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きゅうけいさんは教会のことを考える

 でっかい大扉、実に威圧感があって困りますね。

 果たしてこれ、入って大丈夫なもんなんでしょーか。

 いやまあ駄目だったとしても入らないといけないんですけどね。


 私が前に出ようか困っていると、ぐいっとエッダちゃんが身を乗り出して扉に手を掛けた!

 えっ、びっくり!


「わーっ行きます行きます」


 あわててエッダちゃんの後ろについていきます!


「堂々としてるね!」

「前に来たことありますからねぇ」


 エッ!? そうなんだ!?

 エッダちゃん、ご家族の関係かあっちに行ったりこっちに行ったり結構してますね!

 元々家名が有名なだけあって、結構なんていうか、シルヴィアちゃん以上にお嬢様だなってぐらい経験豊富そうですね!


「そうです? 以前来た時は、ブライトエルフの集落に挨拶に来たついででしたけど」


 そうか! そういえば元々エルフ同士で交友がありましたね!

 事前に来たことがあって、ブライトエルフの集落がヴェアリーノの北にあるんだから、こっちの街に寄ったことがあるのは当然っちゃ当然だ。

 教会に入っていても驚かないだろう。


 ……いや、驚くわ。違和感バリバリだわ。

 ゲームではダークエルフって敵だったけど、この世界では人類の味方。

 そのダークエルフが教会に受け入れられたから、エッダちゃんはこの教会に過去に入ったことがあるのだ。


 私はふと、その違和感の正体に気付いた。


 ——けっこー寛容じゃねー?


 そう。選民思想らしさのない寛容さというか……ダークエルフ、別に仲間扱いでいいんだっていう驚き。

 ブライトエルフの集落が近くにありながら、ダークエルフも受け入れる教会。

 寛容なのはいいことです、結構結構。


 じゃあさ。

 なんでそんな寛容な人達が、人類同士で戦争を起こしかねない規模になってまで、魔族追放派になったのかなーって。


「その答えが、ここにある、か」


 私は覚悟を決めて、中に足を踏み入れた。


 -


 職員というか、他の神官さんは出て来なかった。

 エッダちゃんは、その中を勝手知ったるなんちゃらって感じで堂々と進んでいく。


「誰もいないね」

「そりゃあそうよ、きゅうけいさんが敵対したと知って、軍を抜けてきたと知ったらここの職員じゃ何をどう頑張っても勝てないわ」


 まあ、相手の気持ちになったらそりゃそうか。

 魔王がいきなり攻めてきたようなものだもの。誰だって命は惜しい。

 いや命が惜しいのなら最初から敵対とかしてほしくなかったけど。


 レーダーはさっきからずっと使っている。

 廊下の横に並ぶ部屋、近くの厨房らしき場所、なんかでっかい礼拝堂っぽい中心空間。


 その全ての場所に、人がいる。

 みんな、端っこに固まって、じっと身を潜めている。

 その姿から、恐怖の感情も伝わってきそうなぐらいだ。


 息苦しい。

 さっさと終わらせよう。それが一番みんなのためになる。




 本当に、最上階まで何事もなく進んでいった。

 エッダちゃんが、扉をノックする。


「教皇、入りますよ」


 エッダちゃんは律儀にノックして、扉を開く。

 正面には……がっつり武装した僧兵の集団と、奥に派手な服に身を包んだ老人がお一人。

 あれが、目的の人物で間違いないだろう。


 さて……話を聞かせてもらいましょうか。

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