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ライフモバイルユニバース  作者: 宅間晋作
一章 白虎同志
7/14

遭遇

「……ここはどこだ?」


 アムズは意識が朦朧としながら目を覚まして辺りを見回す。

 だがどこを向けても岩の瓦礫でよく見えない。


「ライッツオ様! ライッ!?」


 ライッツオを探すが姿が見えず背後を見ると大きな岩があり、その岩の下が血で赤く染まっていた。


「う、うぉえ」


 ライッツオの体が瓦礫の下に埋もれてしまった事を理解してアムズはその場で胃液をぶちまけた。


「そ…….んな。 嘘だ。 嘘だ!」


 アムズは思わず発狂する。

 こんなはずではなかった。

 死ぬのならば何故自身が先ではないのだろうか。

 人間の自分はすぐさま死ぬべきで、種族としても知恵も才能もあるモバイルとしてライッツオの方が何故先に死ななくてはならないのか。

 その矛盾がアムズの心を蝕んだ。


「っ!?」


 すると背後から蠍の尾の様なものが飛んできた。


「魔獣か!?」


 背後を振り向くと白い髪に黄金の瞳をした人影が現れた。



「うぅ。 あぁぁぁぁ!」


 人影は吠えると手を熊の手のように変化させてアムズを握り潰そうとした。


「チッ!」


「あう!?」


 それをアムズは回避して手の平から雷魔法を人影に向けて電流を流すと気絶した。


「はぁはぁ……ぜぇ。 これって野良のモバイルなのか?」


 アムズは近づいて見ると人影否モバイルは全裸であり、生殖機能が全くついていなかった。


「……デザインを固定していないのか? それとも……捨てられた?」


 生まれて初めて見るデザイン固定をしていないモバイルを見てアムズは戸惑った。


「あう! あう! ぐぅるるる」


 すぐさまモバイルは目を覚ましアムズを警戒した。


「……あーいやぁ俺は敵じゃない! 俺の名前はアムズ! 人間の先祖返りだ! お前の名前は?」


「うう?」


「……まじか言語が分からないのか?」


「あう! わるぐぅ!」


「……とりあえず言語を覚えさせるか」


 ため息を吐いてアムズは目の前のモバイルに言語を覚えさせる事にした。


まるで獣に言葉を覚えさせる様なものだった。


「えーとあーうーえーお」


「うがぁぁぁぁ!!」



 自身が教えると言っても目の前のモバイルは言う事を聞かず体を変化させて犬や猫、ネズミ熊などになってアムズを食い殺そうとする。

 衝動的に刹那的に暴力的に。

 ただアムズが何を言ってるか分からない、目の前の人間が怖いと言う理由だけで。

 アムズとて分かっている。

 目の前にいる自身はモバイルにとっては未知であり恐怖だ。

 いくら言葉を掛けようが相手が納得し、落ち着いてリラックスして危険ではないと教える必要がある。


「まぁ落ち着つけって」


「あうがるぅ!」


「……しょうがない」


「きゃん!?」


 暴力で屈服させ、覚えるさせるのも一つの手だったがアムズは脳内に浮かべる育ての母とも言えるレイネアが自身にそんな事をしたかと自問自答して暴力で覚えさせる事はやめにした辛抱強く言葉で説得する事にして本当に死にかけた時にだけ電撃魔法をぶち込んでちょっと気絶して貰った。



 話は脱線するがアムズが敬愛するレイネアは目が見えなかった。

 モバイルのデザイン固定で盲目になったのではない生まれつきだったらしい。

 そんなレイネアの事を、育ての親は捨てたとライッツオはまるで呪詛を吐く様に言っていた事を思い出す。

 性別も容姿も自身でデザインを決める事が出来、長寿なモバイルそれでも体のデザインと性別を積み木やパズルの様に組み替えていくと、どうしても細胞の劣化が始まり寿命が短くなるらしい。

 なのでなるべく十二歳くらいになったらデザインも性別も固定しておく事が大事だとリビトもハリネもライッツオも言っていた。

 年をとっても老いというのも決められるらしい年齢を司る細胞を劣化させて少しずつ老いさせる事も、全く老いさせない事も出来る。

 人間のアムズにとっては神様みたいなその能力は羨ましいと思ってしまった。

 そして内心なんで自分はモバイルではないのだろうかと言う自己嫌悪が胸に広がる。


「う、うぅ。 きゃんがぅるるる!」


 すると目の前のモバイルが狼に変身そして肩に噛み付いて殺そうとしてきた。


「……何度でも俺はお前と向き合うぞ」


 そう言ってアムズは目の前のモバイルと肉体言語と言葉を交わすべく戦闘を続けた。

 



 

 








 

 




本作のヒロインやっと登場!

この襲撃してきたモバイルが本作のヒロインです。

レイネア様はお母さんで、ハリネはアムズにとってはお姉さんの認識なので恋愛感情はありません。

家族愛があります。

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