召喚魔法
盗賊を討伐してから、歩いて30分・・・・・・暇だ。
1時間歩けばと親父は言っていたが長く感じる。普段から1時間も歩くことがないからだろう。
(召喚魔法で、旅の仲間を増やすか)
『天使召喚』
『悪魔召喚』
自分の前に2つの魔法陣が現れ、そこから天使と悪魔が現れる。なぜかメイド服で。
「「あなたがご主人様ですか(ね)」」
まずは天使メイドから自己紹介が始まる。
「はじめまして。私の名前はメフィストフェレス。メフィスとお呼びください」
続いて、悪魔メイド
「私は、ラファエル。ラファと呼んでください」
「逆だろ!!ふつう!!!」
この世界のネーミングどうなってるんだよ。
とりあえず、落ち着きを取戻し俺も名前を教える。
「二人を召喚したのは俺だ、一人旅が心許無いため召喚させてもらった。名前はユリトだ。これから宜しく頼む」
「「わかりました。ユリト様」」
そうして、俺の旅に二人の仲間が追加された。
「で、二人は最初からなんでメイド服なんだ?」
ご主人様呼びとか色々疑問点はあるが、一番重要なのはここだろ。
最初に俺の左を歩いているメフィスが答える。
「天使界で、大天使サタン様の城のメイド長をしていましたので・・・・・・・やっと解放されました」
疑問が増えるだけなので、後半は流すことにした。
次に右にいるラファが
「私もメフィス同様、冥界で大閻魔ミカエル様の元でメイド長をしていました。次こそメイドの務めを果たします」
二人とも今まで、大変な思いをしていたのだな。
そして大天使と大閻魔の名前も逆だろう。
そんな美少女メイドの見た目だが、メフィスは白と青を基調とした清潔感溢れるメイド服を着こなし、天使と思える綺麗な金髪を肩まで伸ばしている。線も細く、くっきりした顔立ちだ。逆にラファは黒と紫を中心としたメイド服を着ている。もはやゴスロリにも見える。可愛らしい顔とピンクの髪で幼く見えるが、スラっとしていて色気がある。
(ただ、二人とも絶壁なんだよな)
左右から殺気が飛んできた。
「「ユリト様、今何かロクでもないことを考えませんでしたか」」
俺は殺気で、歩くのもつらい空気を耐えながら返事をする。
「気のせいだろ」
なんとなくだが、俺よりメフィスとラファの二人の方が強いと感じた。むしろ異世界チート持ちでも、まだ半日も経っていない俺と比較するのはどうかと思うが。後で確認のため鑑定眼でも使わせてもらうとするか。
後、二人についてだが召喚魔法だと召喚を断ることもできるみたいで、ただ今の暮らしから解放されるとわかっていたため、すぐ召喚に応えたという。召喚されると行動に制限はなく召喚者を殺すことで自由になれることには驚いた。下手すれば自分より強い奴を召喚すると殺される。また、主人と認められると召喚した相手の特性を受け継ぎ、念話が可能となる。召喚の証として、メフィスとラファの手の甲に紋章が存在した。そして俺に着いてくる理由を尋ねた所、旅に憧れていて面白そうだとのことだ。改めて、メフィスとラファでよかったと俺は思った。
そして二人を召喚してから30分後、ついに最弱のダンジョンが存在する町に着いた。