時の旅人、勇者編19
「「カミラさん、綺麗…」」
エミールとハナコがウットリとしてため息を吐く…
「変わってあげましょうか?」
カミラが2人に聞く。
「カミラ、諦めろ…」
マオウが呟く。
「他人事ですからね」
カミラが嫌そうな顔をする。
「お前だって、俺をギルマスにしたり総帥にしたりしただろう?」
マオウが反撃する。
「それは規模が違います」
「似たようなもんだ…」
2人は言い争う。
「人間達は国や王の座を欲しがり争うのに…」
ドミーが驚く。
「魔王様は支配とか政治とかはお嫌いですから。
奥様方ももともと女王出身の方は別として、皆様おくゆかしく、表舞台に立つのを嫌がりますから」
ソウソウが答える。
「僕も王になんてなりたくないな…」
ナオトが呟くが…
「安心してください。ナオトさんに王のオファーなんて来ませんから…」
まだ、知り合って日が浅いにもかかわらず、ヨンに言われナオトがガッカリとする。
「それが、最新データで、ナオトさんはとある星の王となります…」
ソウソウが教える。
「マジかっ!」
マオウが驚く。
「はい、魔王様のせいのようですね…
ですが、給料だけ貰いサーフィンざんまいで政治に関わらず、駄目王の烙印を押されています。
そろそろクビになるかも知れませんね…」
ソウソウが答える。
「僕っていったい…」
ナオトが呆れる。
「魔王軍でも、魔王様の友達枠で参戦する。
ニート勇者とかバイト勇者、サーフィン勇者とか呼ばれ、ザマ総帥の頭痛の種の一つです」
ソウソウが教える。
それを聞きナオトはなんともいえない顔をした。
「ナオト、安心しろ、お前、真勇者となって不老不死となっただろう?
この星で生き続ければ、俺のいるザ、ワールドに来る事もないだろう?」
マオウが言うが…
「それは無理だと思います。
ナオトさんが不老不死だとしても、強力な敵が現れ消滅させられるかも知れませんし、星が、この宇宙その物が無くなる事もあります。
ナオトさんはかなり重要な人物となっていました。
転生術をつかわなくても、ザ、ワールドのベースとなった世界に必ず現れるはずです」
ソウソウが言った。
「宇宙が無くなる⁉︎」
それを聞きゼンが1番驚いている。
「可能性の問題だろう?」
マオウは呆れる。
「私も魔王様が好きだから、転生しようかな…」
エミールが呟く…
「そんな事をしては駄目だ。
お前は自身の星に帰り幸せに生きろ。
そうだ、ゼン、この宇宙にも地球があるのだろう?
その星から召喚された子供達を送ってやってくれ」
マオウがゼンに頼む。
「いいわよ?」
ゼンはマオウに頼まれて嬉しそうだ。
「私達みんなで相談して、この星に残る事にしたの…」
エミールが答えると、子供達、全員が頷く。
「せっかく帰れるのに…」
マオウが呟く。
5人の子供達は親を知らず孤児として育ち、見知らぬ世界に呼ばれて無理矢理戦わされそうになったところをマオウに助けられ。
自分達の待遇を改善させてもらい。
マオウに会いに冒険者ギルドに通ううちにマオウを親のように思うようになっていた。
「この子達も魔王にたらされたのね…」
ゼンは子供を可哀想な目で見る。
「ゼン、失礼にもほどがある。お前はさっさと星へ帰れ」
「嫌… 私、この星を全能神星にするわ」
ゼンが宣言する。
「嫌です…」
ドミーが断る。
「貴方、魔王の影響を受け過ぎ!」
ゼンが怒っている。
「そんな我儘ばかり言って、ダゾーンも困っていただろう?」
魔王が聞くと…
「ダゾーン神は言いなりで、大天使も星も取られて文句も言わずに隠居生活を送っています」
ラシードが答えた。
「ラシード! 余計な事は言わない!」
ゼンは良いところなしだった。
「さて、俺は少し出掛ける」
マオウが立ち上がる。
「貴方、何処へ…」
カミラが心配そうだ。
「ちょっと宝石を集めにな」
マオウはカミラのドレスに合う、ジュエリーを採掘に行くつもりだ。
「魔王様、今、1人で出掛けては危険です」
クリが心配する。
「俺がヤられる訳がないだろう?」
マオウは呆れる。
「罠とか…」
ソーシも言う。
「どんな?」
「ハニートラップとか…」
「俺はラシードじゃないんだぞ?」
マオウが呆れると、ラシードがなんとも言えない顔をする。
「宝石なんていりませんから、おとなしくしていてください」
カミラも止める。
「心配なのか?」
「はい、星を消滅させられると困ります」
「そんな事をする訳…」
「前科がありますから…」
マオウは怒りスーパーノヴァで星を爆発させようとした。
カミラはその時の事を思い出して不安そうな顔をしている。
「仕方がない…」
マオウはそう呟き、アイテムボックスからジャラジャラとたくさんの宝石やオリハルコン、アダマンタイトなどを出してジュエリー制作をする。
「そんなのを持っているのなら、採掘に行く必要ないでしょう?」
カミラが呆れるが…
「この星の女王だ。この星で採った鉱物で制作したかった」
マオウにはマオウのこだわりがあったのだった。
「魔王、私の分も頼むわ」
ゼンにもねだられ、その場で見ていたヘルズやハイデン、クリやエミール達にもねだられ、大量のジュエリーを作る羽目となった…




