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迷車両で行こう29

「どうも。京急2100系です。今日はちょっと深い話をさせてもらうね。」

「あっ。歌う電車だ。」

「なんだよ。お前こそ歌う電車じゃねぇか。しかも、元祖って言っても言い過ぎじゃないだろ。」

うP主:おい。もう戦いはやめろ。いくら京急が張り合っても・・・。そこは省略。E501系。先に進まないからすすめちゃって。

「分かりました。てなわけで、今日は電車がよくまき散らしている音のことについて話すね。」

お告げ:電車がまき散らす音ってあの風を切っていくようなときのおとか。

「・・・それはある意味間違っていないけど、今日話したいのはそれじゃないからね。」

「今日話すのはここ最近の電車なら必ず付けているもの。これで大きなお兄さんたちはすぐにぴんときたでしょう。ていうか、私が出演している時点でピンときたでしょう。モーターのお話です。最近電車に箱型の大出力モーターが搭載されている例が多い。機械的なお話をするとそのようなモーターのことを誘導電動機という。」

「誘導電動機とは交流の電源を使ってモーターを回転させるモーターのことね。簡単に言えば。このモーター。80年代にはすでに存在していたのだけど、そんなに主流じゃなかったのよ。主流になったのは90年代。JRになってからのお話。」

「さぁ、こっからどうやってお話をつなげればいいのか知らないけど、この90年代に主流になってきた誘導電動機。今まで主流だったモーターよりも当然出力がいい。そして、システムがちょっと今までのモーターよりも複雑だった。このモーター。モーターに流す電圧と周波数を変えることができるのである。だから、このモーターを積んで、そんなことまでしている電車をすべてを英語にしたときの頭文字をとって、VVVFインバーター制御と呼ぶ。」

「しかし、これ。大きなお兄さんたちには絶対的な人気を誇ったんだけど、利用者のほとんどには耳障りな雑音でしかなかった。どれぐらいの雑音だったかというと、ラジオに・・・。まさかのモーター音が乱入。こんなことまで起こしたぐらいだった。この後時代は流れて、やくざの声みたいな音を出す従来のモーターを積んだ車両はだんだんと新世代の車両に移っていっている。静かになってきているのだけど、利用者のほとんどにとっては全然関係のないこと。ていうか、電車に乗ってそんなもの聞くなんて。どこのマニアがすることだ。と反抗しているのかは知らないが、僕の歌よりも利用者のほとんどの人は水着姿の女性がいっぱい集まって歌っている歌を聞いているほうがいいらしい。こら、そんなの聞いてないで、こっちの歌聞け。」

うP主:そんなこと言っても利用者が君の歌を聞いてくれるとは思わないね。私もVVVFの音には見せられていて、特に223系のVVVFが好きだね。さすがにどこ社製のものまではこだわらないけど・・・。

「歌わないほうが趣味ですか。」

うP主:別に。歌っても歌わなくても私にはどっちでもいいな。基本VVVF車の歌は全部聞いてみたい。

「・・・うP主さんは今まで乗った中でどのVVVFが一番好きですか。」

うP主:うーん・・・。

「E501だね。」

「お前なぁ。自分で自分を美化しているなよ。」

うP主:300系のGTOだね。

「・・・えっ。223系じゃないんですね。」

うP主:さて、話が結構脱線したが、電車に搭載されるモーターは日進月歩で、今日本作に登場している京急2100系さんやE501系さんみたいに発車や停車時に音階を伴うモーターが搭載されたりと結構バリエーションは存在する。さらに、モーターが新しいということで、出力が飛躍的に向上したり。そして、一番いいことは電動車を減らせるということである。電動車が減るとどういうことが起こるのかというと、メンテナンスのコスト削減につながるのだ。なお、VVVF車は加速、減速をするときに音を断続的に出し続けているのだが、それはインバーターが断続的にモーターに送り込む電圧と周波数を変え続けているからである。

「そうそう。だから、次電車に乗る機会があったら、僕たちの歌でも聞いてみてね。」

うP主:お前ら。もう歌う電車は皆無だぞ。それに、VVVFの歌はどこに行っても聞けるわけじゃないからな。

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