新章2
「さて、集まってもらったのは他でもない戦力の確認をしたい」
魔王は会議室で話し始めた。
ギャリソン、ナオト、アモン、マーリン、クライド、魔導兵器隊と開発チームの代表は将、ダーガ達、各部隊長も集まっている。
「今回の敵、ザムドは桁違いの強さだ。星を滅ぼし神を喰らう者。
正直、勝てる気がしないが、やるしかない。
我々がこの星、最後の希望となる!」
魔王が説明すると皆の表情が硬くなる。
「そう悲観しなさるな。神の力を宿した導者様の強さも相当。
私達がしっかりサポートすれば勝てる可能性も上がります」
ギャリソンが鼓舞する。
「ナオトは大勇者、アモンは大魔王、マーリンは賢王、クライドは魔導王と、皆、格が上がっているな」
「導者様の加護のおかげだよ」
ナオトが言うとアモンも…
「そうです! 加護のおかげで悪魔化できる魔族が急激に増え戦力が上がっています!」
2人が感謝する。
「若くて強い導師や賢者も増えました」
クライドも喜んでいた。
「魔法使いだけじゃなく剣士や格闘家、弓使い、盾職、全体のレベルが上がっているよ」
ナオトが言えば、将も…
「魔導兵器もあの頃から性能が格段に上がっている!
あとで見せたい物がある!」
自身ありげに語った。
「そうか皆、強くなったか。
だが、とりあえずは更なる底上げだな。
加護も与えた。この国の者からも勇者や魔王、上級職を持つ者が増えていくはずだ!
俺抜きで、あの魔獣軍団を全滅させられる部隊を目指す!
一度、お前達とも模擬戦をしてみるか」
魔王がそう言うとマーリンが満面の笑みをみせる。
会議後に将とドワーフの街に転移する。
魔導兵器の格納庫に行く。
「俺のミラージュが⁉︎」
そこには魔王の船の残骸があった。
「オーマイガッ‼︎」
魔王は両手で頭を抱えて天を仰ぐ!
気まずそうな顔をする将。
「新しいのを造るよ…」
「ではな…」
魔王は新型戦艦の案を伝えた。
「またそんな無茶なことを言って…」
将は困っている。
「仕方がないな…」
そう呟き目的の場所に案内をする。
「見せたいのは、これだ!」
新型のドラグーンGが跪いていた。
将に促されてコックピットに乗り起動させて動かす。
確かに反応速度が上がっている。
少しの動作で解るほどだ。
魔力を込め空を飛ぶ。
「父さん、赤いレバーを引いて!」
将から無線が入りレバーを引くと人型から飛行モードに変形した⁉︎
「僕だって遊んでいた訳じゃない!」
将は強い口調で言ったが…
(いや、遊んでいたんだろう… 無駄な変形機構を造って… 俺が頼んだのだがな…)
魔王は心の中で思ったが、これからさまざまな物を造ってもらう予定で将の機嫌を損ねる訳にはいかず黙っていた。
「どうだ父さん、凄いだろう!」
得意げに話す息子…
「ああ凄い。流石だ!」
魔王はそう褒める。
確かに飛行速度と運動性が上がっている。
見せたかったのは変形機構だけだったようだ…
新型のドラグーン、ドラバーンやゴーレム竜人を見せてもらい性能が上がっているのを確認した。
「将、これを…」
魔王は数台の地球製のスマートフォンを渡す。
地球歴2040年の最新型で大容量のメモリーには兵器、航空機、ロケット、宇宙船、ロボット、パソコン、スマホ、工作機械、医療機器と、さまざまな設計図や化学式、特殊合金の造り方や農作物の育て方にいたるまでのデータが詰まっていた。
「これは? 今の日本では兵器の図面まで手に入るの?」
将が驚く⁉︎ そのスマートフォンには日本は愚か他国の国家機密の極秘データが詰まっていた。
「それな、シンリーに言われるがままサイトに侵入してシンリーの言うパスワードを入れると、あら不思議? 観られるはずのない機密事項が閲覧出来たという訳だ…何かの役に立つかも知れないとデータを保存していた…」
