表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジジイの異世界記  作者: パパちゃん
497/546

時の旅人、力無き魔王編27

「アレは…」


ソウソウが現れて絶句する!


「うん? 知り合いか?」


マオウが不思議に思う。


「奴は魔王様の天敵です。

ここで誕生したのですか…」


「天敵?」


「はい、ザ、ワールドや、その元となった世界で散々魔王様を困らせ、殺そうが封印しようが何度も復活し、悪の限りを尽くした希代の悪女エカテリーナです… アリアとも名乗っていた事もあります」


ソウソウが説明する。


「あら、そう、エカテリーナね、意外と良い名じゃない?

その名を名乗ると未来を約束された事となるわね」


アンナとミラー、リアのミックスされた女が嬉しそうに語る。


「いや、お前に未来はない! 今ここで魂ごと消滅させる!

ファイナルアタークッ!」


マオウが渾身の一撃を放つ!


「ナオト!」


エカテリーナが叫ぶと、ナオトが結界を張り転移させる。


「マオウ、待ってくれ、アンナは悪い人じゃないんだ…」


ナオトはアンナ… いや、エカテリーナの前に立ち塞がり、庇う。


「そうよ? 私は未来に行って贅沢がしたいだけ…

ナオト、私を愛しなさい。そして貢ぎなさい。

私を魔王の妻のように、豊かな星の女王にしてやりたい放題させなさい!」


エカテリーナは強欲な笑みを浮かべている。


「まさにエカテリーナです… ベースはアンナのようですね。

そしてミラーの賢さを持つ、リアの役目は何なのでしょう…」


ソウソウが分析する。


「そんな厄介な奴を生かしておくほど俺は甘くない!

ファイナルアタック!」


マオウが両腕を突き出し、眩い光線を放つ!


「誰だ! 我が妹を攻撃する奴は!」


1人の男が現れ、光線を真っ二つに斬る!

光線は左右に分かれてエカテリーナは無事だ。


「リア、大丈夫か… えっ、誰だ?」


男がエカテリーナを見て困惑する。


「その、ザームとやらが、リアとアンナ、ミラーを混ぜて作った世界最悪の悪女らしい…」


マオウが男に教える…


「ザーム! どういう事だ!」


男が怒る。


「アルシュ様… なぜここに…」


ザームが驚く!


「黙れ! 言い訳をするな! 今すぐリアを元に戻せ!」


アルシュがキレている。


「無理よ? もう、魂が融合して1つになったの。

貴方、私を妹だと思って助けて贅沢をさせなさい!」


エカテリーナが狂気な顔をして命令する。


「なんだ、この女は… こんなのリアではない…」


アルシュは泣きそうだ…


「やれやれ、アルシュとやら、そいつ妹らしいじゃないか、さっさと連れて帰れ…」


マオウは迷惑そうに言う。


「こんなの妹じゃない… それに何だお前は… 何をしているんだ…」


アルシュが聞く。


「俺はマオウ、その女とザームが俺の星を侵略しに来たから対処しているところだ…」


マオウが説明する。


「侵略? ザーム、俺の留守にどういった事だ?」


「数ヶ月前に、漆黒というロボを従えた隕石と、アンナと名乗る女が現れて、交渉の結果手を組む事となりました」


ザームが説明する。


「はあ? 俺にナイショで何をやっている?」


アルシュが呆れる。


「貴方は、もう用済みです。

私が新たな王となります」


ザームがアルシュに言う。


「お前、俺に勝てると思うのか?」


「勝てません。ですが、私を殺すと、アレ、死にますよ?」


ザームがエカテリーナを指差す。

指を刺されたエカテリーナが驚く!


「いやー、正直、クーデターを実行するか悩んでいたんですよね…

まあでも、ミラーに仕込まれていたようで、人体合成魔術を発動してしまいました… 仕方がありません。

それで、私も奴らを信じていた訳でもなく。

合成魔術にとある仕掛けをしました。

ミラーはアンナと融合すれば良いと言っていましたが、リア様も巻き込ませていただきました。

そして、私に何かあれば、魂が崩壊するように仕掛けをして…」


ザームが静かに淡々と語った。


「貴様! よくも!」


アルシュは物凄く怒っている。


「全員、戦闘を止めろ!」


そして、兵達を止める!


「いや、やめなくてよい。今日からワシが王だ。

アルシュの言う事など聞くな…」


ザームが全員に告げる。


「やれやれ、内輪揉めは帰ってからやれ…」


マオウはそう呟きながら、ザームを真っ二つに斬る!


