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きゅうけいさんは牛肉も好き

感想欄なんですが、ある程度までなら大丈夫ですが、なるべく後の展開を予想するようなものは控えていただけると助かりますー。

 外に出る前に、まずは城主に一言断って出ようと弥々華さんは言った。

 どちらにいるのか、和メイドさんに確認を取りながら歩いて行く。


 城主さんは大広間……ではなく、最初に寝ていた場所の奥の部屋、寧々ちゃんの部屋にいた。


「もう、本当に大丈夫なんですから」

「し、しかしだな……」


 んん? どうやら何かもめている様子。

 その中へ、やれやれといった様子で溜息をつきながら入っていく弥々華さん。寧々ちゃんの視線が、義髙さんから弥々華さんへ移る。


「あっ、弥々華様! もう、弥々華様からも言ってやってくださいよっ!」


 寧々ちゃん、ぷんすかって感じだ。すっかり元気になったね。それに対して弥々華さん、ちょっと困惑顔だった。


「まあ……義髙の気持ちも分からんでもない。我も昨日は少し取り乱してしまったからな」

「弥々華様、寧々は昨日どうだったのですか?」

「発作が起こったが……見ての通りだ。あれはきゅうけい殿の薬のおかげだろう。そう、あの青肌の魔族殿だ。しばらくはここに住んでくれるそうなので、体調のこと自体はまだ心配しなくてもよい」


 弥々華さんがそう言うと、今度は義髙さんが私の方へスススとやってきた。

 うーん、身の丈同じぐらい! 全体的に皆さん小さいね。だけど昨日のことを考えると、きっとこの城主さんは大和じゃ大きい方。


「あなたが娘を助けてくれたこと、心より感謝いたします……! 厚かましいとは思いますが、どうか娘の病気が治るまでどんなことでも申しつけてくだされば対応いたします」

「い、いえいえ! 私も自分の力が役に立って嬉しいですし、それに寧々ちゃんとも仲良くなりましたし! 弥々華さんにもお話ししたけど、しばらくご厄介になろうと思います!」

「おお、よかった……ありがとうございます!」

「むしろこちらこそありがとうございますですっ!」


 にっこりスマイル! 本心だよ!

 だってここにいたら、ごはんたくさんくれるしおふとんふかふかだし弥々華さんはもふもふだからね!

 そう!


「もふもふできるからね!」


 ……あっ。こ、声が出ちゃった。

 当然、弥々華さんと目が合った。き……きまずい……!


「……はぁ……」


 あう……あれは完全に呆れられた目だ……。


「……外ではするなよ? あと耳までだぞ?」


 ……え?


 い……今、もしかして……正式に許可が下りました?

 おうちでもふもふ権の許可が下りました!?


「あくまで寧々のお礼の分だ、いいな?」

「は、はいっ! うれしい! 弥々華さん大好き!」

「素直に喜んでいいものかなあ、これは……」


 困った様子で腕を組む弥々華さん。そんな弥々華さんに、義髙さんが驚いていた。


「珍しいですね、弥々華様。いつもだったら蹴っ飛ばしそうなのに」

「う、うるさいぞ義髙。これはな、仕方なく! そう、仕方なくだ! ……その魔族殿の作る薬は、恐らく代用の利くモノではない。何があってもいてもらわねばならんのだ」


 えーっ、仕方なくなんですかー。

 もっともふもふをお互いに楽しめる関係に……ならないかな? と思ったけど私が一方的に楽しんでるだけなのでちょっと無理っぽいですね、反省。


「それほどまでにですか。すごいのですね、その薬は」

「ああ、最早これまでなのかというほど衰弱した寧々が、目の前で飲んだ直後に飛び跳ねだしたからな。我にもあのようなものの代用品、まるで思いつかぬ」

「弥々華様がそこまでおっしゃるとは……」


 再び義髙さんと弥々華さんの視線が……あと寧々ちゃんとそのお世話係の和メイドさんの視線が私に集まる。

 な、なんだか本当に尊敬の眼差し集めちゃってる!

