表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジジイの異世界記  作者: パパちゃん
478/546

時の旅人、力無き魔王編8

「さて、皆、支度は出来たか? 子供達よ、準備はOKか?」


「「「「「はーい! 魔王様、大丈夫でーす!」」」」


子供達が手を上げて返事をする。


「よし、集団転移!」


マオウが集落の広場に全員を集め転移して、マゾネス国に連れて行った。


「ここがマゾネス国…」


リーシャは初めてだった。


「マゾネス様はこんなところに住んでいたの?」


ミーシャが羨ましそうだ。


「私、ちょくちょく来ていたし、あそこが私の仮設住宅よ?」


ミューが自慢した。


「ミューばかりずるい!」


リーシャが怒るが…


「魔王様の誘いを嫌そうにしたのはリーシャでしょう?

私はリーシャの代役だったのよ?」


リーシャはミューに言われて気まずい顔をする。


「ほら、お前ら喧嘩をするな、ミュー、皆を仮設住宅に案内して部屋を振り分けてやれ…」


マオウが呆れて仲裁し仮設住宅に行かせる。

そしてマオウは各集落を回り庇護を求めた全員を連れて来た。

ちなみに、出稼ぎに出掛けていた男達にも連絡させて戻らせて連れて来ている。


「なあ、ヨシヒデ、孤児院を早めに造れないか?」


マオウが唐突に頼む。


「なんだ? 何かあるのか?」


「ああ、ソーヤにな、各国の孤児にたいしての扱いを聞いてな、どの国の孤児達もすておけない…

トキと世界を回り攫ってこようかと思うんだが…」


「強引だな…」


「当然、本人達に選択をさせるが、世間的には攫われたていにする…」


「まあ、そうだな。俺も孤児や奴隷の酷い扱いを目の当たりにしてきた。

未完成でも、ここに来た方が幸せか…

だが、のちのちこの事が明るみになれば、マオウが悪者になるぞ?」


「俺の自己満足で迫害される者や孤児、奴隷、亜人といった者達を庇護すると決めた。

世間の連中にどう思われても構わない。

どうせ俺は我儘な魔王だ。汚名の1つや2つで弱い者を救えるのならそれで良い」


マオウは静かに答えた。


「お前、スゲーな…」


ヨシヒデは感心していた。


「おい! まず孤児院だ! 世界中の孤児を集める。

気合いを入れて造るぞ!」


ヨシヒデは職人達に叫んだ!


「そんな訳だ、ソーヤ、まず何処へ行く?」


マオウがソーヤに尋ねる。


「孤児院は教会の管轄で、本部はロドン国にあります。

そこに孤児を統括する担当のシスタームーがいます。

彼女も各国の孤児にたいしての扱いを嘆いています。

話を通して手伝ってもらいましょう。

協力してくれるはずです」


ソーヤが説明する。


「教会か… まあいい。トキ、俺達がシスターと接触するのを神にも悟られないようにな…」


マオウが言う。


「ああ、それな、気にしなくても… いや、何でもない任せておけ」


トキは意味深な感じだが引き受けた。


「神⁉︎」


ソーヤは驚いている。


「なら行くか」


トキは呟き転移を発動する。

トキはここ数日、世界中を飛び回り、全ての国に行き転移を出来るようにしていた。


ロドン国に転移するが、マオウ達はトキのデメンションワールドの中にいる。

その中を移動して教会に行き、シスタームーをディメンションワールドに引き込む。


「なに?」


シスタームーは驚いている。


「シスタームー、ご無沙汰しています」


「ソーヤさん」


2人は旧知の仲でソーヤが説明する。


「この方がソーヤさんの街を国に変えて孤児達を保護してくださると…」


シスタームーはにわかに信じられない。


「ですが、本当の事です。

魔王様なら可能です。

国だけではなく、いつかこの星全てを良い方向に変えてくれると私は信じています」


ソーヤは熱く語った。


「ソーヤさんがそこまで言うのなら…」


シスタームーが言い掛けると…


「なら、お前も来い! そして孤児達の行く末を見守れ…」


マオウが言う。


「はい、付いて行きます…」


シスタームーはあっさりとOKした。


「良いのですか?」


ソーヤが驚く。


「今の教会は教皇様が好き勝手して腐敗しています。

最近も両目を潰された英雄が運ばれて来ました。

治療をしたのですが魔法が効かず…

するとロドン国が多額のお金を用意して、教会に一本だけ保存されていたエリクサーを売ってしまいました。

そして、そのお金は全て教皇様と枢機卿達が使ってしまいました…

それに、各国の貴族や奴隷商に孤児達を売りやりたい放題です…」


そう説明した。


「そうか、ギガムの目は治ったのか…」


マオウが呟く。


「英雄ギガムをご存知で?」


ソーヤが驚く。


「ああ、病の子供達のために薬草を取りに行ったのだがな、ダンジョンはロドン国の管理下に置いたからとか訳の解らない事を言って、抗議をしたミューの手を斬り落とし、マゾネスまで斬りやがった。

