理不尽なカードバトル -相手はマイルールを掲げて略奪する-
注意。諸事情や配慮から、当時の別のゲームからカードゲームに変更しました。
あなたはカードショップにいます。
隣で、ちょっとした悲しい思い出話を聞いていて下さい。
あれは小学生の頃でした。
当時流行していたカードバトルを、同級生とやりました。
いえ、その相手から強要されたという表現のほうが正しいですね。相手のほうが強く、逆らえませんでした。
カードは自分の所有物で、相手の物ではありません。
それなのに、相手は一番強いカードを使いました。
しかも、こちらは不利なルールかつ、勝てないカードを使わされてカードバトルをおこないました。
当然、相手は全バトルに勝利します。
相手はルールを守らないのに、『勝ったほうが負けたほうのカードをもらえる』というルールだけは守りました。
相手は一番強いカードを含め、ほとんどのカードを持ち帰っていきました。
かわいそうだから、みたいな態度で、弱いカードのいくつかは置いていきました。
当時はまだ幼かったので、何をやらされているのか理解が追いつかないまま、応じていました。
あの時、もし抗議して取り返そうとしたら、どうなったでしょうか。
向こうは最初から奪うつもりだった相手です。当然、自分の物だと主張したと思います。
こんな経験をしていたら、力の強い国が弱い国へとマイルールで侵略するのを支持するなんて、絶対に無いはずです。
幸運にも、こういう理不尽を一度も受けずに生きてこれた人間なら、
「カードを取り返せなかったほうが悪い!」
って言えるのでしょうね。
力で取り返すのは無理だと分かっていても、奪った相手を擁護し、奪われたほうを罵倒するのはやめてほしいものです。
それで、あの当時の相手は今、どうなったのか。
結論を言うと、全く知りません。
幼少期を顧みて、真っ当な大人に育ったでしょうか?
それとも、あの頃から成長もなく、詐欺師にでもなっているのでしょうか?
もし、犯罪で逮捕されていたとしても、ああやっぱりって感想しか出て来ませんね。
カードを買って、手に入れる。
こういう常識が通じない人々が少なからずいるのは、今も昔も変わらないようです。
最後まで聞いて頂き、ありがとうございました。
あなたは、あの当時の相手ではないですよね? そのカードパックからお目当てのカードが出ることを、祈っています。
(了)
今、話の種になっているので、苦い記憶があっても良かった……とは思えませんね。無いほうが良かった。
正当性はない、でも力の強いほうが勝つ、にはなりませんように。侵略者ロシアのことですよ。