きゅうけいさんは最速解決RTAを選ぶ
幹部の人達が実際に魔王の呪いを受けていたかはわからない。
だからとりあえず、幹部の人を呼んでクリアエリクサーを投入!
あ、ちなみに私は建物の陰に隠れて治す方針にしてるし、クリアエリクサーは教皇さんには見せていません。
超スピードでささっと飲んでいただきます。
急に口中に飲み物が出てゲッホゲッホむせてる方もいらっしゃるけど、それだけの余裕があるということは、現状全く問題ないようだね。
教皇さんの鶴の一声で解散となりました、お疲れ様でしたー。
解散した後に、教皇さんはその理由を分析する。
「理由は恐らくですが、分かりますね。私の命令なら部下は必ず従います。しかし、私は傲慢の呪いの間、神に反逆の意を示したのですね」
「はい」
「なんと嘆かわしい……いえ、それは今はいいでしょう。つまり、傲慢の呪いを受けた場合、上司である私に対して」
「そっか、傲慢に反逆しちゃうと」
「ええ、仰るとおりです」
なるほどなー、そりゃそっか。
みんな傲慢だったら会議なんて進むわけないわ。
ってことは。
「ええ、恐らく後は領主のみで済むのではないでしょうか」
それは安心だ。
一瞬門の前の男のことを思い出したけど……あれが傲慢になっていたとしたら、王の命令とか聞くものかな?
一応飲ませるだけ飲ませておこうか。
「それじゃ私達、行ってきますね」
「はい、ヴェアリーノをよろしくお願いします」
「こちらこそ、竜族の村と今後もよろしくお願いします」
教皇ベネデットさんが再び頭を下げたので、私も同じ角度で頭を下げる。
こういう方とは上下関係なくお付き合いできるようにありたい。
全てが終わったら、また来よう。
-
どこのお城かと思うようなすんごい建物に、堂々入っていきます!
門番さんは武器を奪って待機してもらいました。
「大丈夫、誰かを殺したりしないし、門の前の軍も誰も殺していないし。まー私に勝てなくてもあなたたちの責任にはならないので、気にしなくていいよ。それに……多分領主は、ここ三週間ぐらいのことを記憶していないはずだから」
門番さんがしぶしぶといった様子で私から離れる。うん、今はそれでいいよ。
きっと大丈夫だからね。
「エッダちゃんは、領主の顔って覚えているの?」
「んー……大分前ですけど、見たら分かるはずです。兵士も多いですけど、どうしますか?」
「パオラさんとレジーナさんは、外で待っててもらえます? 私はもう抱えてダッシュしますので!」
二人が頷くと、エッダちゃんをがしっと抱える。
腕の中で「え?」とかわいい声で呟いているのに心の中で謝りながら、超スピードを……お試しにちょっと動かしての発動。
時間が止まった空間で、エッダちゃんの腕を動かす。なんか変なGとかかかってない?
かかってないっぽい。大丈夫かな? 大丈夫っぽい。
私に都合がいい能力最高。
「それじゃ、エッダちゃん。行くよ」
「え?」
私はエッダちゃんをお姫様抱っこして、屋敷の扉を開けて……高速移動!
広い玄関、帯剣してる兵士あり。その人達が反応しないことを確認して移動!
レーダーで部屋の中を確認する。特定の部屋の前で開いている扉の中に入り、高速移動解除!
「え?」
「エッダちゃん、この人は?」
「え? え? えっ、この人ではないです」
突然目の前に現れた私に指を突き立てて、悲鳴が出る瞬間に高速移動!
さらば!
今回私が選んだ解決方法は、最速で領主にクリアエリクサー投入!
それで全てが解決するのなら、まずはそれをやった後に考えるという方針にしようと思った。
あ、これゲームでやったRTAじゃね?
次は、二階の部屋だ。
なんか、わちゃわちゃ集まってる部屋があったので、再びその部屋を見て停止!
「この人達は?」
「あれ? え? あっ、えっといないです」
おっけー! 再びの高速移動!
エッダちゃんが喋ってる途中で階下から悲鳴が聞こえてきた。ごめーんね!
でも、これに関してはさっさと解除しちゃった方が早い。
最後は、このお部屋。
「エッダちゃん」
「えっ、あっ、これ移動して、あっあの人です!」
部屋のソファでふんぞり返っている白髪のおじさまが、私の顔を見て何か言葉を発しようと……する前に、さっさと解決!
「【クリエイト:クリアエリクサー】!」
エッダちゃんを隣のソファに寝かせる。
そしてクリアエリクサーを……領主さんの口の中にざばーっと流し込む!
勢いよく飲んでいただき、やはり領主様もそのまま気絶した。
さて……ここからどういう話になるかな。
部屋の外がわちゃわちゃしてるけど、まあうん、あとでがんばろう。






