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ジジイの異世界記  作者: パパちゃん
295/546

黒と白9

「もおー! なんて事をするんですか!」


魔王の目の前で、リューンが泣きながら烈火の如く怒っている…


「ちょっと盛っただけじゃないか…」


魔王は美少女の涙にたじたじだった…


「なんで私がスーパーノヴァって叫ぶと、星が超新星爆発を起こすんですか!

私、サンダーブレイクなんて魔法使えませんし! ノーベルムーン1機で黄色の星の敵全てを倒したみたいになっていたじゃないですか!」


魔王はセシリーにアレコレ注文して、魔王の戦った部分をリューンの手柄の様に合成し、白の世界でばら撒いていた…


「黒はマリア神様の紐でしょう! とは言いました! でも、その後の、そうです僕はなんの力もないただの魔王なんです…

チャンピオンのリューン様には敵いません。どうか助けてください…

いつ貴方がそんなセリフを言ったのよ! 私、聞いてないわ!」


魔王はアフレコもしていた…


「だからすまんって… ちょっとしたお茶目じゃないか…」


魔王は可愛くテヘペロした。


「ムキー! どうしてくれるのよ! 私、世界の救世主になっちゃったじゃないの! 次からヘルメスが出たら助けに行ってくれと、エターナル神様からも頼まれたわよ!」


リューンの怒りは収まらなかった…


「と、とにかくだ、今から温泉会だから、リューンとチェーンは一旦帰れ、また今度遊びに来い…」


魔王は一緒懸命に誤魔化そうとしているが…


「もう帰れません…」


チェーンまで泣いていた…


「あらあら、やっちゃいましたね…」


シンリーが笑っている。


「2人とも泣くな… ほら、温泉に連れて行ってやるから…」


仕方がなく2人を温泉ホテルに連れて行く。


「魔王ー、責任を取って…」


「リューン、裸で抱きつくんじゃない… 前回は女湯だっただろう…」


「魔王様、私達2人を妻にしてください…」


「チェーン、裸ハグは駄目だし、妻も駄目だ…」


魔王は2人の猛攻にたじたじだった。

湯船に浸かり一息付く。


「よし、2人とも、ほとぼりが覚めるまで、デススターにいろ、仕事は何か考えるから…」


魔王が提案すると…


「私、魔王の奥さんがいいなー」


リューンが言い出す。


「お前、俺の事をマリアの紐とか言って蔑んでいたじゃないか!」


「だって噂だったんだもん…」


「だもん、とか可愛く言っても駄目だ!」


不毛なやり取りが続いていた。


宴会場に行くと…


「魔王、呑んでるぜ!」


ヨシヒデが上機嫌だ! たんまりとエターナル星のアルコールを差し入れたからだ。


「愛、連合星全土でマシーンファイトを開催しろ!」


「いいけどなんで?」


愛が不思議がる。


「2人がしばらく帰れないからだ!」


「ふーん、職場を用意するのね… まあ、私の会社で興行を仕切れば儲かるし、いいわよ?」


愛は頭の中で金勘定を始めていた。


「はい! 私の会社でリューンさんのチームを作ってマネージャーも用意するわ!」


アンも一枚噛む事に必死だった。


「ああ、2人に任せる…」


魔王は丸投げが成功し安堵の表情を浮かべていた。

リューンとチェーンは何か納得がいかないようだったが、帰れない今、この案にのるしかなかった…


「カリス、破壊王にモビルトレースシステムを付けられないか?」


魔王が無茶を言い出した。


「もう少し大きくしたら大丈夫ですよ? ザ、ワールドルールを作って多少の飛び道具もアリにしましょう」


カリスもノリノリだ。


「愛、ザ、ワールドのマシーンファイトはガンダムファイトルールを採用する!」


魔王が高らかに宣言する。


「楽しそうね、私も出ようかな…」


愛が言う。


「私も出たいけど神力は苦手だから…」


ミキもだ…


「ああ大丈夫だ、皆、参加するがいい! ミキ、マシーンファイトぐらいなら、プラズマエンジンだろうがブラックホールエンジンだろうが大差はないだろう。エンジンも自由、操縦方法も自由で行こう」


魔王は自分好みにルールを変えていた。


「愛、ミキ、カリスは俺のチーフメカニックだ、お前達のロボは造らないからな!」


魔王はカリスを1人じめした!


