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ジジイの異世界記  作者: パパちゃん
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新章14

今、火山を見ながら歩いている。

そう、魔王は再び勇者の孤島に来ていた。


愛達にお土産を渡したあと、地竜を竜の里に連れて行きシェンにガイを紹介して預け家に戻る。

エルザと久しぶりに会ったせいか?

指輪効果かか? 離れない。

ちょっと良い雰囲気でチューでもしそうなそのとき、ドンドンドンドン! ドンドンドンドン!

玄関のドアから激しいノック音が聞こえた!


「魔王! いる? いるよね! 開けてよ!」


扉を開けるとナオトがいた…


「なんだうるさい! アポを取ってから来い!」


「そんなことを言わないで聞いてよ…」


泣きそうな顔のナオトだ、仕方がないと家に入れる。

エルザの指輪を見る。


「それが噂の宝石?」


「ああ、フィン達と取りに行って来た」


「なんで僕も誘ってくれないんだ!」


ナオトが拗ねている。


「知らん! 俺はダーガに頼まれただけだ!

それに、1週間も家を開けたらエカテリーナに殺されるぞ?」


魔王の話も聞かずナオトはがっくりと項垂れている。


「エカテリーナが口を聞いてくれないんだ…」


「ビーチでの事件からずっとか?」 


「うん…」


ナオトは泣いている。


「泣くな… お前、勇者だろう? いい歳だし…」


「だって…」


「宝石が有れば仲直り出来るのか?」


「さっき、愛ちゃんと電話しているのを聞いたんだ! 良いなー欲しいなーって羨ましがっていた…」


「わかった! わかったから泣くな… 明日だ、明日、皆で行こう。

愛やリリ、エカテリーナも誘って2人で宝石を見つけろ。

きっと仲直り出来る。エルザに誘ってもらうか?」


「頼むよ…」


と、まあこんな感じだった。

普通、40歳の男が泣くか?困った奴だ… と、魔王は思うが、ナオトは魔王の唯一の男友達、そんなナオトを放っておけなかった。

その昔、魔王の師匠として現れたナオトは好青年で勇者その者だった。

だが、エカテリーナと結婚してキャラが変わってしまった。

なよなよとしてエカテリーナに気を使い言いなりで頼りなく以前の面影はない…

魔王は常にナオトを心配して気にかけていた。


「ほら肉が焼けたぞ! 食えチビっ子ども! まるまると太って、ワシのエサとなれ!」


勇者の孤島の浜でバーベキュー中だ!


「魔王様、気を使わせてすみません…」


エカテリーナだ! 全ての元凶だが…


「いいから楽しめ。そろそろ許してやれな」


「はい…」


「優しいですね」


エルザは嬉しそうに言う。


「またナオトに泣かれるのも面倒くさい! 男の涙は嫌いだ!」


魔王は照れ隠しをしていた。

腹ごしらえをして小さな島を散策する。

不思議な草や花、見知らぬ動物… 全く興味が湧かない。

特に愛とエカテリーナはうわの空だった。


「一通り島は見たな。では、ここからが本番だ!」


魔王が宣言する。愛とエカテリーナはドキドキして洞窟に入り下って行く…

最下層のマグマの洞窟に到着。

マグマ溜まりはアニメのようにマグマの気泡がポコポコ出来ては弾けるのを繰り返す。

人が立ち入れないほどの暑さだが魔王は皆のために洞窟全体を魔法で冷やした。

全員にツルハシを渡す。


「乱獲はするなよ! 自分の欲しいだけ取れよ」 


そう伝える。


「なんでよ、あるだけ取れば良いじゃん」


強欲な愛が言う。


「まあ取っても良いんだがな、フィン、ダーガ、ザマは苦労して、やっとの思いで手に入れた。

きっとリリーや聖女ズは嬉しいだろう」


魔王は部下思いで、いろいろと考えている。


「ええ、リリーは泣いて喜んでいたわ!」


「それを乱獲してジャラジャラ身につけてたり、余ったからと皆に配ったりしたら奴らの喜びは半減する。可哀想だろう?」


「その通りだわ、って事は、たくさん取ってしまっておけば良いのね!」


(さすが我が孫、欲深い…)


