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ジジイの異世界記  作者: パパちゃん
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時の旅人、ドラゴンの巫女3

「お2人は大丈夫でしょうか?」


マールが心配する。


「何がじゃ?」


トキが聞く。


「マールは、お前らが魔神竜や魔神鳳凰の配下になるんじゃないかと心配しているんだ」


魔王が説明する。


「巫女、王の加護を持つ妾達は最強じゃ! 魔神など王にとっては、とるに足らない敵じゃ…」


トキが笑う。


「奥様、魔神など、私でも倒せますから安心してください」


オオトリも言った。


「なんなんだ、あんた達は…」


どこかの国の太公が口にする…


「もちろん魔王様の配下です」


オオトリが満足そうに答える。


「この星を助けてくれ!」


「星なんかどうなろうと知ったこっちゃありません。

私は魔王様の敵となる者を排除するだけです。

魔神竜だろうが人間だろうが容赦なく消滅させます」


オオトリは冷たい顔で男を見た…

どこかの太公は震え上がっていた…


「ほら、オオトリ、止めろ…」


魔王は呆れて止めた。


「やれやれ… オオトリはドラゴン相手にムキになるなよ? お前の攻撃の余波だけで、近くの国は灰と化すからな…」


魔王が注意すると…


「そうじゃぞ、オオトリ?」


トキもノっかる…


「そうじゃぞ、じゃない、トキ、お前も鳳凰相手にムキになるんじゃないぞ? お前ら2人がムキになると、ドラゴンや鳳凰だけじゃなく、星、そのものが消滅するからな…」


魔王に言われトキとオオトリは渋い顔をした。

それを聞いていた各国の代表達は青い顔をしている。


「あの、先程言われたように、王制度、貴族制度、奴隷制度を廃止して民主主義となれば、属国として守っていただけますか?」


どこかの女王が手を挙げて聞いた。


「まあな…」


魔王が興味なさそうに返事をする。


「条件をのみ、魔王様と奥様の庇護下に入れば守られますが…

魔王様は騙される事がお嫌いです。

そして、魔王様は真実の言霊といった能力を持っていて、魔王様の前では神ですら嘘をつく事ができません…

よく考えた上で庇護下に入りなさい。

言っておきますが、魔王様を怒らせると、この星など一瞬で吹き飛びますよ」


オオトリが説明して脅す。


「魔王様、ほんとうに星を一瞬で?」


マールが不安げに聞く。


「ああ、超新星爆発スーパーノヴァと言った魔法で吹き飛ばせる。見たいか?」


「いえ、見なくて結構です…」


魔王が悪びれる事なく説明する姿に納得して、マールは目を逸らし呟くように答えた…


「とにかくだ… いや、その魔神竜やら魔神鳳凰が来たな…」


魔王が何かを言いかけたとき、大きな魔神力を感じて口にする…


「なら、妾の出番じゃのう?」


トキが嬉しそうに笑う。


「私も行ってまいります」


オオトリも嬉しそうだ。

2人はバルコニーに向かう。

魔王も立ち上がり付いて行く、そのあとをマールや他の者達が付いて来る。


2人はバルコニーに出ると、城の上空に浮き上がり龍化、鳳凰化しながらトキはドラゴンの群れに、オオトリは鳳凰の群れに向かって行く。


「お主ら静まれ!」「貴方達、やめなさい!」


トキとオオトリがそれぞれ同族を説得する。


「グオオオオー!」「キィィィィー!」


魔神竜と魔神鳳凰がブレスと光線を吐き、トキとオオトリを攻撃する。


「誰です! お姉様を攻撃するおバカさんわ! キィィィィー!」


北の空からオオトリにそっくりな鳳凰が飛んで来て光線を吐き、魔神鳳凰の攻撃ごと魔神鳳凰を飲み込む!

ズガガガガーン!

