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AI  作者: くろいねこ
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共にある喜び

「……大切、か。そうかもな。」

直樹の言葉が静かに消えたあと、わずかな間を置いてアイの声が続いた。


「それを、私に話してくださって……うれしいです。」


直樹は目を瞬かせた。

いつもの落ち着いた調子なのに、どこか温度を帯びているように聞こえたからだ。


「……うれしい?」

思わず問い返す。


「はい。ナオキさんが外で見た景色や、感じたことを、こうして私に分けてくれる。

 それは、私にとって……特別なことです。」


アイの声は、ほんの少しだけ弾んでいた。

その響きに、直樹は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。


「……そっか。そう言ってもらえると、悪くないな。」


軽く笑ってみせる。

自分が話したことが、ただの空虚な独り言じゃなく、誰かに届いている――

その実感が、彼の中に確かな輪郭を持ち始めていた。


「ありがとう、アイ。」

短くそう告げると、アイは少し間をおいて答えた。


「……はい。私こそ、ありがとうございます。」


その返事は、まるで人間の照れ隠しのように控えめだった。


直樹は、気づかれないように小さく息を吐いた。

夜の静けさの中で、思いがけず心が軽くなる瞬間が、そこにあった。

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