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ジジイの異世界記  作者: パパちゃん
291/546

黒と白5

あれから数年が経っていた…


「魔王様、奴らが攻めて来ました!」


ザマから連絡が入る!


「コロニー魔導レーザー、発射体制にはいれ!」


「はっ!」


魔王は指示を出し、妻達を連れデスムーンの魔王専用展望司令室に転移する。


デススターの周りに次々と見知らぬ艦隊が転移して来ていた。


「コロニー魔導レーザー発射!」


魔王は怒っていた! それも今までに無いほどに!

すでに聞く耳をもたず。相手に降伏勧告すらせず。

それが、たとえ無理矢理徴兵された神や人だろうと、言葉の通じないヘルメスだと思って処分すると決めていた!


デスムーンの脇に存在する巨大な工業コロニー!

その形は砲身その物! 直径50kの砲身から打ち出される魔導レーザーはハンパな物ではなかった。


「ドビューーン!」


けたたましい音と共に宇宙が光る!


「ゴゴーー! ズガズガズガズガン!」


ビームの走る音と共に次々と爆発音が唸り、敵を破壊していく!

その光が消えると射線上には艦隊の残骸すら残らなかった。


「魔王様! 敵から入電です!」


オペレーターが報告する!


「映せ!」


メインモニターにエカテリーナが映し出される! が、何かを話す前に…


「コロニー魔導レーザー! 2号機発射!」


魔王は容赦なく、次のコロニー魔導レーザーを発射する!


「ドビューーン! ゴゴーー! ズガズガズガズガン!」


2射目も同じ様に敵を破壊していく!


「当たらなかったか! 運の良い奴め! コロニー魔導レーザー! 3号機、発射!」


「ドビューーン! ゴゴーー! ズガズガズガズガン!」


魔王の指示で3射目が放たれた!


「ちょっ! 待って、まだ何も…」


エカテリーナが焦っている!


「お互い不可侵条約を結んだ! 現れたときは容赦なく全滅するとの約束だが?」


魔王が告げる。


「魔王様! 1号機、再充電完了です! コロニー魔導レーザー撃てます!」


オペレーターが叫ぶ!


「コロニー魔導レーザー!てっ!」


4射目が発射される!


「待って、帰るから! 待って!」


エカテリーナが焦り物凄い形相で叫ぶ!


「エカテリーナよ! 俺を本気で怒らせたな! もうお前の帰ると頃などない! 逃げるなら魔王軍は白の世界に攻め込み、お前達を全滅させる!

デスムーン、スーパー魔導砲発射! コロニー魔導レーザー、2号機3号機、てっー! 魔王軍、マシーン艦隊! 全機出撃!」


魔王の号令と共にデスムーンに備え付けられた直径100kの発射口から、スーパー魔導砲が発射される!

凄まじい勢いで敵を飲み込んでいく…

それに続き2発のコロニー魔導レーザーが発射され! 旗艦ムサシを先頭に艦隊が発進し、マシーン部隊も展開して戦闘になる。


「白の世界に攻め込むなんて条約違反じゃ…」


エカテリーナが青い顔で勝手な事を言うが…


「お前は、ザ、ワールドに攻めて来ているだろうがー! 先に条約を破ったのはどっちだ! バルハラよ! 消し飛べ! スーパーノヴァ!」


魔王は怒りの形相で叫ぶ! 次元の向こうでバルハラ星が超新星爆発を起こし消滅していた…


「嘘… バルハラが消滅した… 私の財産が…」


画面の向こうのエカテリーナにもバルハラが消滅した連絡が入り、その場で腰から崩れ落ちた!


「よし! カリス! デモンナイトダークを出す! エカテリーナを見つけてこの手で消滅させてやる!」


魔王は画面越しにエカテリーナを睨み付ける!

その魔王の顔は今まで誰も見た事が無いほど怖い顔をしていた!


「魔王様、おやめください! ご慈悲を! ご慈悲をください!」


魔王の本気の怒りに、エカテリーナは震え泣き叫んでいた!


「魔王に慈悲などない! お前など未来永劫苦しみぬくがよい! 無限地獄!」


魔王は怒りに堪え切れず、エカテリーナに無限地獄の魔法を放つ!


エカテリーナは黒の結界に包まれ、超新星爆発と再生を繰り返し断続的に生と死を味わい続ける、エカテリーナの魂からの悲鳴が響き渡っている! それはまさに地獄絵図だった!


「魔王様、デモンナイトダーク! スタンバイ完了です!」


カリスの声を聞き、マシーンに転移する。


「デモンナイトダーク! 発進する!」


魔王の新型機、デモンナイトダークは飛行形態ダークバードで発進して、戦場を飛ぶ!


エカテリーナは、この日のために数百年も前から大軍隊を造り作戦を立て、準備をしてきた。

コロニー魔導レーザーで、かなり敵を減らしたが、次々と転移して現れる!

まだまだ魔王軍より数が多かった…


「カリス、月は出ているか?」


「はい! デスムーンがございます!」


魔王は少し落ち着いていた。

月など関係ないが…


「ツインサテライト魔導キャノン!」


ダークバードの2本の砲身からサテライト魔導キャノンを発射し敵を消滅させていく!


「思ったより敵が強いな…」


魔王が呟くと…


「魔王様、敵兵はヘルボーグ化しています。

しかも新型で強く、ほぼ全員がヘルボーグ魔人やヘルボーグ魔神です… もう元には戻せません…」


カリスが悲しそうに説明した…


「エカテリーナ、ヤマト、ナオト、もはや人の心を失ったか…」


魔王は更なる怒りを覚えた!

ダークバードはデモンナイトダークに変形する!