「まあな、価値さえ下げなければOKだ!」


魔王は愛に何を言っても無駄だと諦めてツルハシを片手に鉱脈を探す。


「隊長ー! 硬くて掘れませーん」


ケーンが弱音を吐く。


「その辺にも転がっているから綺麗いな石を拾ってこい」


魔王が教える。


「あーい!」


ケーンとミサは石拾いをする。


そして、欲に目のくらんだ亡者共が一心不乱にツルハシを振るうのをエルザとリリは静かに見ている。


「探さないのか?」


「はい、頂いたのがありますから」


エルザが微笑む。


「これがあるから大丈夫です」


リリがネックレスを触る。


「お前達は天使だ!」


2人を抱きしめる。


「ミサは?」


「ミサも天使だよ」


抱きしめ。

次はケーンの番…

だがケーンも、一心不乱に石を探していた。


(お前もか、ブルータス)


魔王は亡者達の姿に混乱していた。

欲の皮が突っ張り一心不乱にツルハシを振るう愛の動画を撮り、エルザとリリの分をと少しだけツルハシを振るう。

感知魔法を上手く使えば宝石の位置など手に取るように解る。


愛はともかく、ナオトは魔王と鉱石を採掘しに行きダイヤモンドの鉱脈を見つけたこともある。

その気になれば魔法で一瞬で取り尽くす事だって可能だ。

だが、欲に目のくらんだ人間はそれすら気づかない…

愚かだなと魔王は身内に思い知らされる。


ケーンとミサが沢山の石を拾ってきた。

中から宝石を取り出して渡してやる。


「魔王様、お母さんにネックレスを造ってください」


チビっ子2人が頼む。


「やっぱり天使だ!」


2人を抱きしめる。

亡者共を見ると少し腹立たしく思い「魔王のイカズチ!」を放つが…

だが、誰も気づかない⁉︎

やはり人間の欲は怖いと魔王は思い知らされた!

子供達に3本のネックレスを造ってやる。

2人は嬉しそうにネックレスを首から下げて母へのお土産のネックレスをミサが握りしめている。

エルザには赤い宝石の付いたブレスレットを、リリにはピンクの宝石の指輪を造りプレゼントをした。


ナオトを見ると、エカテリーナの指示したところを掘りまくる。


(坑夫かっ! ハイホー! ハイホー! と歌え!)


魔王は馬鹿にしていた。

だがこれで、エカテリーナの怒りも消えてナオトも落ち着くと思い気が済んだら出てこいと言い残してエルザとリリ、ミサとケーンを連れて洞窟を後にする。

島で遊び時間を潰す。

2時間経っても亡者達は出て来ない。

子供達やリリを先に送って行き、エルザと2人で更に待つ。

3時間ほど経った。エルザの肩を抱き2人で星空を眺める。

ゆっくりとした時間が流れる。


「駄目だ、怒る気にもなれん… もう帰ろう」


「そうですね、でもゆっくりできて良かったですね」 


エルザは笑顔で微笑む。


「お前は天使だー!」


抱きしめ。

愛達に(先に帰る)と念話で告げて帰った。

その後、城のスタッフや将達からひっきりなしに電話が鳴る。

愛が行方不明だと。

その都度、事情を説明する。

エカテリーナの母からも連絡がくる。

子供達が心配していると…

極みつけは夜中に電話が鳴り響き。


「おじい様、助けて、魔力を使い果たして動けないわ…」


と…


「この! 亡者共め! 魔王のイカズチ!」


でもやはり孫は可愛くて直ぐに迎えに行く。

3人がうつ伏せの状態で倒れていた。

頬はこけ目の下にはクマが出来ていて、精も根も尽き果ててるようだ…

最下層の洞窟は原型を留めていなかった。

その後、3人を送って行った。

愛は母まりんにこっ酷く怒られていた…


次の日、愛に宝石を見せてもらったが宝石問屋が出来るほどあった。

魔王は愛とエカテリーナに、くれぐれも世に出さないようにと念を押した。


だがそれでは終わらなかった…

エルザと家でのんびりとしていると…

ドンドンドンドン! ドンドンドンドン!


「誰だ!」


感知で解っているが怒鳴らずにはいられない。


「私よ!」


扉を開けると、愛とエカテリーナ、ナオトが入って来る…

愛がサンタクロースかというような袋と用紙を出す。


「これを造って!」


そう頼む。

エカテリーナもほぼ同量…


「嫌だ! 愛のでさえ嫌なのに何故エカテリーナの分もある? ナオトが造れよ!」


エカテリーナが恥ずかしそうに指輪を出す。

宝石はくすんでいてリングもデザインもぐちゃぐちゃだ!