魔王がやれやれと言った感じで話す。
「その中の1番新しいスマホはコピーしたら返せよ? たまにみたい写真があるから…」
魔王が寂しそうに呟く。
「母さんの写真?」
将は察したつもりだが…
「いや、俺の介護士のジュンの写真だ。巨乳の美人でな不二子みたいだった。
もうセクハラ出来ないと思うと残念でならない…」
魔王は本当に残念そうに言うが将は息子としてガッカリとしていた…
そして魔王は地球から持って来たインスタント食品や植物の種、金属、電子機器、家電、バイク、車、船、小型飛行機など、さまざまな物をアイテムボックスから出す。
なかには戦車や戦闘機、戦艦まであった。
「車、いや、クルーザーやセスナは宝くじにでも当たって買ったと思おう… でも、戦車や戦闘機、そして戦艦って…
いったいどうやって手に入れたか理解出来ないんだけど… 未来の日本では買える…訳は無いよね…」
将が驚き理解に苦しむ…
「世の中、知らない方が良い事もある…」
魔王は悪い顔をしてニヤっと笑った。
「そんな事より、コレは個人的な土産だ…」
日本製の本や漫画、アニメや映画の入ったタブレットやメモリー、カッコ良いフィギュアやプラモデル、時計、ジャンクフード、お菓子、ジュースなど、次々とアイテムボックスから出して将に渡した。
将は喜び多少の事は目を瞑ろうと納得した。
この息子への差し入れを機にガンガイアの魔法頼みの技術に地球の科学技術が合わさり魔導科学は飛躍的に革新して新たな時代を迎えていく事となる。
魔王は将にさまざまな事を頼み次の場所に転移する。
そして、異次元の空間に浮かんでいる。
眼下見える4人の敵。
頭上から巨大な岩が火を吹き落ちてくる!
魔法で対抗することもない!
「ふんっ!」オーバーヘッドキックで粉砕する!
目の前から赤い光線が飛んでくる!
途中で拡散し数百の光線があらゆる方向から襲ってくるが転移で避ける。
現れた先には、赤い鎧、後ろには黒い鎧、2人の剣が迫る。
赤い鎧をハイキック、黒い鎧をバックキックで吹き飛ばす。
2人の魔法使いが転移で左右に現れる!
男が「アイスランス」女が「ファイアーランス」を放ってくる!
「サンダーメイル」を纏い魔法を打ち消す!
「グラビトン」2人は落下する。
遠くから爆炎斬が飛んで来るが躱す。その瞬間に真上から赤い鎧が斬りつけて来る。
剣のつかを肘で止めてボディーブロー!
目の前に光りの玉が飛んで来る! それを避けて迫る黒の鎧にローリングソバット!
魔法使い2人の波状攻撃!
幾百もの攻撃魔法が飛んでくる。
「聖域!」バリアを張っていなす。
黒い鎧が悪魔化して口から破壊光線を発射!
「レールカノン!」光線がぶつかり合い大爆発!
と、1時間ほど戦った…
四方から4人が攻めて来たとき「サンダーブレイク!」紫電が4人に落雷して戦いが終わる。
ナオト、アモン、マーリン、クライドと模擬戦をしていた。
「4人の実力は解った。なかなかだ!
だが、もう少し詰めれるしレベルも上げた方がいいな。できれば限界まで」
魔王はそう分析する。
「了解、調べたら勇者と魔王も300人ほどいた。
若い子ばかりだから一緒にダンジョンに潜ってレベルを上げるよ」
ナオトが報告するとアモンとクライドが頷く。
マーリンだけが黙っている。
「うん? お前は行かないのか?」
魔王は不思議に思うが…
「私は魔王様と一緒です」
そう言って抱きつく。
「おっ、おう…」
魔王はまんざらでもなかった。
次は教会に行き礼拝堂に聖職者に集まってもらった。
「皆、聞いていると思うが、この世界を滅す元凶が攻めてくる。
この星と生命を護って欲しいと神に頼まれた。
俺は全力で戦い護ると誓い決めた!