その落とし前に両目をもらった」


マオウはギガムの目を潰した経緯を説明した。

2人は青い顔をする。


「英雄を… ロドン国に狙われますよ?」


シスタームーが心配する。


「どうせな、俺が孤児や奴隷、亜人を集めて庇護すると、世界中の権力者が俺が奴隷を独り占めにしたと国に攻め込んで来る。

既にロドン国から狙われていたとしてもなんの問題もない」


マオウは関係ないといった感じた。


「シスタームー、心配するな。

たとえ世界を敵に回したとしても、王は負けん!

魔王と名乗っているが神より尊い存在だ。

王が庇護すると言った以上、王の元に来た子供達には幸せな未来が待っている」


トキが言った。


「「神より尊い?」」


シスタームーとソーヤは理解出来ないが、2人はトキの言う事を信じていた。

シスタームーはそのまま行方不明となった。

そして、各国の孤児院を回りシスタームーが院長やスタッフ、孤児を説得してマオウは全ての国の孤児をマゾネス国に集めた。


数日が過ぎ…


「「「「「「魔王様ー!」」」」」」


「おー!」


マオウは学校に向かう子供達に手を降られ答えている。

マオウは街で工事の進行具合を見ている。


「お前、スゲーな。本当に全ての孤児を集めたな…」


ヨシヒデが驚いている。


「スゲーのはお前だろう? この短期間で街の開発もしながら、仮設住宅、孤児院、学校、病院、次々と造っている。

俺は戦う以外能がないから尊敬する…」


「よせ、照れるだろう? お前がいるからやれているんだ…」


ヨシヒデもマオウを尊敬していた。


「王よ、解放して来たぞ?」


トキがソーヤと1人の男を連れて転移で現れる。


「ああ、記憶は改ざんしたか?」


「おうとも、金も持たせて、魔物を高く買い取ってもらい、ソーヤの街で数日楽しく遊んだ記憶を与えた、王や妾達の記憶や街の工事の記憶を消した。

奴らから漏れる事はない」


トキはマオウがこの街に現れた時点でいた市場のお客や行商人など、街の工事を秘密にするために滞在させていた人々の記憶を改ざんして解放した。


「なら次は… シスタームー、孤児院の院長から売られた孤児達の居所を聞いたか?」


「はい、全て院長やスタッフに聞きリストを造りました」


マオウは教会が国や奴隷商、個人に売った孤児達の居所を調べさせていた。


「よし、妾が攫ってこよう。

王は他の事をやれ」


トキは出来る限り協力している。


「そうか、すまんな… なら俺は奴隷商を回るか… ソーヤ」


ソーヤもすっかりマオウの秘書のようになっていた。


「それでしたら、私よりこの者が良いかと…」


ソーヤがマオウに紹介しようと連れて来ていた1人の男を紹介する。


「マオウ様、私、ライフ王国で商人をしておりますルッチと申します」


その男が挨拶をした。


「なんだお前、解放されなかったのか?」


「はい、私もこの計画に参加させてもらおうかと思いまして」


「うん? 儲かるか解らないぞ?」


「それは問題ありません。ソーヤさんに事情を聞き、ここ数日、マオウ様やヨシヒデ様を見させてもらいました。

野心もなく、ただ弱者のために働く。

最初は何か裏があるんだろう、そこに入り込み儲けてやろうかと思っていましたが…

マオウ様のお力があれば他国を侵略する事も容易いというのに自分の力で弱者を守る国を造る。

ヨシヒデ様もなんの見返りもなく力を貸す。

そんな2人を見ていて自分が恥ずかしく思いました。

私も純粋に何か力になりたいと思うようになりまして…

女王様、マオウ様、ヨシヒデ様、皆様純粋で素直な方が多いので1人ぐらい腹黒い心を持った者がいた方が良いかと思った次第です」


ルッチが言った…


「よし、頼む。国が完成したらルッチは副首相兼、外務大臣兼、商業大臣な」


マオウが笑ってルッチの肩に手を置きポンポンと叩く。


「いくらなんでもそれは…」


ルッチは大役を沢山押し付けられて困惑する。


「ルッチさん、秘密を知った以上、断れませんよ?

