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きゅうけいさんは話を聞く側の気持ちを知る

 そこにいたのは、私に『友達を増やす』という指標をくれた恩人、竜族でありながら占い師というとっても不思議な属性のレジーナさんだ。

 既に話を通していたのかな?


「それでいいのよね、シルヴィアちゃん」

「ええ、そうね。お姉様がこの竜族の村から離れるわけにはいかないもの。レジーナなら、きゅうけいさんを任せられるわ」

「やった!」


 かと思いきや、レジーナさんは別に話をつけていたわけではないらしい。そりゃそうか、人間の街がこんな状況になってしまったことそのものが、さっきマモンさんが行ってきたことで初めて分かったような情報なのだ。事前に準備するにしてはちょーっと早すぎる。


「えっと、次はレジーナさんが元々出向く予定だったということは会話の流れで分かったけど、前から相談していたの?」

「そーなの。こういう時には、次は私が行くって」

「そうなんだ。でもどうして?」


 私の疑問に、レジーナさんは笑顔ではっきり答えた。


「だって、羨ましかったもの」

「……えっ、私との旅がですか?」

「もちろん! いっつも話聞く側でさ〜、楽しそうだな、いいなあって思ってたの。だから次行く時は、絶対に行きたい! ってね」

「そんなに?」


 レジーナさんは、深く頷く。


「竜族って寿命も長いし力も強いから、基本的に変化ってないのよ。だから、きゅうけいさんの旅の話を聞くと、ほんっと羨ましいの」


 なんと、レジーナさんはそんなに私との旅を楽しみにしていてくれたんだ。

 それはもちろん……嬉しい!


「それに、何より、占い好きな相手ってこの村だといないの。だからとっても嬉しかったし、未だにそのことを守ってくれているきゅうけいさんに、どんなに小さくても何かしらのお礼をしたいなってずっと思ってたの。だから、多少の危険があったとしても、行くなら今しかない。そう思ってね」


 ——驚いた。

 もう、ストレートに驚いてるよ今。


 レジーナさんが、まさかそこまで私のことを考えてくれているなんて思わなかった。

 私としては、むしろこんな世界にこんな姿で転生してしまった私に指針をくれた人なのだ。

 私を導いてくれた、ある意味では一番の恩人。


 そんなレジーナさんに求められたとあっては、答えないわけにはいかないね!


「ぜひぜひ! 私も一緒に旅したい!」

「よかった〜、きゅうけいさんがシルヴィアちゃんと一緒じゃないと嫌って言ったら引き下がるつもりだったもの」

「言わないよ!」


 こういう友達との旅に、優劣ってあんまりつけたくないのだ。

 そりゃーシルヴィアちゃんはリーダーだし頼りになるし、今までずっとやってきたこともあるから離れたくない気持ちも大きいけどね。

 それがレジーナさんと旅する魅力に勝ってしまうかといえば、それとこれは全く事情が違うものである。


「それじゃ、私とレジーナさんと、エッダちゃんで向かおう。ダークエルフの集落にも状況の説明しないとね」


 かなり久々となるダークエルフの集落。

 みんな元気にしてるかな?

 久々に会えるとなると、とっても楽しみ。

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