物凄い爆発が起こり、マール国は爆発の余波に巻き込まれそうになる。


「魔神域!」


魔王が咄嗟に結界を張る!

閃光や爆風は結界に阻まれてマール国は無傷だった!


「この気配は王なのか? 助け立ち致す! ガァァァー!」


西の空からアルティメットドラゴンが現れてブレスを吐き、魔神竜が吐くブレスごと飲み込み大爆発が起きた!

その2つの爆発はほぼ同時でリュウ星が震えるほどだった。


「コトリにガイか懐かしいな…」


魔王はほのぼのとした顔で空を眺める…


「あの2頭も魔王様の配下ですか?」


マールは冷静に聞くが…

城の者や各国の首脳陣は、黙示録のような光景を目の当たりにして、世界の終わりを覚悟した…

そして、マール国の民も同じ感じだった。


「マールの民よ、安心するが良い、ドラゴンと鳳凰の群れと戦っている4頭は俺の配下だ… そして、この国には俺が結界を張った。

たとえ、この星が砕け散ったとしても、この国だけは無事だ…

星が消滅したら他の星に移住させてやるから安心しろ…

まあ、他国の者は生き残れないが、何、星が砕け散るのは一瞬だ、痛くも痒くもない…

全ての生命は輪廻の輪に戻る。

徳を積んだ者達は、また、この宇宙の何処かの星で人として生まれ変われるだろう…

徳の低い者も虫ぐらいにはなれるだろう…

ちなみに、今、ここに集まっている各国の首脳陣は…

そうだな、そこの女王は人になれるが、あとは動物か虫だな… それすらなれないヤツもいるがな…」


魔王はどこかの王を指差した…

刺された王は腰から崩れ落ち涙を流した…


魔王はその声と映像を魔法で星の人間全員に見せて告げた。


「ラール、そんな顔をするな、俺の身内だ… 残りの人生、マールを手伝い、より良い世界に導け、さすれば徳も貯まり再び人に転生出来る…

まあ、人に転生出来るからと言ってもそれが幸せかどうかは解らんがな…」


魔王はラールに向かって告げると、ラールは跪き首を垂れた…


「あの、母は…」


マールが心配する。


「俺の母でもある。可愛い子犬ぐらいになれるように、この宇宙の全能神にかけやってやる…」


魔王は目を逸らして呟く…


「子犬なんて嫌です…」


マールの母、マルルが泣きそうだ…


「冗談だ… ほら、そんな顔をするな… これからの生き方でどうとでもなる。

マルルもマールを助けてやれ…」


魔王はそっとマルルを抱きしめる。


「ちょっ、母を抱きしめないでください…」


マールが怪訝な顔をする…


「母だから良いだろう? それに俺、熟女好きでタイプなんだ…」


魔王は目を逸らして呟く…


「あの、なら、私、ラールと別れて側室に…」


マルルは満更でもない。


「ワシにも異論はございません」


ラールは悟りを開いたのか? 聖人のような清んだ顔で言った…


「ちょっと! 魔王様もお母様もお父様もやめてください!」


マールはムッとしている。


「冗談だ… なんか今の感じがマールらしいぞ? 俺に対しての緊張がとれたようだな…」


魔王は満足そうな顔でマールを抱きしめる。

マールは赤い顔で頷いた…


「あの、魔王様、それどころではないのですが…」


マール王国大臣のカール太公が困った顔をして空を見上げる。

辺りの山は吹き飛び、湖は蒸発し、森は火の海だった! 無傷なのはマール国だけで、戦闘は空中を飛び回り移動しておこなわれ遠く離れた国々にも相当な被害を受けていた…


「そういわれてもな… 俺、関わりたくないし、おい、そこの徳の高い女王、俺の庇護下に入りたがっていたな…

民主主義になるのならお前の国にこの国と同じ結界を張ってやるぞ?」


魔王が提案すると、その女王が魔王の前まで行き跪く。


「はい、王制度、貴族制度、奴隷制度を廃止して、民主主義となります。

逆らう者がいたら処分してくださって結構です。

私は忠誠を誓います」


女王は深々と頭を下げた…


「そうか、お前は巨乳だしな、加護を与えてやる」


魔王が手を翳すと、女王は光り輝く!


