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ジジイの異世界記  作者: パパちゃん
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宇宙編4

宇宙の旅に出発する。

サーシの連れて来たリンガイアの技術者が優秀だったのと、将達の頑張りのおかげで予定通りブラックペガサスの改修作業は終わった。


ドラグーンとゴーレム竜人を積み込み亜空間収納していく。

ゴーレム竜人は竜機と名を変えた。

アモンとザマが集めた勇士達100人が並ぶ。

魔王の横にはエルザ、トキ、アコ、シオリ、サーシが立っている。

見送りには、愛、リリ、ルルシュ、エカテリーナ達が来ていた。


「おじい様、気をつけて…」


愛が心配そうに声を掛ける。

リリやルルシュと別れのハグをする。


「魔王様、すみません…」


なぜか? エカテリーナが謝っている。

別れを済ませてブラックペガサスに乗り込む。


「既婚者は駄目だと言ったが…」


将とザマだ…


「僕がいないと宇宙戦艦に何かあったときに困るよ?」


将が当然とばかりに呆れた顔をする。


「自分は大丈夫です!」


ザマは決意の表情をして答えた。

2人とも意思が固い。仕方がなく、そのまま発進する!

新しいエンジンはマスドライバーがいらなかった!

その場で浮き上がり加速していき大気圏を突破していく…

大気圏を抜ける!


「宇宙キター!」


魔王は両腕の拳を突き上げ叫んだ!


宇宙に出て数時間後、ブリッジでアモン達と雑談していると…


「魔王様! 密航者です」


船員の1人がブリッジに現れて報告した。


「なんだ、密航者って? 漫画かよ!」


魔王は突っ込む! 密航者を連れて来させる。

密航者はナオトとストーカーズだった。


(それでエカテリーナが誤っていたのか…)


「魔王、聞いてくれ! 宇宙に行くのは僕の夢だったんだ!」


ナオトが熱く語る…


「だからって、密航するなよ…

これから何度でも宇宙に行くチャンスはあるだろうに…

ガンガイアの護りは誰がするんだ…」


魔王は呆れる…


「「すみません」」


セシリーとマーリンが謝る。

戦力的にこの3人が抜けたところで問題はないが、他の者に示しがつかない…


「まあいい、今更戻れん! 罰は愛に考えてもらう!」


魔王に言われて3人は安堵の表情をするが…

シオリンは「げっ! オバちゃんズ…」と嫌そうな顔をしていた。

宇宙の旅は順調だった。座標はリンガイアの者が教えて誘導してくれている。


「宇宙、綺麗ですね」


エルザが星の海を眺めて感動している。

ナオトもガラスに貼り付いて見惚れている。

リンガイアの宇宙船、キャッスルから連絡がはいり。

2隻同時に長距離ワープをする。

ワープアウトすると目的の星、サンガイアが目の前に現れた!

サンガイアに対しての入星許可の取りかたが解らずに

無許可で大気圏に突入する。


シオリンからの情報だが、

敵は大陸の一部を占領していて拠点を構えている。

侵略は余裕なのか? 遊んでいるのか? 気が向いたときに攻めてくるとのこと、親玉のギドラもそこにいるはずだと説明した。


シオリンの記憶を頼りに望遠で見た地形と照らし合わせて敵基地から遠い森の中にブラックペガサスとキャッスルを降ろした。


「とりあえずだ! 俺はトキとこの星の神に会ってくる! シオリンは、この星の王に俺達が戦う事を伝えて来い!」


シオリンの護衛にはセシリーとマーリンのオバちゃんズを同行させる事とした。

2人とも優秀で交渉事などはそつなくこなしてくれるはず。

ブラックペガサスとキャッスルには待機していてもらう。


甲板に出てトキがドラゴン化する!

目立つので小さめの姿だ。エルザと2人で黄金龍の背中に乗り飛んで行く!