「誰が?」


解りやすくナオトが目を逸らす…


「魔王様、お願いします」


エカテリーナが頼む。


魔王は渋い顔をする…


「おじい様、お願い!」


愛がほっぺにチューをする。


エルザも、


「造ってあげてください」


反対のほっぺにチューをする。2人のチューに思わずニヤける。

エカテリーナもモジモジしながら「お願い…」と言いながらチューをしようとするが…


「お前のチューはいらん」


拒否る。

だが、可愛い孫とエルザには敵わん…

渋々承諾するが…


「ナオトにはジュエリーを造れるように教える。

エカテリーナの分はナオトが造れ!」


魔王は最大限の抵抗をする。

それから、地獄の作業が始まった…

ナオトと2人で来る日も来る日も宝石造り。

程なくして、あの島は不思議な結界に包まれて愛とエカテリーナは二度と入れなくなっていた…


そしてナオトとジュエリー造りの日々を続けていると…


ドンドン!


「魔王様ー! あそぼー!」


「ケーンとミサか、サリーも一緒か入れ!」


魔王は3人を招き入れる。


「魔王様、こんな高価な物をありがとうございます」


サリーがネックレスのお礼を言いにきた。


「子供達が見つけた物だ。気にするな」


と、話しながらもジュエリーを制作する手を止めない…


「エルザとお茶でも飲んでいてくれ…」


「ええー、魔王様、遊べないのー」

 

ケーンがガッカリとしている。


「ああ、亡者共のせいで大忙しだ…」


「ごめんよ…」


「お前の詫びは聞き飽きたわ!」


ナオトがしょんぼりとする。

毎朝、8時から夕方5時まで魔王の家でアクセサリー造りをして自宅に帰ってからも制作をしている。

ナオトは日に日にやつれていく。どんなブラック企業に勤めているんだ… 魔王はそう思っていた。


「やめだ、やめ! 今日は出掛ける! エルザとデートじゃ」


エルザを捕まえて抱きしめる。


「子供達ともデートじゃ」


ケーンとミサを抱きしめ。

サリーが自分の番かと警戒している。

さすがにそれはしない。


「作業はお前1人でしておけ!」


「そんなー」


「俺のノルマは達成した。

大体、誰のせいでこうなったと思っている?」


「わかったよ…でも、明日からも手伝ってよ…」


(無視だ! 無視!) 


魔王の機嫌は最悪だった。


「さあ、出かけるぞ!」


久々に外に出た気がする。日差しが目に染みる。


「シャバの空気はうまいぜ…」


魔王の言葉を聞きケーンがパクパク空気を食べ始める。


「やめておけ、オナラが止まらなくなるぞ…」


「おっ、オナラが…」


魔王がケーンを注意するとサリーが笑っている。

ケーンと笑いのツボが一緒だ。


皆を連れてシェンの家に行く。


「シェン、ガイはどうしている?」


そう尋ねると庭に案内される。

そこには道着を来たおっさんが空手の型をしていた。


「王よ、お久しぶり」


「何をしているんだ?」


「せっかく手足が伸びたから体術を覚えている。

魔法やブレスより体術の方が戦っている感じがして楽しい。

それに、大きな戦いがあると聞いた」


ガイは熱心だった。


「そうか、お前は5千年身を犠牲にしてきた。

戦いは俺に任せて、ゆっくりしてくれて構わんのだぞ?」


「いや、加護をもらい生まれ変わり。

数日だが竜人としてここで暮らして気に入った。

俺はこの街を護りたいんだ!」


「そうか、昔、似たような事を言った魔族がいた。

武闘派どうし気が合うかも知れんな。

良かったら修行先を紹介してやるぞ?」


「それは嬉しいな。是非頼む」


悠久の時を生き、護る為に生きて来たアモンとガイ。

生き様と気性が合い、のちに無二の親友となる。

魔王部隊の訓練は激しさを増して行く。

チャラいアキラには、ますます辛い日々となるのはもう少し先の話だった…


ガイも休憩して皆で卓を囲み、お茶を頂く。


「その方は、つがいのメスか?」


ガイがエルザを見て言った。


「これ、人間はつがいとは言いません。奥様です」


ガイがセレに諭されている。

セレもすっかり人間臭くなった。


「まあ、そんなもんだ。まだ、奥様ではなく彼女だがな」


魔王が言うと、そんな事を言われると思っていなかったエルザが驚いている!