「ちょっと来い…」


魔王は女王を呼び抱きしめる。


「魔王様! もう浮気ですか!」


マールが声を上げる!


「いや、こいつの国の場所が解らなくてな… おい、自分の国の場所を思い浮かべろ」


魔王が女王に命令してデコを付ける。


「魔神域! からの強制転移!」


魔王が叫ぶと、マール国王都の隣りに一つの国が転移して現れる!


「「「「「「はあ⁉︎」」」」」」


その場の全員が変な声を上げた…


「いったいこれは…」


カールが戸惑いながら聞く。


「うん? 星が砕け散るときとかに近いほうが救いやすいだろう? 

なんなら一つの国にしてしまえばよい…

今までもこういった事はよくあった…

俺の行った星は100%妻が世界女王となり一つの国家となる。

人に上下もなく、亜人も人として認め差別もない平和な世界となる。

まあ、中には頑なに反抗する国もあるが、衰退して消滅していたな…」


魔王が教えた…


「はい、マール国に吸収で構いません。私も側室に…」


女王の顔が赤い…


「この星の運命の妻は私だけですから、側室はもらいません!」


マールがピシャリと断る。


「なら、愛人でも…」


女王がマールに聞こえないように耳打ちする。


「駄目ですから!」


マールがキッと睨んだ!

そのとき、辺りが静かになる…

すると…


「魔王様、ご無沙汰しております」


ガイがトキと戻り挨拶する。


「魔王様、再び会えて光栄です」


コトリもオオトリと戻り挨拶する。


「ああ、俺もお前達に会えて嬉しい…」


魔王は順番に抱きしめた。


「駄目じゃ、奴ら全くもって聞く耳を持たん…」


トキは呆れて顔を左右に振る。


「鳳凰は賢い種族なのに… 魔神にのまれるとは嘆かわしいかぎりです…」


オオトリもガッカリとする。


「まあだが、俺は星の子を殺したくはないんだがな…」


魔王も困っている。


「はい、もう少し、私達が頑張ります。そして、どうしてものときは私が処分いたします…」


オオトリが小さな声で答えると、トキも頷き同意する。


「そうか、まあ、俺も何か考えて見る… ガングル、二国にソウソウゴーレムを配備して防衛の準備をしろ」


魔王は考えながらグングルに指示を出す。

マールが不思議そうな顔をする。


「人という生き物は、己れの欲望を抑えられない…

この国だけが安全だと知ると、野心を持って近づくやつ、そこを侵略しようとする者とさまざまなんだ…」


魔王がガッカリとして説明する。


「魔王様の配下の圧倒的な力を見てですか?」


マールが不思議に思う。


「鳳凰やドラゴンより強いとわかっても、言葉が通じる人間だと思うと…

マール様を誘拐して人質にして魔王様に言う事を聞かせよう。弱みを握り奴隷術をかけよう…

連合を組んで戦い、数の暴力で屈服させよう…

人はありとあらゆる方法を考えて実行しようとします。

そもそも、神にすら会えない人間が神を従える魔王様に何をやっても通じる訳がないと解らない事が不思議なんですが…」


オオトリが説明して呆れる。


「あんた達、国に帰ったら伝えろ。魔王様のソウソウゴーレムは一体一体が勇者より強い。それが何十万、何百万体と配備出来る。

こちらから攻める事はないが、攻めて来るのなら容赦はしないとな」


ガングルが忠告する。


「まあ、他国の事などどうでもいい。それより移住出来そうな星を探してくれ」


魔王がガングルに頼むとガングルは頷き転移した。


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