シオリンやキャッスルの乗務員はその光景を見て驚愕する事となった。


さすがは時空竜、この星の神の園を直ぐに見つけた。

そこは、ガンガイアの神の園に似た場所だった。

神殿に行き門番の天使に会う。

美しい天使だった。

天使エムエムが神界の扉を開く。


(ガンガイアの導者よ、良く来てくれました。我が民に、あの者達に対抗する手段はありません…)


(ああ、ガンガイア神にも頼まれている。それは心配しなくて良い)


(よろしく頼みます…)


言葉の後に魔王とエルザ、トキの身体が光り輝きサンガイア神の加護を得た。


ブラックペガサスに戻ろうと神の園を出る。


(魔王様ー! ちょっと来ていただけますか?)


マーリンからの念話だった。


(面倒事か?)


(はい…)


「マーリンから連絡があった。面倒事らしい!」


トキに伝えると…


「任せとけ!」


トキが3人を感知して50mの黄金龍となり全力で飛ぶ!

人里があろうが関係なしに飛ぶ!

その姿を見た者はパニックになっているだろう…

王都らしきところに入る。

ギリシャ神話の神殿風の建物に横付けする!

魔王はトキの背中から飛び降りる。トキも竜人の姿となる。

神殿を護る兵達が騒然としているがお構いなしに進む!

するとマーリンが前からテケテケと歩いてくる。


「お待ちしていましたー」


「なにがあった!」


魔王は声を荒げる!


「ここの王様が、導者様に会わせろとの一点張りで…

今、セシリーが相手をしています」


戦っているのか? と思い先を急ぐ。マーリンの案内のまま神殿内を進み広間に出る。


「おお! 導者様!」


1人のゴツイおっさんが駆け寄り膝をつく。


「何者だ?」


「サンガイア王国、統一王、ジジでございます。

導者様お会いしとうございました!」


熱苦しい挨拶を受ける。

ザムドを倒した導者の名は宇宙の各星にまで広まっている。

導者はかなり有名で、その姿を見た者は無く、英雄伝がでっち上げられて美化されまくっていた。


魔王の1番の信者と言い切るセシリーの話を熱心に聞き、どうしても会いたいとごねたらしい…

巨大な黄金龍に乗り現れた姿は、まさに伝説と窓から眺めて泣いていたという…


(勘違いも甚だしい! 俺は英雄じゃなくて、ただのジジイだ!)


魔王は思うが言える雰囲気でもなく話を聞く。

ジジの話にたっぷりと付き合い、ジジにギドラ達と戦う事を伝えてブラックペガサスに戻る。

当然のようにジジと10人の護衛が付いてきた…

ジジは気さくな王で、リンガイアの姫とざっくばらんと話をしたりしていた。


キャッスルには待機していてもらいたかったが…

サーシが付いて行くとごねる…

キャッスルはただの宇宙船、ブラックペガサスは戦闘艦、その違いを説明するが納得してもらえなかった。

2機で敵地に向かう。もちろん先行はブラックペガサスだ!


「魔王様、敵地、目視できます!

敵機、魔獣、飛びたとうとしています!」


「魔導カノン、発射!」


魔王の号令で次々と魔導カノンが発射される!

ドシューン! ドシューン! ドシューン! ドシューン! シュルルルルー! 魔導カノンが敵を吹き飛ばす!


「ドラグーン全機、竜機5千機発進!」


ドラグーンがフォーメーションを組み戦艦を護るチームと攻め込むチームに分かれる。

ザマ率いる特攻隊は竜機を従え先行して基地をを攻撃していく!

空に複数の次元の扉が開き魔獣が溢れ出す!


「魔王部隊、出撃!」


50人の魔王が溢れ出る魔獣を駆逐していく。


「なあジジ! あの魔獣はザムドの魔獣ジャミールと同じだと思うが…」


魔王が聞く。


「はい、ギドラはザムドの遺産を見つけて手に入れて急速に力をつけた宇宙海賊の1人です!」


見慣れた羽の付いたジャミラのような魔獣が溢れかえっている。


「魔王様! 上空から敵戦艦が降りて来ます!」


その戦艦を一眼見て魔王は心を奪われる…


「あれは俺の物だ! 誰も攻撃するな! 全員に伝えろ!」


「はっ!」


通信班が全ての者に手出し無用と魔王の命令を伝える。

目の前で敵戦艦が止まる。

それは宇宙海賊船だった!


