雪とオレとオジサン
『雪とオレとオジサン』
「ねぇ、おじさん…」
「ん?どうした?雪花」
「いや、あのさ…」
「おう」
「離れてくれるかな!マジで暑いんだけど!冬なのに」
経緯を説明するとしましょうか
12月中旬、少し早いけど雪が降った。
こんな寒い日に俺はおじさんの家に向かうのだ。すっごくお家に帰りたかったが、おじさんは家事全般が全くできないからほっとくと何も作れずにポックリといってしまいそうだ。
雪の降るなか俺は白いため息をつきながらも歩いておじさんの家に着いた。インターフォンを鳴らすとゆっくりとドアが開きブルブル震えてるおじさんの姿見えたが、すぐに閉まった。
「あぁ…鍵開いてるから勝手入れって事か。なんで閉めてないのだろうか危なくないか」
そうぼやきながらも小さな門を開けて扉を開けた。
玄関は真っ暗で見渡す限りは明かりが見えない…とりあえず、リビングに向かうと部屋にはブルブル震えている物体があった。
「なんで家中真っ暗なのさ?明かりぐらいつけないと転ぶよ」
暗闇の中手探りで明かりのスイッチを探し押すと…やはり、ブルブルしていた物体はおじさんだった。
「寒い…このままだと凍えちまうよ…あったけぇもんくれぇぇ」
なんとゆうかニートのお母さんの気持ちがわかりそうで辛くなってきた
「心に染みる…このスープうめぇな!雪花」
「そう?喜んでもらえてよかったおじさんの冷蔵庫のもの少し使っちゃったけど」
寒い寒い煩かったので仕方なく即席でコンソメスープを作ったが、口に合っててよかった
説明が遅れたが、この美味しそうにスープを飲んでいるのは夏山虎太朗といいちょっとした出来事で仲が良くなった友達だ。おじさんとは言っているが、まだ27歳だけど、そこまで老いてはないけど呼びやすいからおじさんと呼んでいる。
俺は冬波雪花。現役の男子高校生だ!と言ってもこの27歳より若干だが体力がないのが激しく悔しい。かなりこのおじさんが家事が苦手なので手伝いをしたり引っ張り回されたりしている。
「雪花はよぉ…寒くないのか?」
スープを飲み干したおじさんが不思議そうにこちらをみてくる
「それはね、ほら、ここに貼るカイロを着けてたり…貼らないカイロをポケットに入れてあるからさ。ある程度は寒さは防げたよ」
「なるほど、納得した」
うんうんと頷き容器を台所に置きに行った。
それを確認した俺はテレビを見始めた。やっと、1段落したのでゆっくりできると思った
後ろからぎゅっと音がすると何故か俺のお腹の辺りに屈強な腕が後ろからきていた。今度は頭が重く何かがのしかかってきた…
「雪花…お前あったけぇな!しばらくこのままでいいよな!」
容器を置きにいったおじさんがいつの間にか俺の後ろにいて唐突にぎゅっとされたのだ
「ちょ…ちょっと離してよ!力強っ!えっ?何ゴリラ?ゴリラなの?おじさんゴリラなの!?」
圧倒的な腕力のせいで俺は全くもって動けなくなってしまった
そして、今に至る
「ヤダ。おじさんもう、動けないよぉ~~」
「上着貸すから離れろ!カイロand人肌とか暑いだけだよ!」
それでも、おじさんは動かなかった…仕方ないので腹めがけてエルボーをすると「うぐっ」と唸り声がし、腕の力が弱まり体から取れた
「ひでぇな!暴力振るうことはねぇだろうよ」
「動くいてくれないおじさんが悪いんだよ」
さてと、やっと離れてくれたことだし、帰ろうかな。
「ん?雪花、帰るのか」
「うん、仕事はしたしね、さっさと帰宅しないと」
ドアを開くと『ゴーゴーゴー』っと煩い音が入ってきた…
スッと閉め、俺は携帯を取り出して
「もしもし、今日さ、雪ひどいからさ友達の家に泊めってもらうね…ご飯はいらないよ」
切った後にギロッとおじさんを睨む
「あーあー…これはおじさんのせいかな?ぎゅーして動きを封じておじさんのせい?」
「当たり前でしょ!自覚してないのかよ!」
オジサンside
その後、数分間叱られた後に風呂に入り、明日の準備をして俺らは眠りについた。p.sオジサンの服貸したけどかなりぶかぶかで笑ってしまったw
翌朝に綺麗に雪が積もっていて帰るのに苦労する雪花を見て申し訳ない気持ちになったが、雪があったので雪玉を投げったら珍しく乗ってくれた!オジサン感激!まぁ、雪合戦とか久しぶりだったから2人とも冷えちまったけどな
「風邪になったら恨むかんね」と言われちまって怖かったぜ…DK怖えぇな。
結局、もう一回服乾かしてから雪花はむすっとした顔で帰っていた。
なんか、迷惑はかけてしまったっぽいそうだから雪花の好きな白いチョコを今度あったら渡そうとおじさんは激しく思う