だがヒーラーが足りていない。
強制はしないが参加してくれると助かる。
多少でも聖魔法が使えれば大丈夫だ。
参加者にはダンジョンの戦闘にも参加してもらいレベル上げもしてもらう。
危険もあるが覚悟のある者は後ほど参加表明をして欲しい」
魔王が預かった兵は5万ほどヒーラーは圧倒的に少ない。
そこで聖職者を鍛えエクストラヒールや癒しの光などの上級聖魔法の使い手を増やすことにした。
教会での説明を終え帰ろうと歩いていると…
「導者様、ご無沙汰しております」
1人の美しい女性が声をかけてくる。
「セシリーじゃないか!」
「はい」と頷く。
孤児を集めたとき一緒に来たシスターだ。
その後も見かけると声を掛け合う中だ。
亡命の際に聖職者が多く、転職を余儀なくされた者で歳は35歳ほどの落ちついた巨乳美女だ。
「息災であったか? 今は何をしている?」
魔王は懐かしくもあり嬉しそうに話す。
「はい、元気に教師をしております」
そう答え。
「私も参加いたします。聖魔法は得意ではないですが多少は使えます」
「いいのか? 教師は休まなくてはならないし危険も伴うぞ?」
魔王はセシリーを心配していた。
聖母のような女性を戦いに参加させていいのかと…
「覚悟の上です。神と導者様に、この身を捧げます」
その目は信仰に満ち決意に溢れていた。
魔王は1番最初に参加を決めてくれたセシリーを天使エルエルに会わせる。
エルエルもセシリーを気に入り加護を与える。
セシリーは光り輝き大聖女となる。
神獣チロにも加護を貰い。
セシリーは努力をして聖魔法のエキスパートとなる。
程なくして聖女王に至り治療部門の責任者となった。
聖魔法使いの募集結果は5千人が集まった。
フォーリーンからこの国に亡命したときに聖職者から普通職に転職した者達が多く集まってくれていた。
その中に聖女ズはいなかった。
彼女達も愛達と同じく内政を守ることを選んだのだろう。
それから怒涛のレベル上げ!
勇者、魔王達を振り分けてリーダーにして、たくさんのパーティーを作り聖魔法を使える者や魔導兵器乗りも入れた。
そして、天使エルエルと神獣の加護を与えた。
聖職者達は聖人や聖女になり数百人の大聖女、大聖人も誕生した。
皆、上級聖魔法を使えるようになった。
そして、聖戦士、聖人か聖女で剣や拳で戦える者から稀に至るレア職。
勇者と魔王も更に増え異世界人に準ずるブレイブや大魔導師、大賢者、剣王、格闘王などの上級職に至る者がどんどん増えていく。
ドワーフにはオリハルコン、アダマンタイトで剣や鎧、盾などの武器や防具を造らせる。
魔女職には世界樹や特級や上級魔石、ドラゴンなどの素材で杖やローブを造らせ、ハイエルフ、エルフにはポーション、エリクサーなどの生産を続けさせた。
それを各部署に配布する。
将達の頑張りで魔導兵器は地球の技術をふんだんに取り入れて稼働部分は滑らかに素早く動くようになる。
更なる進化をとげたマシーンは乗り手自身のレベル上げとの相乗効果で大幅な戦力アップとなった。
そして魔王は導者となり進化した剣をアイテムボックスから出して確認する。
眩い光を放つ白金と黄金の2色の剣、超神剣ジェネシス、白金と黄金の2色の光りが身を包み現れた鎧はジェネレーターメイル!
デザインは多少変わり色が白金と黄金のツートンとなった程度…
ただ鎧の性能は格段に上がった。
鎧自体が魔素を吸収して魔力を生み出していく! 鎧を使った攻撃の出力がハンパない!