「じゃあ私はお父さんに頼もうかな…」


愛は将に頼むようだ…


「じゃあ、エリスちゃん造ってくれない?」


「はい、私でよければ…」


ミキはエリスとコンビを組むようだ。


「楽しみだな! リューン!」


魔王がリューンに聞くと…


「姉の造るマシーンでは勝てる気がしない…」


リューンが酷いことを言いチェーンがガッカリとしていた。


とりあえず、連合星全土にマシーンファイトの詳細と魔王が参戦する事を伝えると愛が決めていた。


翌日、ザ、ワールドに激震が走った!

ザ、ワールド、マシーンファイトが発表され、魔王、愛、クラッシャーミキの参戦が発表さた。

そして、白の世界チャンプのリューンの参戦も伝えられたが、リューンには誰も興味を示さなかった…

各星が開催国に名乗りをあげ、大手企業も、プロジェクトを立ち上げ参戦表明していた。


「ヤバい! お父さんも参加するって言い出した! 誰が私のロボを造るのよ!」


愛が困っている。


「ユウコさん、お願い出来ない?」


愛がユウコに頼む。


「私でよければ…」


ユウコがOKし愛は安堵の表情を浮かべていた。


「誰か私のロボを…」


サナリーも出たいようで困っていた。


「なら私、サナリーちゃんのロボも造りたいです…」


エリスが言うと、ミキが困った顔をする。


「マージ、ミキを頼めるか?」


魔王がマージに頼んだ。


「はい、大丈夫です。ミキ様、私で構いませんか?」


マージがミキに聞く。


「もちろんOKよ?」


ミキも安心していた。


そして、魔王の知り合いも次々と参加を表明する。


「魔王様! 俺も参加するぜ!」


ダーガの店でお茶を飲んでいるときにダーガが言い出す。


「ガイア軍を辞めたときの仲間にメカニックもいてな、みんなで参加する事にした!」


ダーガが嬉しそうに言っていた。


「軍からも参加して良いとの事なので、私も参加させていただきます!」


隣のテーブルで妻とお茶を飲んでいたザマも言い出した。

ザマ、ダーガと共にフィンを見る!


「わっ、私は店がありますから…」


フィンはロボの操縦が全く出来なかった。

ダーガは軍属だった頃に、マシーン部隊に遊びに行きドラグーンなどを勝手に乗り回したりしていて、ロボは昔から好きだった。


「僕も出るよ!」


アクマン神まで現れて言った。

デススターはもちろん、連合に加入している星は何処もマシーンファイトの話題でもちきりだった。


「お祭り騒ぎになってしまったな…」


魔王が呟くと…


「たまにはいいじゃん!」


愛が笑っていた。

皆が楽しそうならいいかと納得していたが…


「ギアナ高知に修行に行くか…」


なんだかんだ、魔王が1番楽しんでいた。


「明鏡止水は何度も会得しているでしょう?」


愛に突っ込まれていた。


数日が過ぎた。


「俺のこの手が光って唸る! 敵を壊せと怒り叫ぶ! 必殺、魔王フィンガー!」


魔王のセリフと共に破壊王の右腕が光る! フォーリーコンバータが神気を取り込み増幅させ、一気に放出する! 破壊王は一気にダイオージャの懐に飛び込み、ダイオージャの頭部を掴む!


「デスエンド!」


輝く手はダイオージャの頭部を一気に握り潰し、ダイオージャの頭部は軽い爆発音と共に粉々に砕け散った…


「「「「えっ…」」」」


模擬戦を見ていた、愛達が青い顔をしている。


「魔王! なんて事をするのよ!」


ダイオージャから降りたリューンが泣き叫ぶ!

