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記憶喪失彼女  作者: 四季 冬潤
第一章 ~記憶喪失彼女の保護~
2/5

第二話 とりあえず家へ

前回までのあらすじ


安田冬馬は美少女を拾って家に保護することにした。

 俺の家はとあるアパートの一室だ。三階建ての築17年のアパート。家賃は6万2500円である。間取りは2LK。

 そんな我が城に、俺は一人の少女を連れて入る。さっき保護(?)した少女だ。

 彼女は俺の腕にピッタリとくっついて離れない。腕に当たるモノの感触は極力無視している。

「ただいま」

 俺以外に誰も住んでいないので、当然声は帰ってこない。これは気分の問題だ。そして少女は声を発しない。俺にくっつきつつも、まだかすかに怯えている。

 この少女はどうしたものだろうか。俺がとりうる行動では警察に連れていくという手も無くはないが、その時の反応が容易に想像でき、かつその内容的に警察という手は使いたくない。彼女の為を思えばこっちの方が良いのだろうが、悲しませてまですべきではないと思う。

 靴を脱いで、リビングへ入る。6畳半のこの部屋はある程度整理されている。散らかしすぎると大変な目に合うと解っているので、3日に一回はきちんと整理するように心がけている。

 今の時間は5時半過ぎ。夕食には少し早い時間だがもう作ることにする。

 普段は自炊しているのだが、少女が腕から離れないのでカップラーメンを二人分作る。

 封を切ってふたを開けて粉末スープを振りかける。電気ケトルがお湯を沸かし終わるのを少し待ち、沸いたのでお湯を準備のできたカップラーメンに注ぐ。少したっていい匂いがしてくると、少女のお腹がグゥーと鳴る。それに彼女は顔を赤らめる。

 ……不覚にも見蕩れてしまったのは内緒だ。

「いただきます」

 3分たって、完成したカップラーメンを頂く。少女はこれが何なのかよく分かっていないため、困惑した顔をしてこちらを見ている。俺が麺をすすって見せると、少女は危なげな手つきでフォークを使って麺をすすった。その味を感じた少女は驚いた顔でこちらを見てくる。俺がもう一度麺をすすって見せると、少女は止まってしまっていた咀嚼をおしとやかに再開する。あらかじめ氷を3個投下して冷ましてあったので、熱さは問題ない。

 少女が言葉を発しないのでこちらから「美味しいか?」などと言葉をかけてみるがやはり日本語は通じていないらしく、おしとやかに首を傾げるだけだ。

 こちらが言葉を発しているのに、向こうは何らかの言葉で返してくる様子はない。ジェスチャーも交えてみたものの、理解できていないようだ。もしかすると、記憶をほとんど失っているのかもしれない。これはかなり問題だ。まず、コミュニケーションをとることができない。そのため、俺は身動きが取れなくなってしまう。何故なら彼女が離れてくれないからだ。現在、俺たちは寄り添ってラーメンを食べている。あまり意識しないようにしているのだが、これは健全な高校生にはかなりまずい。すでに俺の息子は準備万端である。だが理性的にはまだまだ余裕があるのが幸いか。

 次に、コミュニケーションをとれないので離れてもらうことだができない。多分俺から離れようとしたらこの少女は泣いてしまう。それは俺の性格的にしたくないし、男としてやってはならないことだ。幸い、明日は土曜日なのでとりあえずは大丈夫だが、月曜日になってしまうと学校がある。それまでに俺が彼女から離れていても大丈夫なようにしなければならない。これが一番の課題である。1日くらいなら良いかもしれないが、何日も休むことはできない。

 服の問題もあるが、これは後でネット通販にて購入する。うちの親はベンチャー企業の社長をしているのでお金には困らない。毎月50万なんて金額が送られてくるので、毎月30万は貯金に回しているのだが、今初めて50万で良かったと思った。

 とりあえず、食べ終えたら服の購入だな。他は後で考えることにしよう。

どうも、四季冬潤とかいう者です。

かなり重大なことに悩まされている冬馬君ですが、はてさてどうなることやら。


次は7月25日(木)の17時に投稿予定です。

何故投稿予定なのかというと、水曜日からかなり忙しくなるためです。

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