「違うか?」


魔王はエルザに問うと。


「違いません」


笑顔で答えた。


「その方も奥様ですか?」


サリーを見る。


「違う、この子達の母だ。つがいのオスはいない」


そう魔王が笑って説明した。

ガイはサリーを気に入ったようでサリーは質問責めにあっていた…


「少し聞きたい事がある。ユニークと呼ばれる個体は、あと何体いる?

できれば加護を与えて救いたい。

敵が来る前に悪意の瘴気を減らしておきたい。

ユニークは出す瘴気も多いからな」


魔王が尋ねる。


「そうだな、昔はオークやゴブリンみたいな小さな魔物にもいたが大した強さもなく死んだ。

鬼人は結構強かったが王が倒したのだろう?

あと、竜が数体いるぐらいだな…」


シェンが答える。


「場所と数は解るか?」


シェン達3人が首を振る。


「トムなら解るかも知れん。調べてもらっておく」


シェンがトムに聞いておくと言った。


「頼む」


竜人達と話し、ゆっくりとして家に帰る。

扉を開けるとナオトがテーブルに伏して気を失っている…


「エクストラヒール、癒しの光!」


回復系の魔法をありったけ掛ける。


「あっ、魔王おかえり… あれ? 寝ていたのかな?」


ナオトは朧な意識の中、再びアクセサリーを造り始める。

目の焦点が定まっていない…


「お前、もう止めろ! 本当に死ぬぞ!」


「大丈夫だよ、僕も明鏡止水に手が届きそうだよ…」


ナオトが虚な目をしている。


「バカ! 気をしっかりもて! アクセサリーは外注に出せば良い。

勇者や魔王のする仕事ではない」


魔王はキレて宝石造りを放棄する。残りのアクセサリーは職人が丁寧に仕上げた。

その出来に愛もエカテリーナも大満足してエカテリーナの「最初から職人に頼めば良かった」の一言に魔王が激怒し「天の裁き!」が落ちたのは言うまでもない。


数日後、愛に呼ばれて城に行く。

お茶会だった。

皆、ちょっとめかしこんでいる。

宝石を見せびらかしたいだけの集まりだった…


エカテリーナが寄ってくる。


「この前はすみませんでした」


そう言って謝り頭を下げる。


「まあいい。ところで、ナオトはどうしている?」


「はい… 3日3晩寝たきりで先程目を覚ましました…

寝言でノルマがー! と叫んだり指を動かしていました…」


「魂が傷ついている。お前のために頑張ったんだ。優しくしてやれ」


「はい」と返事をする。エカテリーナの胸元には職人が仕上げたネックレスが輝いていた…


「おじい様、どう?」


派手なドレスを着た愛が感想を聞く。


「ああ、綺麗だ」


と、褒めるが胸元のド派手で煌びやかなネックレスは下品な気がしていた。

愛の考えたデザインとはいえ魔王が造った物でもあり複雑な気分だった。


次は聖女ズだ。


「「魔王様、ありがとうございました」」


2人が頭を下げる。

ルルシュもアリも可愛いネックレスをしている。


「お前達良かったな。似合っていて可愛いぞ」


「ありがとうございます。凄く嬉しいです。

大変な旅だったとかで、帰ってからは3人とも1週間ほど寝込んでいましたよ…

魔王様は化け物だ! と言っていました…」


ルルシュが言った。


「失礼な! アイツらが軟弱すぎるんだ! 今度修行の旅に連れて行くか」


「おっ、お手柔らかにお願いします…」


アリが青い顔で答えた。

愛がエルザを引っ張り駆けて来る。


「走るな。ドレス姿が台無しだ…」


「そんな事はどうでもいいの! エルちゃんを彼女って認めたの?」


愛がやたらと興奮している。


「ああ、一緒に住んでいるし、いまさら驚く事でもなかろう」


「頑なに認めなかったじゃない」


「認めたらエッチな事も出来るだろう?」


魔王は当然と言う顔をした。


「「ええっ!」」


真っ赤になる2人。

どこからか現れたエカテリーナが…


「そうよ! ヤったもん勝ちよ! さっさと子供を作りなさい!」


真っ赤な顔のエルザに下品なアドバイスをする。


(下品だ、ほんとこの女だけは好きになれん…)