 いやー、まいったなー。まあきゅうけいさんのエリクサーは万能だからねー仕方ないねー。


「えっへへへ、どんどん頼ってくれたまえ! それにやっぱり自分の薬で、寧々ちゃんを治せるというのは嬉しくなるような話だもん。治るまで離れるつもりはないよ!」


 笑顔で返事をする。弥々華さんも満足そうに頷いて、義髙さんは驚いていたけどこちらも嬉しそうに握手を求めてきた。

 どーもどーも、握手握手。青い手にペールオレンジ……というよりはアイボリーっぽい年齢を感じさせる手が重なる。思えば義髙さんって、よく怖がってないね私の姿。


 つまり娘の薬に対するインパクトと好意が大きくて、かな?

 もうそれだけで義髙さんが、娘大好きすぎるパパさんなのは十分伝わったよ。

 義髙さんも、信頼に値するとってもいい人だね。


「寧々の容態もいいから、我は悪そうな妖怪の連中をもう少し仕留めに行ってくる予定だ」

「分かりました。それではきゅうけい殿達に仕事をさせるわけにもいきませんし、是非ゆっくりとしていってください」

「いいえ、今日は町を見たくて外に出たいのです」


 義髙さんの話を遮って口を開いたのは、シルヴィアちゃんだ。


「珍しいものが多いですからね、きっといいものが見つかるかなって。お土産なども姉上や両親に買って帰りたいですし」

「おお、それは気が回らず申し訳ありません」

「いえいえ、なので気ままに買い物をさせていただこうかなと」

「わかりました。そういうことなら大和を見て回ってください」

「はい」


 シルヴィアちゃん、礼をして弥々華さんと一緒に部屋を出たので、私とエッダちゃんが急いでついて行く。

 エッダちゃんは、寧々ちゃんに「またね」って小さく声をかけて手を振っていた。寧々ちゃんはエッダちゃんに手を振り返していた。

 仲良きことは良きことかな……。




 城の外に出ると、まだ城下町は朝早くて、きりっとした寒さに包まれていた。

 それでも日はちゃんと昇っていて、ああ寒い地方だなーなんていう当たり前の感想を、この明るい空と冷たい空気に感じていた。

 町中には既に人も多く、城下町ならではの賑わいを見せていた。


 ……それにしても、さっきの寧々ちゃんの前の会話は、事前にしていた食堂での会話とはちょっと違った。

 シルヴィアちゃんは、実は市場に買い物に出かけたかった……ってわけじゃないだろう。


「ね、ね、シルヴィアちゃん」

「なんですか? きゅうけいさん」

「なでなで〜」

「ふぇっ!?」


 あ、シルヴィアちゃんがキリッとシルヴィアちゃんモードから可愛い系の妹モードになった。不意打ちだとかなり可愛い反応しちゃうあたり本当にシルヴィアちゃんかわいい。さっきからかわいいしか言ってない気がするけどかわいいから仕方ないかわいいかわいい。