「トキ、あれが欲しい。収納出来るか?」


「ああ、妾なら乗員ごと収納可能だ」


「いや、乗員はその辺に捨ててくれ」


そのとき船から1人飛び出して来た!


「あれの収納頼むな。くれぐれも傷をつけないでくれ!」


魔王はトキに頼み、男の前に転移で移動する。


「誰だ貴様!」


「誰でもいい、お前がギドラか?」


「ギドラ様は留守だ!」


「何処へ行った!」


真実の言霊を使う!


「先程、リンガイアに向かわれた」


口を押さえてビックリしている。

そのとき、宇宙海賊船がフッと消えた!


「船を何処にやったー! 大事なギドラ様の船だぞ!」


「海賊船、ゲットだぜー!」


魔王はサムズアップして叫んでいた!


「頂いたお礼だ。お前達の憧れのザムドの技で倒してやろう」


「なにー⁉︎ まさか、導者とか言う…」


その男が言い終わる前に…


「破滅の光り!」


右手から暗く輝く光が放たれる。

名も知らぬ海賊船をくれた男が消滅して消える!


「さて、門を閉じるか!」


魔獣が出てくる門に手を触れてスーパーノヴァを放つ!

次元の向こう側で物凄い爆発をする。

その爆発は次元を超えて、この星にも伝わってくる。全ての門が連鎖的に吹き飛ぶ!

その間に魔王軍は敵基地をサーチして奴隷や捕虜を次々と救い出す。


「暴れ狂え! ライオット!」


紫電が広範囲に広がり基地を破壊していく!


「ヘルファイア!」


黒き地獄の炎が基地全体を焼き尽くす!


転移でブラックペガサスのブリッジに戻ると、ジジとシオリンが口を開けたまま呆然としている。


「魔王様! 殲滅完了です!」


各部隊から連絡が入る。


「皆、帰還しろ!」


各部隊がブラックペガサスに続々と帰還する…

再び3つの門が開き、3人の超兵モドキが現れた!

ギルドの子分が魔人化したものだった。


「遅いわ! メテオ!」


魔王はブリッジの中から唱える!


3つの巨大な隕石が大気の摩擦で焼かれ火を吹き落ちてくる!

超兵モドキは隕石に押し潰され消滅する!


「ブラックホールカノン!」


黒い玉が高速で飛んでいき門に触れるとブラックホールが発生して3つの門は吸い込まれ次元の彼方に飛んでいく。

しばらく待つ… 新手が現れ無い事を確認し先程の森に戻る。

助けていた人達が待っていた。


「導者様はこれほどか!」


ジジが息を呑む!


「いえいえ、こんな物ではありません!」


セシリーが自慢げに言い、1つの魔導具を手渡す。


「ジジ様、それを刮目すると宜しいです!」


魔王のダークやクリン、ザムドとの戦いの映像だった。


「さてジジ、名残り惜しいが、次に向かう。ここでお別れだ」


「なぜ? 祝杯をあげねば!」


ジジが困った顔をする。


「ギドラがリンガイアに向かった。大惨事を起こす前に退治しなければならん」


魔王が説明すると、


「じゃあ、ワシも連れて行ってください!」


その場の全員が困惑する…


「あんた、王だろう? この星をこのままにしていいのか?」


アモンが正論を言う。ジジが泣きそうだ…

護衛の1人が口を挟む。


「王と言っても飾りみたいなものです…

留守の間は子供達や私達がなんとかします。連れて行ってください…」


10人の護衛が並び頭を下げる…


「わかった、預かろう…」


ジジと4人の護衛を預かり、その場を後にして飛び立つ!


「次は、いよいよリンガイアですね…」


「サーシ、何故お前がこの船にいる…」


「だって楽しそうじゃないですかー!」


(コイツはアコのあざとさとルルシュのポンコツを兼ね備えたハイブリッドだ…)


魔王が失礼な事を思っていると…


「ええいっ! ぽちっ!」


テンションが上がったサーシが何かを押した…


「バカ! ワープにはまだ早いーー」


将の絶叫と共にブラックペガサスは消えた…


「星の重力に引っ張られています!」


ワープアウトすると、何処かの星の重力下だった!


