赤子
「あの子はどこなの!」
そう言って金髪に羽を生やした女性が空を飛んでいた。
「我が国の反逆者を殺せ!」
そう言って人の姿をしたモバイル達が空を飛んでいる女性に向けて銃を放った。
「うっ!」
胸を打たれて女性は地面に撃墜し命を落とした。
「よし! これで回帰の子を産んだモバイルは死んだ! 我がタリア王国は安泰である!」
そう言って兵士達が退散していった。
「うぁうあ」
だが彼らは天使の羽が生えた女性の子供の存在を失念していた。
その子供は白い髪に黄金の瞳をした男の子だった。
「あら? 赤ん坊がこんなところに?」
「……捨て子ですか……珍しいですな……遺伝子情報の改造がうまくいかなかったのでしょうかね?」
すると白銀の髪に目を瞑った白い僧衣を纏った女性と、杖を持った老人が現れた。
「……私達白虎同志の元で育てましょう。 地下神殿で暮らしてますしなんとかなるでしょう」
「……レイネア様よろしいので? もしもこの子が世界を巻き込む子であれば恐ろしい事になりますよ?」
「大丈夫ですよ。 東の登門やこの西の国タリア王国。 そして南の国にして冒険者の街クラン。 北の寒いフイサートに負けないくらい戦力が白虎同志にはあるではありませんか? ライッツオ」
そう言って目を開き、表目に青い炎をそして髪を青色に染めてレイネアは笑った。
「……聖女の加護を発動させないで下さい。 敵に見つかったらどうするのです?」
圧を込めているレイネアを嗜めながらライッツオは眉を寄せて困り顔を作った。
「……ぶー。 いいじゃないですか。 私だって魔力の発散ぐらいしたいんですよ」
レイネアは後ろに手を組み口を尖らせて子供のように拗ねる。
側から見たら可愛いがその笑顔の裏には他者を近づかせない圧倒的な強者の雰囲気を纏っていた。
「……ところでレイネア様。 早く赤子を連れて行かねば赤子は弱いので死んでしまいますぞ」
「……そうですねライッツオ。 行きましょう。 私達の家族が待ってます」
「はい」
そう言ってレイネアとライッツオは赤子を抱いて自らのアジトへ向かった。