そして、超神剣ジェネシス!
大地を切り裂き海を割る!
その輝きは聖なる者を癒やし邪を滅する。
久々にカードを出す。
ギルドカードの技術をパクり。
ギガンティスカードを造った。
名前 ノブ
職業 導者
レベル ーーーーー
スキル 真理の心
加護 ガンガイア神
精霊女王や天使の加護はなくなり年齢も消えた…
日本で合計70年
ガンガイアで20年
合計で90歳のジジイ、そして見た目は50歳のおじさん。
そんな感じだった。
そして新たに光りの精霊ウィルと闇の精霊シェイドとの精霊契約をして同時に、光、闇、炎、風、水、土、森、の眷属精霊を軍団で召喚出来るようになった。
導者率いる軍団をガンガーディア軍と名付け。
拠点となる本部を建てて、そこに詰めている。
総帥は魔王。
将軍はナオト。
魔導兵器団長は将。
戦闘団長はアモン。
魔導師団長はクライド。
治癒団長はセシリー。
ギャリソンとマーリンは魔王の補佐となった。
総勢5万5千人、星を護る人数としては物凄く少ない。
だが、この人数でやれる事をするしかない。
ギリギリまで個々の能力を上げる事に専念する。
数日後、ナオトから連絡があり面白い子達がいるから連れて行きたいと連絡があった。
本部で待っていると…
「この子達だよ!」
そう紹介されたのは猫獣人と魔族。
「おおっ! お前達か、息災であったか?」
3人がビックリする。
「覚えているのですか?」
猫獣人が言う。
「盗賊から助けたミャーダとワイバーンから助けたサイガだろう?」
頷き感涙の涙を流す2人。覚えていた事が嬉しかった様だ。
落ちついてから2人の話を聞いてやる。
「ところで、何が面白いんだ?」
ナオトに尋ねる。
「2人とも剣を出してごらん」
ナオトが言うと2人がアイテムボックスから剣を出す。
それは、聖剣エクスカリバーと魔剣カリバーンだった!
「そうか、お前達は勇者と魔王になれたのか!
しかも、その剣に選ばれたか」
2人の剣を預かり握る。魔王にとっては20数年前に共に戦った剣、その記憶が蘇る。
2人に剣を返す。
「大事に使ってやってくれ」
言ったそのとき剣が輝きミャーダは大勇者になりサイガは大魔王となった。
「その2人、この前言っていた総帥のパーティーに入れては?」
ナオトが提案する。
魔王は2人を見る。20歳にも満たない若者… 魔王には子供にしか見えない…
「若者を死地に行かせる訳には…」
魔王がいい淀む…
「「構いません!」」
2人の声が揃う。
それから各々が熱く語った。
「その剣に選ばれて、今、新たな目覚めが起きた。これは運命だよ」
ナオトが語る。
「俺と共に行動するということは敵の中核に切り込む事になる。生きて帰れないかも知れないぞ?」
魔王は心配そうな顔をした。
「「構いません!」」
2人から強い決意を感じて仕方ないと諦めて、
「頼むぞ!」
2人と握手をした。
翌日、一緒にダンジョンに潜った。
実力はなかなかなもので鍛えればナオトやアモンに並ぶ実力者となるだろう。
この世界に帰って来て1ヶ月、毎日が物凄く忙しく城に帰る暇がなくガンガーディア本部で寝泊まりしている…
「総帥、お客様です」
セシリーが案内して来たのは、愛、シンリー、リリ、聖女ズだ。
「お前達、息災か?」
「ええ、皆んな元気よ」
愛が代表で答える。
「今日は、どうしたんだ?」
「おじい様が1ヶ月間帰ってこないから心配で…」
シンリー以外は皆、心配そうな顔をしていた。
シンリーの心は魔王と繋がっている。
毎日、会話をしていて状況を把握しているためシンリーは何の心配もしていなかった。
「すまんな、俺はしばらくここで暮らす。今が正念場だからな」
それから、この間の戦闘の後処理の報告を受けた。
戦闘の殆どは森でおこなったため街に被害はなく魔導兵器と魔獣の残骸の片付けで済んだとの事で森の被害も精霊の協力で元通りとの事だった。
「民はどうだ? 不安に思っていないか?」
魔王は、それを1番心配していた。
「大丈夫よ! おじい様が帰って来て皆んな喜んでいるし安心しているわ」
「ならいい」
愛は上手くやっているようだと魔王は安心した。
「おじい様の方はどうなの?」
「ああ、皆、頑張って強くなっている。
上級職のインフラが起こっている。
この世界の者ではなれなかった勇者や魔王になれた者もかなりいる。
もう少しで俺や愛がいなくても、この前ぐらいの襲撃を抑えられる様になる」
「そんなに⁉︎」
愛が驚く!