「あ、あんまりかわいいって言わないで下さいよ……」


 あ、口に出ちゃってた。


「あはは、ごめん。でもリーダー、さっきは義髙さんと寧々ちゃんに気を遣って、遊びに行くだけだよーって言ったんだよね」

「ええ、もちろんです。……なんだか看破されるのは恥ずかしいですね。やっぱり分かってしまいましたか」

「そりゃもう付き合い長いからね! だからシルヴィアちゃんは良い子だなーっておもっていいこいいこしちゃいました!」


 私が再び頭を撫でると、シルヴィアちゃんは顔を真っ赤にして少しむくれるような顔で上目遣いになった。


「……もう、あんまり町中ではやらないでくださいよ……」


 ……やっぱりかわいい……この良い子度合いと反応のピュアさが、本当にシルヴィアちゃんは最高って感じだ。


「そうか、もしかするとと思ったがやはり気を遣ってくれたか」

「あっ、と。ええ、そうね。引き留められるのもちょっとなと思っていたし」

「いいのか? 別にそのまま市を見て回ってもらってもいいぞ?」

「弥々華さんについていって妖怪を見る方が、珍しいものにお目にかかれそうだから弥々華さんと同じギルドへ行くわ」


 それもきっと半分は気遣いだろう。というのを弥々華さんも気付いているだろうから、「そうか、ありがとう」と一言言って、それからは無言でギルドに向かった。




 さすがの弥々華さん、入ったと同時にそこら中から挨拶をされる。それを歩きながら無言で片手を軽く振って応える

 ギルドの雰囲気は、和気藹々って感じで朝からみんな元気一杯という感じだ。活気があっていいね!


「……活気があっていいなあ……」


 私の思考とシルヴィアちゃんの呟きが一致したけど……これは絶対竜族の村のことを思い出しているパターンだよね……。

 竜族の村の皆さんも、ここぞというところでしっかり働いてくれたから私は印象悪くないけれど、シルヴィアちゃんにとっては何年もずーっとあの生活やってるだけの人達だったんだろうね……。


「弥々華様、朝からお疲れ様です!」

「うむ。早速何か見せてもらえるか?」

「そうですね。でしたら今現在気になるのは、魔牛が出ているのと、牙虎が山に出ているのと、後は大きな影の噂ぐらいでしょうか」

「……大きな影?」


 弥々華さん、何かそれにひっかかるものがあったようだ。

 何々? 怪獣? 特撮映画みたいなやつ?


「ええ、それはもう山より大きなという眉唾みたいな話です」


 本当に特撮映画の怪獣だった!

 さ、さすがにそういうのは相手にしないですよね、弥々華さん?


「……どんな影だったかという情報はあるか?」

「いえ、特に……その、特徴は分かりません。巨人だとか何だとか」

「……そうか。何か分かったらまた言ってくれ」


 なんと興味津々だった。


「魔牛でいこう。印象からして穏やかに感じるが、実際のところは闘牛同然の恐ろしいヤツだからな。あの角にやられたら腹を破られて死ぬ」


 あ、もしかして牛は牛でもホルスタインじゃなくてバッファローとかバイソン系のアレですか。なんだかお寿司みたいな名前のやつ。

 それの魔物版は、そりゃーやばいやつだ。

 というかこっちの辺、妖怪系オンリーかと思ったら普通に魔物もいるんだね。


「というわけだ、お主達も構わぬか?」

「ええ、大丈夫よ。というわけで受付さん、こちら私のパーティと弥々華さんとの共同受注としていただけるかしら」

「はい。かしこまりました」


 そんなわけでトントンと決まって、私達は次の討伐任務に向かった。




 ちなみに移動は城下町から出て、シルヴィアちゃんがドラゴンに変わって飛んでいった。弥々華さんもその便利さには満足している様子だった。

 昨日のこのへんに来た時の、最初の山の山奥に降り立った後は、私がレーダーを使って敵の場所を割り出した。


「私のは特別性能いいからね! まーかせて!」


 私は魔法を使い、レーダーに映る敵をゆっくり調べる。

 よーしよーし、これで大体の敵の割り出し……が……。


「……どうしました? きゅうけいさん」

「多い」

「え?」


 私がシルヴィアちゃんに反応したと同時に、一頭がこちらにやってくる。なんだか赤い模様のある体格のいい牛だ。

 真っ直ぐ角で突き刺すように走ってくる……!