魔王ですら引いていた…


「冗談だ… エルザの事は大好きだし、いちいち否定するのも面倒臭くなってきた。心境の変化ってやつだ」


「やっぱり、エルちゃんは運命の人だったんだわ! 天使様は間違っていなかった」


愛は乙女な顔で空に祈っていた。


翌日、朝から愛とエカテリーナが押しかけて来て女子会をするから出て行けと言い出した…

魔王がリリはどうしたと聞くと、大人の話に子供は入れないとか… 下世話な連中だ… と、呆れていた。


だが丁度良かったと1人でシェンの家に向かった。

3人の竜人とトムと話しをする。


「瘴気が出ている所を見つけたよ!」


トムが自信を持って言った。


「じゃが、ちょっとヤバいのがおる…」


シェンが困った顔をする。


「邪竜、智竜、時空竜の3頭…

邪竜は滅ぼす事が不可能といわれるほど打たれ強い。

消滅させてもすぐに復活する。

闇魔法と魔眼を持ち目を見た者は必ず死ぬ」


ガイが邪竜の説明をする。


「智竜、恐ろしいほど賢い。世界の真理を知る竜じゃ」


シェンの説明は短かった。


「時空竜、その名の通り時間と空間を操り。

戦い、次元の狭間に落とされた者は二度と帰れないといわれています」


セレが青い顔で説明した。


「強いとかのレベルじゃない。神の様な存在じゃ。

ヤツに挑んだドラゴンも勇者も皆消えた…

王とてヤバいかも知れんぞ…」


シェンが心配する。


「そうか、だがそいつらに加護を与えるか倒せば、大きな瘴気を発する物がいなくなる。

手強そうだがやるしかないな…」


魔王はトムに場所の詳細を教えてもらった。

愛にガンガーディア本部に行くと伝えて転移する。

本部に行くと愛達も来ていた。

来てしまったので愛達3人も同席させて一緒に連れて来たガイも同席させる。ヤマト、アモン、ナオト、ギャリソンらと会議だ。

瘴気の元を断ちたい旨を伝え3頭のドラゴンの話をした。


「そんな訳で俺はドラゴンと戦いに行ってくる。

あとは頼んだぞ!」


魔王は一方的に伝える。


「待ってください! 邪竜は任せてもらえませんか?

私は不死身の魔王と呼ばれた事もあります。

大魔王となった今、邪竜如きに遅れはとりません!」


アモンが討伐に一役かいたいと名乗りを上げた!


「でもな… 一応、保護が目的だし。

出来れば殺さないでやりたいんだがな… 魔眼もあるし…」


魔王がブツブツ呟き考えていると…

プツッ! アモンが突然、目を潰した。

愛達が青い顔をする。


「神経までやりました。魔眼などこの程度で防げます。どうということはありません」


アモンの行動に皆がドン引きだがガイだけが関心している。


「こうかっ!」


ガイもその場で目を潰す。


「愛達が引いているだろうが! このマゾどもがっ!」


魔王が怒る!


