田晋也の付き人のピン芸人の話はいいよ。あの人20年以上売れてないんだから」
ボケ「えー。そうかなぁ。テレビで見ない日はないけどなぁ」
ツッコミ「テレビで見ない日しかないよ」
ボケ「いやそれは言い過ぎでしょ!」
ツッコミ「別に言い過ぎじゃないよ。出てたとしても上田晋也のバーターでだからそれ。アイツの力じゃないから。何にもねえんだよ、浜ロンには」
ボケ「え、浜ロンに親殺されたの? そうじゃなかったらつじつま合わないぐらいのテンションなんだけど」
ツッコミ「浜ロンに俺の親が殺されるわけねぇだろ! アイツはサードメン時代に出た爆笑オンエアバトルで261KBというめちゃくちゃ低い数字出したんだから」
ボケ「やめてさしあげろ! コンビ時代の話まで戻らなくていいから! もう浜ロンでボケた僕が悪かったよ!」
ツッコミ「うるせえ!」
ボケ「うるせえ!?」
ツッコミ「それで浜ロンはな、怖気付いたのか、その後1回もオンバトに出ることなく解散しやがったんだよ! そんな奴にな、人を殺す度胸なんてねえんだよ!」
ボケ「ちょっとぉ! いい加減にしろよお前!! あと浜ロンに詳しすぎるだろ!!(相方の肩をゆさぶる)」
ツッコミ「ハッ! …ごめん、正気を失ってた。数秒前までの記憶がない」
ボケ「あのさ、僕がこんなこと言うの絶対違うと思うけど、ツッコミの役割忘れないでね」
ツッコミ「それに関してはマジで申し訳ない」
ボケ「この後どんな顔でボケればいいんだよ。ボケの気持ちを少しは考えてくれよ!」
ツッコミ「確かに。それに関しては確かにとしか言いようがない」
ボケ「まあボケるけどさ」
ツッコミ「すごい! ボケの鏡だ!」
ボケ「で、本題なんだっけ? もう覚えてないんだけど…」
ツッコミ「あ、僕が悪役令嬢と付き合いたいって話ね。悪役令嬢と言うのは、乙女ゲームとかに出てくる主人公の敵役のことなんだけど」
ボケ「あー、そうだったね。で、君はその悪役令嬢のどこが好きなの?」
ツッコミ「いやね、悪役令嬢っていうのは、高飛車な言動をしたりするけど、実はそれは弱い自分を隠すための反動だったりして、こと恋愛に関しては結構一途だったりするのよ」
ボケ「ほうほう」
ツッコミ「だけど悪役令嬢はその名前の通り主人公の恋敵のような存在だから、結局は意中の人と結ばれることはない悲しき運命を背負っているの」
ボケ「うーん、それは切ないね。好きな漫画の新刊出てると思って買ったら、すでに持ってる刊だった時ぐらい切ないね」
ツッコミ「いやあるけど。それと比べないでくれる? 切ないのベクトルが全く違うからさ」
ボケ「へー、でもそんな悪役令嬢が好きなんだ」
ツッコミ「悲しい運命を背負った少女って感じがして庇護欲が生まれてくるんだよね。ただめちゃくちゃ不器用なだけで基本いい子だったりするし」
ボケ「なるほど。じゃあ今日は君にとって最高の記念日になると思うよ」
ツッコミ「え? どういうこと?」
ボケ「実はね、今日はサプライズゲストに来ていただいております」
ツッコミ「え、嘘でしょ。この流れ、完全に悪役令嬢が来る感じだけど、悪役令嬢は人というより概念だからね。…え、概念来るの?」
ボケ「まあ楽しみにしてて。誰も見たことない奇跡を見せてあげるから」
ツッコミ「キモ」
ボケ「それではどうぞー!」
ツッコミ「いや本当に来るの!?」
ボケ「(おもむろにポケットから緑色の野菜を取り出す)」
ツッコミ「え?」
ボケ「(そっと相方に渡す)」
ツッコミ「……これ、スナップエンドウじゃん!」
ボケ「……(感情を失くした目で立ち尽くす)」
ツッコミ「いやなんで何も喋らなくなったの!?」
ボケ「……100万円」
ツッコミ「え?」
ボケ「そのスナップエンドウは100万円です。受け取ったなら払ってください。返品はできません」
ツッコミ「いや悪役令嬢が来ると思ったら、悪徳商法が来たよ!」
ボケ「100万が無理なら、仕方ありませんね」
ツッコミ「な、何をするつもりだ!?」
ボケ「ここに浜ロンを呼びます」
ツッコミ「それは本当にやめて! もういいよ」
二人「どうもありがとうございましたー」
好きなようにやりすぎた自覚はあります。反省はしません。
あと浜ロンが出した『ダ名言』という本は面白いので、興味ある方は買ってあげてください。