「きゅうけいさん!」

「大丈夫!」


 私はその牛を視界に捕らえると、ぶつかる寸前に横に軽く避ける。そして避けざまに、首を切り落とす。

 いつものショートソードさんありがとう。ほんとこういう小回りの利く武器ってめっちゃ便利。


 首をなくした大きな牛の体が、速度を殺しきれずに地面を滑っていく。周りを見ながら倒せないのでちょっとあぶなっかしいなー……。


「私が行きます!」


 次、エッダちゃんが弓矢を構えて撃ち出す。

 矢は次の牛の額を捉えて……吹き飛ばした。昨日と違う矢の使い方に、弥々華さんが驚く。


「もっと速度を重視したものではなかったのか!?」

「いくつか種類を使い分けることが出来ます! 昨日は速度、今日は……衝撃です!」


 エッダちゃんが木の上に素早く登ると次から次へと矢を放つ。そしてその威力自体が非常に高いので、魔牛はエッダちゃんの矢が頭に当たった時点で絶命していく。

 敵を倒しながら、こちらに死体が当たらない戦い。やはり森の中での戦い方、エッダちゃんが一日の長ありだ。


 気がついたらリーダーも剣を出して、刀を構えた弥々華さんと並んでいる。

 撃てなかった魔牛を、私と同じように闘牛の要領でずばずばと斬っていく二人の剣士。

 かっこいいと思います!


「大体エッダがやってくれそうだけど、あたしたちもちゃんと役に立たないとね」

「ああ、そうだな。もともと我の任務だというのに、見るからに難度の跳ね上がっていそうな任務も問題にならん。まったく、皆優秀で困る」


 そんなことを全く困っていなさそうにニヤリと獰猛に嗤い、軽くステップしたかと思えば居合抜きのように刀を振るい、牛の頭を空高く吹き飛ばす弥々華さん。体が滑っていくのを、刀を右手に持ちながら左手で印を結んで、風遁で牛の胴体を止める。

 ……やっぱりこの人、ちょっとかっこよすぎない?


 シルヴィアちゃんは……なんと、片手で牛を止めて、角を握ったまま首を切り落としていた。これには弥々華さんもさすがにびっくり。

 だってシルヴィアちゃん、本当に普通の綺麗なワンピースの女の子だもんね。


「……し、シルヴィア殿……」

「一応言っておくけど、私のレベルはあなたの十倍あるし、そもそも体格も本来は古竜だからね。力比べしたけりゃもっと巨人を持ってこいって感じよ」


 シルヴィアちゃんは余裕そうに両肩をすくめて、そしてやってきた次の魔牛も片手で受け止めて首を切り落とす。

 ……我らがリーダー、シルヴィアちゃんも超かっこいい。


 そして気がつくと、エッダちゃんの手によってぽんぽん天高く吹き飛ばされていた魔牛の数も減り、ついにレーダーからは全くいなくなった。

 ……私ほとんどなんもやってない? まあ、みんな優秀だとこんな討伐任務も休憩時間みたいなもんですね!


「レーダー見た限りオッケーだよー! まだまだ外には魔物がいるけど、この付近の魔牛は全部討伐できたみたーい!」

「わかりました。エッダ! お疲れ! もういいわよ」

「はいっ!」


 エッダちゃんは木の上から身軽に跳んで着地し、私たちの所へやってきた。


「よーし、これで討伐任務も終了ね」

「うむ。素材も随分あるし、これはなかなか町が潤って良いな。魔牛の肉なら家畜より多少固いが、猪よりは臭みも少なく食べやすい。この量なら客人の分も暫く賄えるだろう」

「わあっ、今夜は牛肉ですねぇ!」

「私が保管するよ! 収納量には自信があるからね!」


 さすがに仕事しなさすぎなので、簡単そうなところだけ宣言してぽんぽん魔牛をアイテムボックスの魔法の中に放り込んでいく。よく働いてるぞー自分、えらいえらい。


 牛鍋とか、網焼きとか、いいよね! 醤油でじゅーっと焼いて食べたり、焼肉のタレを比べて……って、今はそういうのはないんだった。

 ううーっ、あの数々のメーカーのを買いまくって安い肉でお腹を膨らませたり、焼肉のタレをキャベツにだけ使ったりして食べた日々が懐かしい……。

 さすがにあれをこっちの世界で望むのは無理だ。

 でもでも、牛肉様だ。焼けばそれだけで子供達もニッコリの焼肉大会だ。これだけ倒せばそりゃもーすんごい量の肉が手に入るだろう。


 えっ、私は子供じゃないって? 子供が好きなものは大体好きです! 未だに駄菓子とか買いまくってます! あっでもお酒とかも好きです!