「ああ、それが可能となり俺がザムドと一騎討ちが出来れば、たとえ差し違えても倒してみせる」
魔王は拳を強く握る。
「おじい様…」
愛やリリが心配そうにその姿を見ている。
「覚悟を言ったまでだ、心配するな」
魔王は笑ってみせた。
ちょっと場の雰囲気が沈む。
そんなときはと…
「ところで、ポンコツ聖女ズは何をしに来た?」
聖女ズを弄る。
「いや… あの…」
ルルシュが気まずそうにする。
「参加しなかった事を気にしているのか?」
魔王が聞く。
「はい…」
小さな声でルルシュが返事をした。
「気にするな! 愛やリリもそうだが国の象徴として聖女ズも戦いには参加せず国民に安心を与えるが良い。それも大切な役割だ」
魔王は笑顔で言う。
「それに、大聖女や聖女、聖人は足りている。
そのセシリーは聖女王だ。
セシリー1人で魔人化した教皇ぐらいなら簡単に浄化して倒す事も容易い。
広範囲、複数人にエクストラヒールをかける事も可能だ。禁呪としているし条件付きだが死者蘇生すら可能だ!」
驚愕の表情をする聖女ズ。
「聖女王様ですか! リリ様と同じ⁉︎」
更に驚く!
「ああ、セシリーは頑張ったからな。エルエルのお気に入りだし」
魔王は当然とばかりに、うんうんと頷く。
「エルエル様のお気に入り…大聖女や聖女は何人ほど…
それに聖人とはなんですか?」
ルルシュが青い顔で尋ねる。
「うん? 知らんのか? 聖職者の5千人、全てが聖人と聖女となった。
その中から、大聖女、大聖人になった者は300人を越え聖戦士は200人いる、そして今なお増え続けている。
聖人は聖女の男バージョンで聖戦士は聖人か聖女で剣や拳で戦える者から稀に至るレア職。
今回の戦いは神も全てを俺達に託している。
神の為に戦う者にこれぐらい当然の事だろう」
魔王の説明を聞き聖女ズが困惑の表情をする。
「そんな顔をするな、今回はリリと違う。
戦いが終われば教会に戻す。
教会を辞めていた者も好きなだけ勧誘するといい。
そのうちセシリーの他にも聖女王や聖人王に至る者も出るだろう」
魔王が言うと更に複雑そうな顔をする…
魔王は(ああ、そうか…)と納得する。
「教会の者にも言っておけ、
神に託されて戦う。こんな時に自分達の保身を考えるな。
戦いに参加した者を邪険に扱う事は許さん。
それこそ天罰が落ちるぞ!
まあ、この国にそんな輩はいるはずがないがな」
魔王は忠告して笑った。
「もっ、もちろんです!」
ルルシュが返事をし聖女ズは顔を引き攣らせていた。
「そうだ、愛、紹介しておこう。
俺を護衛してザムドとの一騎討ちに持ち込むために尽力する者達、ブレイブハートのメンバーを!