チェーンもダイオージャの粉々になった頭部の残骸を青い顔でみている。

その場に魔王も転移で現れる。


「いや、その機体では駄目だ、ザ、ワールドでは戦えない…」


ダイオージャの機体性能は破壊王とは比べ物にならないし、マージ達が造った機体にもその性能は遠く及ばなかった。


「いや、だからって…」


リューンは泣き続けている。


「だから、ダイオージャを壊した代わりにノーベルムーンのパーツを一式やる…」


本当は、調子に乗って魔王フィンガーでダイオージャを破壊してしまったが、リューン達の泣く姿や、愛達のひいている姿を見て、思いつきで良い事を言い丸く収めようとしていた。


「魔王様、ありがとうございます」


純粋なチェーンはお礼を言っていた。


「パーツをやるだけだ、チェーンが手を加え組み立てろ」


魔王は罰の悪そうな顔をして言ったが、リューンもノーベルが手に入る事を嬉しく思い泣き止んでいた。


「上手い事収めたわね…」


愛にはバレバレだった。


「そんな事よりもだ! お前達はただの偵察なのか? 俺はいつなんどき、誰の挑戦でも受ける!」


魔王は猪木の真似をして挑発した。


と言うのも…


ザマはスーを連れ、スーとはナオトが創り出した開発女神だ、白との戦いのあと、魔王が保護し、魔王軍でカリスの下で働いている。

愛はユウコを、ミキはマージ、サナリーはエリス、ダーガは名も知らないオッサンと、アクマンも見た事のない女を連れ、それぞれがバディを連れ見ていた。


「まだ、完成していないので…」


ザマが呟いた。


そのとき、


「はっはっははは!」


ジェーンの高笑いが響く!


「魔王様、下剋上です! 私はただのお笑い担当じゃありません!」


ジェーンが胸を張って言う。


「これを見てください!」


ジェーンが香ばしいポーズを取ると、演習場に止めてあった1台のトレーラーのハッチが開き、荷台が起き上がり1機のロボットが姿を現す。


「「「私達で造りました!」」」


エリカ、フランソワ、ケイコがロボの前で両手をヒラヒラと振っている。


「パイロットは誰だ?」


魔王が聞くと…


「もちろん私です!」


ジェーンが自信満々に言った。


「ジェーン乗れ! 破壊してやる!」


魔王はやる気だった!


「メリージェーンを破壊するのはやめてください!」


そう言いながらもジェーンはロボットに乗り込む!


メリージェーンと破壊王が、定位置に着く!


「「ガンダムファイト… レディ、ゴー!」」


2人の息はぴったりだった!

メリージェーンが一気に距離を詰める。

そのスピードと動きはなかなかだった!


「バルカン!」


破壊王の頭部からバルカン砲が打ち出されるが、模擬戦用のペイント弾だ。

ベチャ、ベチャと被弾しメリージェーンが汚れてゆく…


「何をするんですか!」


ジェーンが怒り!


「ライトサーベル! サイコビット!」


メリージェーンが光りの剣を抜き、無数のビットを飛ばし、斬りかかると同時にオールレンジ攻撃が襲ってくる。


「ふふ、蝿がとまるわ!」


破壊王もライトサーベルを抜き、メリージェーンの斬りかかるサーベルをサーベルで弾き飛ばし、アクロバティックな動きでサイコビットを全て斬り落とす!


「必殺! 魔王フィンガー!」


あっと言う間に破壊王はメリージェーンの頭部を掴んでいた。


「デス…」


「まっ、参りました! 止めてくださいください! 壊さないでください!」


ジェーンは必死だった。そして模擬戦は終了する。


「ジェーン、なかなかだ!」


魔王は模擬戦らしい模擬戦が出来て満足だった。


「メリージェーンもまだ仮組ですし、もっと強くなりますよー」


ジェーンも負けはしたが、その動きに手応えを感じていた。

その場でエリカ達と改善点を話し始めていた。


見物していた皆も、それぞれが話し合い開発の方向性を決めている様だった。


「カリス、機体背後にハイパーフィールドを発生させたいな…」


魔王はアニメの見過ぎだった…

魔王の機体の性能を見た事により、それぞれが開発の方向性をみいだし、ロボットの完成を急いでいた。


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