紹介
彼女は間をおいてから再び話始めた
この戦いの意味について
「神が勝利を納めたんだけど倒した悪魔の王の魂を神は自分のテリトリーに持ち帰り肉体を与えた」
ここからは聞き覚えがある
記憶がない悪魔に神は一から万物について教えた
その後自らの力を8つに分け肉体を授けた
その者を天使と呼んだ
テレスは耳を澄ませ彼女の話を聞いていた
やはりこの情報は価値がある
「しかし何者かが悪魔に失ったはずの力(知恵・パワー・魔力)のうち知恵を取り戻した。これにより悪魔は神の力目当てに殺そうとするも神は奪われぬように自らの命を絶った」
「じゃあこの戦いは―――」
「この世界(銀河)を守るために戦う。万が一悪魔が三つの力を取り戻し神の力まで手にしたとき……想像するのは容易いわね」
彼女は僕に視線を向ける
「あなたの妹さんは神の生まれ変わりよ」
「………」
理由は簡単だった
このリングは持ち主の価値を色で分けている
階級は五段階あり下から赤・青・紫・オレンジ・??? となっていて???とはつまりこの中に存在しない色
「これにそんな意味が……」
美海は分かっていたのだろうか気になった
テレスが常に持ち歩いているメモ帳は文字でいっぱいだった
「だが今神の力を持っているのは兄である君だ」
神の力は8つに分かれていてもそれを統率するほどの力は残っている、使い方次第では人類を絶滅させることだってできてしまう
この地球の運命は僕に懸かっている……
「だから君たちを守りたい、安全のためにもこの世界のためにも、そしてこの戦いに終止符を討つ」
彼女の言っていることは正しいと思った
このSCにいることで情報の共有や身の安全と共に世界を破滅から防ぐことにも繋がる
「じゃあSCに入っていた方がーーー」
「けどここがSCって言う証拠は?」
テレスの確信に迫る問いかけに彼女は予想していたかのような対応した
数秒後彼女が通話をやめた
「許可が下りたわ」と彼女はご機嫌に言う
どうやら僕らに特別なモノを見せてくれるらしい
見たことのない物質で作られたエレベーター、大勢の職員、テレビで何度か見たことのある政治家、この部屋に入るまででも十分ここがSCだと言えるだけの証拠はあった
「これが「神戦記」と呼ばれる戦いの記録を記した書物のひとつよ」
辞書ほどの厚さ、状態はいい方だと思うが数百年前の物となると文字が読めるか読めないかの話になってくる
「これは本物だ、家にある物にも同じサインがあった」
「あなたたち…何者なの??」
「まだ自己紹介してませんでしたね」とテレスが言う
「あなたは知ってるはテレス…さん、それより―――」
チラッチラッと視線を送ってくるこの行為の意図を察することは容易い
「早麻海斗です。」
「平凡な名前ね」と呟くと彼女も自己紹介をした
彼女の名前はエリ、SCの代表取締役でありお世話になる人の名前だ