 好きなものしかないって? 食べることそのものが好きだからね! そりゃもーぐーたら休憩してる感じが最高だからっ!


 と自分の脳内で会話をしながら、牛を全部収納する。ここから東の方ではめっちゃおいしい牛タンの地だし、頭の方もいけるんじゃないかな。

 ああでも、牛の舌は気持ち悪がったりするかな?


 まあもちろん食べられなかったら私が全部食べちゃうけどね!

 んっふふふこの肉厚そうな牛タン、いいですなぁ……。


 ……ッ!?


「全員警戒ッ!」

「な、了解! エッダ、上へ!」

「はいぃっ!」


 私は剣を取り出し……レーダーで一体だけ外側の魔物表示からやってきたヤツを見据える。

 そこには……牛の頭の巨大な妖怪がいた。


「牛頭……だと……!?」


 弥々華さんが驚いた声を出す。


「だとすると、魔牛が現れたのはこいつが召喚したせいか! きゅうけい殿、気をつけてくれ! そいつは強い! 危険そうならシルヴィア殿に代わってくれ」


 弥々華さんの声を聞き……ふと、不思議なことを言われた。

 私もシルヴィアちゃんもエッダちゃんも、お互いに顔を見合って首を傾げる。


「な、なにをしておる、早く……!」

「あの、えーっと……いいかしら?」

「なんなのだ!」


 やっぱり……ちょっと勘違いされてるみたいだ。

 その……自分から言うのはさすがに恥ずかしいのでシルヴィアちゃんに役目は任せます。


「弥々華さん、このパーティで一番強いのが、そこのきゅうけいさんですよ」

「……え?」


 ミノタウロスこと、ごずさんが猛スピードで襲ってくる。身の丈は3メートル余裕であるね、おっきいねー。


 ぎんぎらぎんの巨大な金棒を勢いよく振りかぶり、私に振り下ろすも……もちろん籠手の片手で止める。


「よゆーよゆー。ところであなたも牛の頭パーツおっきそうだね。……ふふ、おいしい牛タンとれるかなー?」


 力を入れると、ぱきんと金棒はあっけなく割れた。

 それが信じられないのか牛さんの反応が一瞬止まったので、ジャンプをしてさくっと首を切り落とした。


「これでいいの? 弥々華さん」


 私の様子を見てぽかんと目と口を大きく開けている。


「あ……ああ。そうだ。……す、すまない。あまりにもその、明るい方なので、マモン様の言っておられた話がまだ信じられなかったし、同格という言葉もそこまで本気にはしておらなんだ。……まさか金棒をあんな体勢のまま片手で握りつぶすとは……」


 そっか、そういえばどれぐらい強いかは見せてなかったね。でっかいイタチをぐわしと掴んで火遁に無傷だったぐらいだ。あとおくすり作ってもふもふしただけ。


 ……もふもふ。


「弥々華さん」

「な、なんだ?」

「今の私、いい仕事でした?」

「もちろんだとも、昨日といい今日といい、本当に役に立」

「お礼は帰ってからのもふもふを希望しますっ!」


 私の宣言に、シルヴィアちゃんは頭を掻いて呆れ、エッダちゃんはくすくすと可愛らしく笑った。


「……まあ、いいけどさあ……」


 弥々華さんがやはり呆れ気味に言いつつも、今日はあまり嫌そうじゃなく困ったように笑ってくれた。

 あっ、これひょっとして距離かなり縮まってます? だとしたらめっちゃ嬉しい。そわそわしちゃうぐらい嬉しい。

 何よりもの報酬ですっ!


「しかし、何故牛頭がここに現れたのか……」


 その答えは分からなかったけど、とりあえず無事にみんなでギルドに帰って報告した。

 ちなみに魔牛を出したらそれはもう大賑わいとなった、やっぱりみんな牛肉好きだね!


 私はもふもふと、牛肉と、もふもふと、牛タンと、そしてもふもふともふもふへの期待に心を躍らせながら城へ帰るのだった。

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