私の彼への復讐計画はオススメいたしません~オルゴールが鍵を握る~
楽しくお読みいただけましたら幸いです。
復讐?
そんなもの考えたことはございません。
優しすぎる彼に復讐なんて、、、。
「それっ、本当に好きだよね?」
彼は私の持っているオルゴールを指差し、呆れた顔をしながら私に言う。
オルゴールからは優しいメロディが流れる。
「うん。覚えやすいメロディだし、癒されるのよ」
「僕も、好きになりそうだよ」
彼は照れた顔で私の頭を撫でる。
そんな二人の雰囲気は恋人のようだが二人は友達。
「あれ? なぜ君がここに? オルゴールのメロディが聴こえたから来てみたら、予想通りだったよ」
彼は緊張している顔で私に言う。
「私は友達に誘われて来たの」
「そうなんだ。なんか頑張れそうだよ」
彼は気合いの入った顔で私の頭を撫でる。
そんな彼は今から部活動の試合いに出る。
「やっぱりここにいた。オルゴールのメロディが聴こえて良かったよ」
彼は心配そうに私に言う。
「私、一人になりたいの」
「あっそ。僕が君の隣にいても空気だと思ってよ。僕も君を空気だと思うからさ」
彼はニコニコと笑いながら私の頭を撫でる。
そんな彼はオルゴールのメロディを鼻歌で奏でながら、青い空を見上げる。
「オルゴールのメロディは耳から離れないけど、周りの音も聴かないと危ないよ」
彼は私の腕を引っ張り引き寄せてから、焦った顔で私に言う。
「そうだよね。気を付けるよ」
「うん。僕も君を危険から守るよ。だから君は車道側を歩かないでね」
彼はホッとした顔で私の頭を撫でる。
そんな彼は車道側を歩くようになった。
「その人、誰なの?」
彼は悲しそうな顔で私に言う。
「えっ、友達だよ」
「彼にもオルゴールを聴かせるの?」
彼は不安そうな顔をしながら私の返事を待つ。
「オルゴールはあなたにだけだよ」
「そうなんだ。僕だけなんだね。凄く嬉しいよ」
彼は本当に嬉しそうに笑いながら私の頭を撫でる。
そんな彼は私の復讐を知らない。
ずっと、積み重ねてきた私の復讐。
私だけが彼を好きになって、私を勘違いさせるような優しすぎる彼。
それなら私のことを忘れないようにさせるわ。
オルゴールのメロディが聴こえてくれば、私のことを思い出してくれるはず。
私だって、オルゴールのメロディが聴こえてきたら彼を思い出すから。
私の復讐、成功かしら?
「君は、僕の一目惚れをした相手なんだ」
「えっ」
「少しずつ君に好きだと伝えていたのに気付いてくれなかったね」
「えっ」
「僕は君が好きだよ。だから君の好きなオルゴールも好きなんだ」
私の復讐は大失敗。
彼に復讐は不必要。
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