大勇者、ミャーダ。
大魔王、サイガ。
賢王、マーリン。
聖女王、セシリーがメンバーだ。状況次第ではギャリソンを加えた6人で中核に乗り込む事となる」
魔王は皆にミャーダ達を紹介して教えた。
「ナオトさんやアモンさんは?」
愛は、心配そうに聞く。
「奴らには皆を率いる仕事がある。
ミャーダとサイガはエクスカリバーとカリバーンに選ばれた。
その資格は充分にある!
もしも、俺が負ける事があればギャリソンに情報を持ち帰ってもらう。
愛、ナオト、ヤマト、クライド、リリとで協力し、そして生き残った者を集めて立ち向かってくれ」
魔王は説明して愛を抱き寄せる。
光り輝き愛が「守護者」となる。
「愛様、私が命に代えても総帥を御守りいたします」
セシリーが言えば。
「いえいえ、私が!」
マーリンも言う。
サイガとミャーダは皆に自己紹介していた。
翌日、教会から千人の聖職者を戦いに加えたいと打診があった。
突然の申し出、さまざまな思いが見え隠れし… 魔王は申し出を断った。
最初に手を挙げた者の勇気を無駄にするわけにはいかないと…
そして、魔王が負けることがあれば次の戦いに協力して欲しいと告げた。
数日経ち順調だったレベル上げに困った自体が訪れる。
イース大陸全体にある120箇所のダンジョンを使いレベル上げをしていた。
だが、皆が強くなり過ぎて魔物を倒してもレベルが上がりにくくなってきた…
この世界、はぐれメタルの様な都合の良い魔物はいなかった…
そんなときに2人の客が訪ねてきた。
老人と少年だ。気配で解るが…
「ワシじゃよ! 驚いたじゃろう? かっかっかっ!」
そう笑う老人。
キャラがヤマトと被っている。
「シェンだろう… お前はバハムートだ!」
「ほら、導者様が解らない訳ないじゃん」
シェンがバハムートにツッコまれている。
「どうしたんだその格好?」
人間の姿で現れた2人に聞く…
「人化の魔法じゃ! 王の加護のおかげで使える様になったんじゃ」
シェンが嬉しそうに説明した。
「僕も同じで守護者の加護が導者の加護に変わってから、この魔法を使える様になったよ」
バハムートも嬉しそうにしている。
「そうか、まぁ、良く来たな。ゆっくりしていけ」
「それでね、これを持って来たんだ!」
バハムートが真っ黒な無数の魔石っぽい物を出した。
「これは?」
魔王が手に取る。
「僕が魔素から取り出した悪意の塊さ。シンリーさんに頼まれたんだ!」
バハムートが説明する。
「お前のウンチか…」
魔王は手に持っていた悪意の塊をそっとテーブルに置いた…
「ウンチじゃないよ…」
バハムートは呆れている。
するとシンリーが…
(これを各ダンジョンの最下層にあるコアに吸収させれば、しばらくの間ですが強い魔物が沢山湧きます。
レベル上げには持ってこいかと)
(危険はないか?)
