第6話:小さかったあなたへ
「もう良い」
裁判官が処刑人を呼んだ。
「女はこうやって作り話で同情を買おうとする」
急に腰縄を持っていた警察官が縄を解こうとした。
エバは振り返った。
腰縄を持っていた警察官は、他の警察官や刑務官たちに押さえつけられているが、必死にエバに向かって手を伸ばそうとしていた。
エバは他の刑務官によって座らせられた。
そして、エバは見た。自分に向かって手を伸ばす、その警察官の顔を。
「大きくなったね!」
エバの声が響いた瞬間、処刑人の斧が振り上げられた。
最期の瞬間のエバの表情は、大輪の花のような美しい笑顔だった。
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◼️補足:
◇ルイは約束を守って誰にも言いませんでした。
レストランの場所や身なりなどから、警察や施設では良い対応をしてもらっています。
ルイはずっと母親に捨てられたと思って生きていました。
一時的には恨んだこともあったし、大人になって母親がどういう仕事をしていたのか分かるようになって嫌悪することもありました。
でも思い出の中の母が自分を捨てるようにはどうしても思えなかったのです。
「ママはどうして僕を捨てたの」
それが聞きたくて警察官になりました。
母親を探しやすいと思ったからです。
最後に、やっぱり母はルイを捨てていなかったことが分かりました。
◇マルタは海外に亡命して長生きしています。
基本的には善人です。
ただ娘同然に接してきたエバが、自分たちを苦しめている、食神の民でない子供を育てていたことで、裏切られたような気になってしまいました。
マルタの息子たちが内戦に関わっていて、連絡が取れていなかったこともあって、特に気に障ってしまいました。