「降りて! 踏ん張ると船が痛む」


将が叫んでいる!


「おい、ポンコツ! ここはお前の星か! 神罰!」


「いたっ!」


しゃがみ込み足の指を抑えるサーシ。


「ポンコツって酷いです!」


サーシはほっぺを膨らます。


「すみません! すみません! うちの姫が、すみません!」


お付きの侍女達が慌てて駆け寄る。


「どうして姫のあだなを?」


侍女の1人が不思議な顔をして聞く、


「俺の国のポンコツとそっくりでな… それよりもこの星は?」


魔王は説明しながら場所を聞く。


「只今調べます… あっ! 竜王の星です…」


サーシが泣きそうな顔をしていた…


「竜王の星…」


ジジも驚愕の顔をしている…

そんなジジが説明してくれる。

この辺りの星々の間では不可侵領域となっている。

太古の昔より生き、破滅と恐怖の象徴、竜王の住む星。

この星に降りて生きて帰った者はいない。

危険度Sの星との事だった。


「導者様、さっさと脱出しましょう!」


ジジが焦っている。


「手遅れだ。向かって来る」


魔王が言うと、セシリーがジジの肩に手を置き「伝説の目撃者になれますよ!」と、訳の分からん事を笑顔で言っている。


「さてやるか…」


魔王はブリッジから甲板に出て歩いて行く。

トキが付いてくる…

60mはあるだろうか? 紫色の巨大なドラゴンだ!


「お前が竜王か?」


「そうだ、良いメスの匂いがしたから呼んでやった!」


「お前がワープを邪魔したのか…」


「そのメスを置いていけ、見逃してやる」


魔王は返事もせず竜王の顔の前に転移して、ぶん殴る。

超神剣ジェネシスを抜き羽や手を斬り落とす!


「サンダーブレイク!」


紫電が落ち!


「シャインボール!」


ボロボロの竜王を光の玉が包む!


「スーパーノヴァ!」


超新星爆発が起き!

結界越しに振動が伝わってくる!

結界が消えると竜王が落下して倒れる!

トドメだと首を斬り落とそうとしたとき…


「王よ待ってくれ!」


トキが止める。


「竜王とやら、王は強いじゃろう? 妾が頼んでやる。配下になり竜人として生きろ!」


トキが説得すると、


「ああ、手も足も出なかった。一方的にやられたのは初めてだ… 王に従おう…」


竜王は初めて自分より強い者と出会い己を知った…


「まあ、トキが言うなら… 竜王、お前に加護を与えよう」


超神剣ジェネシスが癒しの光を放ち竜王の傷が癒えて回復する。

竜王に加護を与えると光り輝く、その光が消えると、そこには1人の竜人の姿があらわになり、跪き忠誠を誓った。

魔王はマントを羽織らせる。


「サダハルと名乗るが良い!」


トキとサダハルをつれてブリッジに戻る。


「皆、紹介する。竜王のサダハルだ! 今日から仲間だ!」


皆に紹介してサダハルも皆に挨拶をしている。


「意外とちゃんとした奴じゃないか! トキは解っていたのか?」


魔王は少し驚いている。


「ああ、だいぶ瘴気にやられておった。

加護を与えればなんとかなるかと思ってな…

それに、奴から酷い孤独を感じたのじゃ… その辛さは妾が良く知っておる。なんとなく助けたくてな…」


トキが説明した。


「お前、優しいな…」


「王ほどでもないけどな…」


一応、サダハルに聞くと、この星に思い入れも未練も無いとの事だったので、さっさとリンガイアに向かう。

全てを見届けたサーシとジジがセシリーと話しをして盛り上がっている。

着々と魔王信者が増えていっていた…


宇宙に戻り、座標を計算し直して再びワープ!

今度は成功したようだ。

眼下には地球に似た青い星が輝いていた…

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