「ちょっ! お前待て、ザームを殺すと妹が!」


アルシュが叫ぶ!

だが、ザームは斬られた場所が一瞬で再生する。


「魔王細胞か厄介だな。全てを焼き尽くすか…」


マオウが呟くと…


「待て、待てと言っているだろう!」


アルシュが怒鳴る!


「なぜ俺が侵略者の言う事を聞かないといけない?

お前は俺の敵なのか? 敵なら殺すが?」


マオウはアルシュに答える。


「俺を殺す? 大きくでたな…

いや、今はそれどころではない。

大事な妹が大変なんだ!

頼む、兵達は俺がなんとかする。

あの変な化け物は俺の部下じゃないから好きにしてくれ…」


「ずいぶんと勝手だな… 貸しだぞ? 

魔王軍の全員に告げる。

敵の兵とは戦闘をするな。

漆黒モドキ、そしてキメラ魔獣、それを殲滅しろ。

ただし、敵兵の中に挑んで来る者がいたらやっても構わない」


マオウがカミラ星と魔王星で戦っている者全員に告げる。


「おい! 全員よく聞け、アルシュだ! 

この侵略は、ザームが勝手にやった事だ!

ザームはクーデターを起こした!

リアが人質となっている…

とにかく、戦闘を止めろ!

俺の命令が聞けず。この2つの星の者に攻撃する者がいたら反逆者として処分しろ。

そして、魔王星の者達と協力して、訳の分からない物を倒せ!」


アルシュも全ての者に聞こえるように命令を出す。


「なあ、アレ、どうする? お前、魂の分離とかできるのか?」


マオウがアルシュに聞く。


「いや、俺はそういった事は出来ないんだ…」


アルシュは困った感じだ。


「そうか… ソウソウなんとかなるか?」


マオウが聞くと…


「魔王様の力が戻れば、あるいは…」


ソウソウが意味ありげに答える。


「ならやはり、ザームにやらせるしか…」


アルシュが呟くが…


「ワシではもう戻せませんよ?」


ザームが悪びれる事なく言う。


「どうすればいいんだー!」


アルシュが叫ぶ!


「世のため人のため、諦めてエカテリーナとザームを殺せ…」


マオウが助言する。


「だから大事な妹だと言っているだろう!」


アルシュがムッとする。


「そうか、なら、全部連れて帰れな…

さて、イサミは復活したか…

トシゾウ、イサミ、残党を倒して帰るか…」


マオウはどうでもよくなっていた。


「マオウ! 逃がさないわよ!」


エカテリーナが叫ぶ!


「そうか、無限地獄!」


マオウが無限地獄を発動する。

エカテリーナとザームは個別に球体の結界に包まれ爆発した…


「お前! なんて事を!」


アルシュの顔が真っ青だ!


「安心しろただの拷問魔法だ…」


マオウが言うと、エカテリーナの飛び散った肉片が集まり再生する。

そして、ありえない悲鳴をあげて再び爆発した。

そして再生する。それが繰り返されている。


「なんて凶悪な拷問魔法だ… じゃない! リアが可哀想だろう! 今すぐ解け!」


「リアじゃない、エカテリーナだ。

解いてやるから撤退しろ…

次、アイツに生意気な事をいわせたら、もう容赦はしないぞ?」


「わかった、全て撤退させる…」


アルシュが約束する。


「仕方がない… 解!」


マオウが無限地獄を解くと、エカテリーナとザームは憔悴しきり、意識を失い空中から落下して行く…


アルシュが2人を追い捕まえて、両肩に担ぎマオウの前に戻る。


「迷惑をかけた。改めて謝りに来る」


アルシュが言うが…


「まあ良い。終わった事だ。

もう来る必要もない」


マオウが顔を左右に振る。


「お前、良い奴だな…」


アルシュが感慨深い顔をした。


「一つ忠告です。エカテリーナの中の1人、アンナは洗脳が得意です。

そして、エカテリーナは未来の世界でも、人々を洗脳してやりたい放題でした。

気を付けてください…」


ソウソウが忠告する。


「未来? よくは解らないが、その忠告、覚えておこう…

アルシュだ! 全員撤退する!」


アルシュが声を掛けると、全員が転移して来る!


「ではまたな…」


アルシュは別れを告げ、特殊な装置をつかい転移門を開く。

それは、別の宇宙への扉だった。


「興味深いですね…」


それを見たソウソウが呟く。

そしてアルシュ達は門を抜け、自分の星へ帰って行った…

ナオトも後を追い、門の中に飛び込んだ…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