1/3
1 裏切り
腹心に裏切られ、どん底に落とされた王女。
だけどそれは彼の最後の忠誠だった。
☆
美しい王女。
私の王女。
国かあなたの命か。
私はあなたの命を選択した。
浅ましい男。
それがどうしました?
時期に王国は滅ぶ。
その時、あなたは矢面に立ち処刑だ。
その前に王を廃し、王国を滅ぼす。
あなたの命は助かり、私のものになる。
☆
彼の思いを聞いて、元王女は胸を押さえ、涙を流した。
彼女の父は、王として最低だったかもしれない。
しかし、父なのだ。
娘として、最後の王族として、運命を共にすべきだった。
その機会を、彼女が最も信頼していた腹心が奪った。
元王女は、軍人であり、総司令官でもあった。
彼女には責任を取る覚悟があり、処刑されることを願っていた。
王の、父の間違いを償うために。
しかし、彼が奪った。
国を、彼女を裏切った彼は最低な男だ。
しかし、彼女は彼を嫌いになれない。
そんな自分が惨めで涙が止まらなかった。