(大丈夫です。数日で効果は消えます。効果的にレベル上げが出来ると思います)
シンリーがそう説明した。
「そうか、ありがとう。さっそく使わせて貰う」
セシリーが大量の悪意の塊をバハムートから受け取っていた。
「ところでバハムート、名前呼びにくいからトムでいいか?」
魔王はバハムートに名を与える。
「わーい、導者様に名前を貰った!」
喜ぶトムはまるで子供の様だった。
シェンとトムにもザムドとの戦いに備えている事を伝えてシェンはドラゴン部隊を造り協力すると約束した。
戦闘向けではないトムは応援しかできないけど頑張ってと言った。
導者となってからウエスの特殊な結界以外はどこでも転移可能となり。
120箇所全てのダンジョン最下層に飛び悪意の塊をコアに融合させる作業に没頭する。
魔王達はブレイブハートも1番難易度の高い破邪の洞窟にパーティーで挑む。
そうはいっても魔王が手を出しては意味がないとミャーダ、サイガ、マーリン、セシリーの4人で戦う。
ダンジョンに潜る前に…
「マーリン、これをやろう」
指輪を渡す。
「魔王様!」
マーリンは何かを勘違いして目をウルウルさせてから目を瞑り顎を上げる… スルーだ。
「セシリーにはこれだ」
ブレスレットを渡す。
「2人に渡したのは魔道具だ魔力を貯めておける。
そして必要なときに取り出せる。試作品だ試してみてくれ」
魔王は説明するがマーリンは聞いちゃいない…
「私は指輪!」
左手薬指に嵌めてセシリーに見せびらかす。
「深い意図はない。聖職者は治療をする者も多いからブレスレットにした。
量産して配るときの事を考えてだ」
人の話を聞かないマーリンは指輪を眺めてうっとりとしている。
それをよそに…
「お気遣いありがとうございます。でも次は指輪が良いです」
静かに言うセシリーが、どこか怖わかった。
次から2人には同じ物を同じ量やろうと心に誓った。
「さあ、ダンジョンを進むぞ! マーリンは中級以上の魔法は使用禁止だ」
「はーい」
魔王に言われてマーリンは嬉しそうにスキップをしながら進んでいく。
ダンジョンに入ると魔物が溢れている!
一階の廊下から死霊騎士が襲ってくる。
ミャーダとサイガが剣を振り魔法を放ち進んで行く。
セシリーが浄化をする。
マーリンは魔王と腕を組む⁉︎
あっと言う間に10階層のボス部屋に着く。
10体のデュラハンと不死王。
セシリーが浄化の光を放つ!
全ての敵が浄化され消滅。
あっと言う間のボス戦だった。
出番がなかったミャーダとサイガはガッカリとしてマーリンはムッとしている。
20階層はバンパイアが歩いている⁉︎
(魔物として再現された物です)
シンリーが説明する。
ダンジョンが再現した物で本物とは違う。
だが、1体1体の強さはなかなかでミャーダとサイガにはいい相手だった!
マーリンには物足りない相手の様で片手間に倒していく。
セシリーは上手に補助魔法で援護してホーリーランス、ホーリーレイなどの攻撃魔法も使い倒していく。
20階層のボスはバンパイアジェネラル20体とバンパイアロードだった。
30階層はミノタウルス、ケンタウロスなどで階層ボスは30体のグリフォンとメデューサ、そしてハデス!
ここからマーリンの中級魔法を解禁した。
40階層はレアドラゴンエリアだった。
火竜、氷竜、土竜、水竜がうろちょろしてスカイドラゴンが飛び回る!
ボスはシルバードラゴン40頭とゴールデンドラゴンに古竜!
50階層は邪竜!
ジャバウォック、バジリスク、ウロボロスがうじゃうじゃといて、ボスはヒュンドラ50体とエキドナ、テュポン!
60階層は魔獣、この前襲って来たやつだ!
それが飛び回りうろちょろと歩いている!
(あの魔獣はこの世界の物なのか?)
(いえ、異世界もしくは別の星の魔獣です。悪意の塊の記憶から再現されています)
身体が10mから20mほどで見た目はジャミラに羽を付けた感じで目や口から不思議な光線を出し動きも早い。
爪が鋭利な刃物となっていて肉弾戦もかなり強く打たれ強い。
また、コイツらが攻めて来るとは限らんが良い練習になる。
ボスは2mのメタルボディの兵60体、20m程の巨大ロボ⁉︎ 最後のボスは2m程の真っ白な人、顔はのっぺらぼうで髪の毛もない。
おもちゃの様な感じだが、めちゃくちゃ強い!
マーリンの縛りを無くした4人でも苦戦する… 魔王は思わず手を貸した。
だが、4人のレベルは劇的に上がった!
しばらく4人でダンジョンに潜らせる事にした。




