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記憶喪失彼女  作者: 四季 冬潤
第一章 ~記憶喪失彼女の保護~
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第一話 少女

「なんだこれ…」

 俺は付近の商業高校に通うありふれた高校生である安田冬馬。一年四組所属。

 成績は中の上、友達もそこそこいる本当にありふれた高校生だ。

 それが今、訳のわからない状況に陥っている。

 

 目の前には、()()()()()()が一人いる。

 

 たまに寄り道する無人の神社に足を運んだら、この少女がいた。

 年の頃は多分俺と同じくらい。顔は日本人の顔ではない。非常に整った、俺程度の語彙力では表現できない美貌だ。

 それに髪の毛は透き通るような薄い水色。ビスクドールの様とはこのことかと思った。実際に見た事は無いが。

 こんなに冷静に分析している場合かと思った人も居るだろう。

 絶賛現実逃避中である。

 だがしかし、現実を見なければ何も進まない。

 なので俺は現実と向き合うことにした。

(って、どうしろってんだあぁぁぁぁぁぁぁあ!)

 俺は心の中で頭をかきむしる。実際にそれをやらないのは目の前の状況があるからだ。

 

 少女が酷く怯えているという目の前の状況だ。


 俺はこういう、困っている人を見ると助けずにいられなくなる。

 今もそうだ。俺の中にこの少女を無視するという選択肢は無い。

 

 俺は両手を挙げて敵意がないことを示す。だがそれだけで少女はさらに怯えてしまう。殴られると思っているのだろうか?俺にそんなつもりはない。

 両手を挙げたままでゆっくりと少女に近づいていく。目で敵意は無いと訴えながらだ。

 それが分かったのかは定かではないが、少女はそこから動かなかった。

 俺は少女から目を逸らしつつ、学ランを脱いで少女にかぶせる。今は11月、服がないと寒い季節だ。

 かぶせた瞬間、少女は怯えたようにビクン、と体をはねさせるが、こっちが敵意が無いと理解しているからか、逃げる事は無い。

「大丈夫か?どこから来たのか分かるか?」

 隣にしゃがんで、なるべく優しい口調で話しかける。理解はできてないようだが、信頼を獲得することに成功したのか腕に抱きついて来た。

 ……感触が幸せです。

 得体のしれぬ悪寒を我が身に感じ、振り払おうか一瞬迷ったが、少女の方を見てやめた。

 少女は涙を浮かべ、それを必死に我慢していた。

 何があったのかは分からないが、きっと怖くて、寂しかったのだろう。

 俺は少女が泣き止むまで微動だにしなかった。


 少女が泣き止み、落ち着いたところで俺はゆっくりと立ち上がる。それにあわせて少女もよろめきながらも立ち上がった。

 ついてくる気が満々だ。

 俺は一人暮らしをして高校に通っているので別に家に来ても問題ないかと連れて帰ることにした。断るとこの子が心配すぎる。

 ……誘拐にならないよな?

 

どうも、四季冬潤とかいう者です。

このシリーズは前から書きたいなと思っていたのです。

3つ同時制作、頑張りますよ~^^


次は7月22日(月)の17時に投稿予定です。

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