大魔王様の頼みですからね」


ソーヤも笑ってルッチの肩に手を置いた。


「だな!」


ヨシヒデも相槌を打ち笑っている。


「よし、ならルッチ、世界中の奴隷商に行き善人だけを買い取るぞ!」


マオウがルッチに言った。


「えっ⁉︎ 世界中⁉︎ それに攫うのではなく買い取るのですか? 善人だけをどうやって?」


ルッチはマオウの言葉が理解出来ない。


「奴隷商人だって商売だろう? 商品を盗むのはな… 奴らにも生活があるだろうし…

善人かどうかは見ればだいたい解るし、俺には真実の言霊がある。

俺の問いには例え神であろうが嘘はつけない」


「なら、なぜ私に真実の言霊を使って確認しないのですか?」


「うん? 確認した方が良いのか? 見れば解る、ルッチ、お前は良い奴だ。

なんだろうな、お前とは魂で繋がっている気がする…

それは、ヨシヒデ… いやここにいる全員に言える事だ…」


マオウはそういった。


「マオウ様には敵いませんな… 解りましたマオウ様のお好きなようにやりましょう。

私は全力でサポートします」


ルッチは満足そうな顔で頷く。


「まず金を造らないとな、この街の開発を始めて、魔物を売り損ねた。

ルッチ、何処か買い取りしてくれるところを紹介してくれ。

魔物ならいくらでもあるし、取ってくる事も簡単だ」


「あの魔物を初めて見た時は腰が抜けそうになるほど驚きました。

ですが、あんな凄い魔物を売ると目立ちますな…

冒険者ギルドを使うか…」


「それなら、この街の金を使ってくだされば…」


ルッチが考え、ぶつぶつ呟いていると、ソーヤが申し出る。


「国を運営するにも金は必要だそれはそのときに使え…

奴隷をわざわざ買うのは俺の道楽みたいなもんだ、自分の作った金を使う」


マオウは断る。

そして…


「なら、こんなのはどうだ?」


マオウは考え込むルッチの前にジャラジャラと宝石の原石を出す。


「「コレは!」」


ルッチとソーヤが声を上げる!


「これな、ソウソウの地図で世界中の鉱脈を回ってな、どうやっているのかは知らないが、俺がその場に行くと特殊な鉱脈が消える。

そして目の前に価値があり、ソウソウが興味のない鉱物や宝石の原石だけが、持っていけとばかりに目の前に現れるんだ」


マオウはやれやれといった感じだ。


「噂の姿を見せない万能執事ですか…」


ルッチが不思議そうだ。


「まあですが、この方が簡単に換金出来ますし、奴隷商によっては、このまま交換も可能です」


「そうか、よかった、これ、物凄い量があるから気にせず多めに払ってやれ」


「物凄い量とは?」


「そうだな、宝石の原石だけでも、今開発中の土地に山積みで収まるかってところだ…

他にもオリハルコンやアダマンタイト、ミスリル、プラチナや金など、物凄い量を持っている。

ヨシヒデも使うようなら言ってくれいくらでも出せる。

なんなら鉄の代わりに使っても良いぐらいだ…」


マオウが呆れると、その場の全員も呆れる。


「それな、ソウソウの出してくれる資材もなやたらと良い物ばかりなんだ、見た目は派手じゃないがちょっとした釘や蝶番まで信じられない素材で充分なんだ…」


ヨシヒデも困惑している。


「それは凄い。強盗に襲われ… マオウ様の庇護する国に強盗は出ないですな…」


ルッチが呟く…


「しかし原石だけでも世界が買えそうですな…

これを何処かで磨いて宝石にして…」


ルッチが原石を見ながら呟くと…

パパっ! 原石が消え、ジャラジャラ! それが磨かれた宝石となって現れる。


「またソウソウの仕業か… アイテムボックスの中の原石が全て磨かれた宝石に変わった…」


マオウが呆れる。


「俺はソウソウという姿なき不思議な生き物に取り憑かれているんだ…

もしかしたら、俺自身もソウソウなのかも知れない…」


マオウは嫌そうな顔をしている。


「それって全部お前って事じゃないか、それはそれで問題ないだろう?」


ヨシヒデが笑っている。

だが、マオウは嫌そうな顔をしていた…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