「すみません… ですが、邪竜如きボコボコにして魔王様の前まで引きずっていきます。

私にお任せください」


「我も付いて行っても良いか?」


「ああ、だが私の獲物だ」


悪魔と竜が微笑み合う。

魔王の決定も待たずにアモンとガイが勝手に決めている。


「まあいい、任せた。屈服させたら呼べ加護を与えに行く」


魔王は諦めアモン達に任せる事にした。


「はっ!」


アモンは嬉しそうな顔をしていた。目は潰れ血の涙を流しながら… ホラーだと魔王は思い、その場の全員の気分が悪くなっていた。


「じゃあ、僕もなにか…」


ナオトが言いかけるが…


「ナオトは駄目だ、魂が弱っている。しばらくは休め」


魔王は心配して休みを与えていた。


「智竜は私が話をします。主様は行くだけで結構です。

本当の世界の真理を教えて差し上げます」


智竜はシンリーが担当すると言い出した。

魔王が驚くと。


「既に、対話を始めています…」


シンリーは微笑んでいた。


「ならシンリーに任せる。俺は時空竜を受け持つ」


魔王がそう言って立ち上がる。


「導者様、時空竜の力は想像を絶します。どうか油断なさらずに」


ギャリソンが心配そうに注意を促す。


「そこまでか?」


「はい、神も認めるイレギュラーな存在です」


「ギャリソンがそこまで言うのなら本当なんだろうな… だがやるしかない!」


魔王は気合を入れ直す。

会議は終わり、魔王達は城に寄る…


「本気なの? そんなヤバいヤツの所に1人で乗り込むなんて!」


会議中は黙っていた愛が今更文句を言っている。


「誰かを連れて行けば全力で戦えない!」


「だけど…」


「そんな竜1匹倒せないようではザムドには勝てない」


「連れて行ってください!」


エルザまで言い出した…


「駄目だ、そんなに危険な戦いではない。

愛達と待っていてくれ…」


エルザに抱きつかれ泣かれている…

魔王は毎度のお約束だと心を無にしてやり過ごす。

皆をなんとか丸め込み納得させて出発前の儀式は済んだ。

シンリーから、まず智竜へと指示を受けて出発する!

トムに教えてもらった場所に向かう、空だ。

規模は小さいが神の園に似た空間がある。

そこに飛び込む。

クリーム色でナマズの様な髭を生やしたドラゴンが跪いていた⁉︎


(既に説得済みです)


シンリーが教えてくれる。


(智竜よ我が軍門に下るか?)


(はい、王に仕えます)


(なんの迷いもないのか?)


(はい、シンリー様に世界の真理の片鱗を見せていただきました。貴方の元で学びたいです)


加護を与えると跪き忠誠を誓う。

その身体が光り輝き竜人となる。

40代に見える男性だ。


「サトシと名乗るが良い」


「はっ!」


そのとき、アモンから念話が入る。


(苦労しましたが、屈服させました)


アモンの気配を頼りにサトシを連れて転移する!

巨大な地下洞窟に1頭の真っ黒なドラゴンが虫の息で横たわる。


「アモン、平気か?」


「はい! 噂以上のタフさで手こずりましたけど…」


アモンは既に傷も目も治り、疲れてはいる様だが、問題は無さそうで魔王は安心する。

ドラゴンの前に行き。


(我の軍門に下るか?)


(ふん、お前に負けた訳じゃないぞ! だがその男との約束だ、さっさとやれ!)


(負けたのに強気な奴だ… エクストラヒール! 癒しの光!)


辺り一面が光り輝き傷は塞がり欠損箇所は再生されていく。

その光景にサトシが息を飲む!


「神の力か…」


全快した邪竜が魔王を見つめる。


(バカめ、先に治してどうする。死ね!)


魔眼を発動する。


魔王は邪竜の目をじっと見つめる。


(死なぬが?)


そう言ってやり。


「魔王の波動!」を放つ! 腰が抜け動けない邪竜… 超神剣ジェネシスを首に当てる。


(残念だ! 死ね!)


冷たく言い放つ…


(ごっ、ごめんなさい! じょ、冗談、ちょっと試しただけです。配下にしてください)


プルプル震える姿は意外と可愛い。


(次はないぞ、俺の許可なしに邪眼を使う事を禁ずる)


魔王はそう言って加護を与える。

邪竜は跪き忠誠を誓い光り輝き竜人となる。

10代の女の子となった。


「これが導者の力か!」


サトシはいちいち驚く。

ガイはその横で頷いている。


「王様、ごめんなさい。名前を付けてください」


邪竜は素直に頭を下げた。


「マオが良い! 俺は導者だが魔王と呼ばせている。

魔王に響きが似ていて可愛いだろう」


「はーい、僕、これからマオと名乗るよ。よろしくね魔王様」


アモンとガイ、そして、竜人2人を連れてシェンの元へ転移する。


「おおっ! もう連れて来たのか?」


シェンが驚く。


「俺が倒した訳ではない、人任せだ。

俺は時空竜に向かう、2人を任せる。

サトシは落ち着いたらシンリーの元へ連れて行くから、しばらくは竜人達と交流を深めてくれ」


そう言い残して魔王は次の目的地に向かい飛び立っていった!


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