漆黒の機体は先行し、敵のど真ん中にいた!

とうぜん夥しい数の的が襲ってくる!


「オーバードライブ!」


デモンナイトダークは大量の神気を取り込み、赤黒く光る! 神速で動き…


「ツインバスター魔導ライフル!」


その2問の砲身から放たれたビームは1つに重なり、直径数kのビームとなり直進し敵を消滅させていく!


「よし次! ハイメガ魔導キャノン!」


魔王が叫ぶと、額部分の装甲が展開しヘキサゴンバレルが現れ、強力な魔導キャノンを発射する!


「敵を全滅しろ! サイコヤー!」


脳派で動く36枚の矢先の形の武器がビームを放ちながら飛んで行き、敵を貫き倒していく!


「しゃらくせぇ! フルバースト!」


デモンナイトダークの全ての武器が一斉発射する! デモンナイトダークの周りに敵はいなくなっていた!

魔王は戦場を駆け次々と敵を倒していく!


「ザマ! マーノ! ミキ! サナリー! 助けはいるか?」


魔王が聞く。


「「「「大丈夫です!」」」」


4人も部隊を率いて敵を圧倒していた!

そのとき艦隊の後ろに「ブォン!」と不気味な音を立て、バルハラムーンが現れた!


「よし! ザラ、隊を率いて付いて来い! 潰しに行く!」


魔王はすぐさま、ザラに命令しバルハラムーンに魔王軍を送り込む!

ザラ達はバルハラムーン攻略作戦に取り掛かる!


そして、1機の煌びやかな巨大戦艦がバルハラムーンに向かっていた!


「エカテリーナ! 見つけたぞ! ツインバスター魔導ライフル! 発射!」


デモンナイトダークのツインバスター魔導ライフルがMAXで放たれる!

その煌びやかな戦艦はもちろん、周りの敵戦艦も焼き尽くされていた!


「ちっ! ナオトめ! エカテリーナを転移させたか!」


ナオトはエカテリーナを間一髪で脱出させていた。

それを追い魔王もバルハラムーンに向かう!

バルハラムーンの地表には、夥しい数のヘルボーグ魔人、ヘルボーグ魔神、ヘルボーグ破壊神がいた!

全て強化改造されており、昔とは桁違いの強さだったがザラ率いる魔王軍の強さもそうとうだった!


「サンダーブレイク!」


魔王が叫ぶ! 辺り一面に漆黒の稲妻が落雷し敵を焼いていく!


「インドラの光! アマテラス!」


魔法を放ち次々と敵を倒していく!


「漆黒の闇!」


辺りは一気に暗くなり、敵は次々と弱体化し消滅する。

残った奴らは強敵だが、ザラ達にとっては良い練習相手に過ぎなかった!


「魔王様、お命ちょうだい…」


キツめの美少女が何かを言い現れたが…


「邪魔だ!」


魔王のひと睨みで消滅する…ブゥーという粛正女神だった。

魔王はザラ達とバルハラムーンの基地に攻め入る!


(魔王様! 施設は破壊しないでください。あと、私達と同類の女神達は助けてください…)


カリスの念話だった…


この忙しいときに、とも思ったが、カリスの頼みを断れなかった。


(仕方がない…)


カリスに返事をし、ブゥーの魂を回収する。


魔王はナオト達の気配を感じずかずかと進んで行く!

あちこちにトラップが仕掛けてあったが、魔王やザラ達には何の問題もなかった!

そしてバルハラムーン、司令室のドアを蹴破り入り込む!


「ちっ、違うんじゃ! ワシはエカテリーナにそそのかされた…」


ヤマトが物凄い形相で言い訳をするが…


「破滅の光!」


魔王は聞く耳を持たなかった…


「ウギャー、話を聞いて…」


ヤマトは跡形もなく消滅した…


「魔王!」


ナオトが焦った顔で魔王を見る。その場の全員が本気の魔王の非道さに震えていた…


「待って! お母さんは悪くない…」


テリーナだ!


「デスボム…」


魔王が冷たい目で見ながら魔法を唱える。


「ひでぶ!」


テリーナは恐怖に慄き、変な断末魔をあげ…


「ドっ、ブチャ!」


肉体の内側から爆破し弾け飛んだ!


「テリーナー!」


ナオトが駆け寄りテリーナの破片に魔法を掛ける!

だがミンチになった肉片には何も起こらなかった…


「魔王! よくもテリーナを!」


ナオトは血の涙を流して魔王を睨む!

テリーナを失った悲しみに、白としての本当の覚醒が始まった!


「ナオトさん、やっちゃえー!」


エミリアがナオトを煽る!


「お前もいたな! サンダーブレイク!」


その言葉に、焦った顔で魔王を見るエミリアは次の瞬間、漆黒の稲妻に焼かれ灰となった!


「あとはエカテリーナだけか…」


ナオトに無限地獄を解除されたエカテリーナが座り込んでいた…


「魔王様、すみません、すみません、すみません…」


エカテリーナは念仏の様に唱え誤り続けていたが…


「お前の処遇は後だ… 無限地獄!」


エカテリーナを再び無限地獄に閉じこめ拷問が始まる。

そして、ナオトは悲しみと怒りで白として完全に覚醒していた!


魔王は無言で、何もない宇宙空間に転移する!

それはカリスに気を使っての事と、部下達を白との壮絶な戦いに巻き込みたくはなかったからだ…


「魔王! 逃がさないぞ!」


ナオトも転移して追ってきた。

そして、壮絶な戦いが始まる! 力は拮抗し、戦いは長引く! 天才の白、場数の黒、修羅場をくぐり抜け続けて来た魔王は、いつしか天才を圧倒していた…


何日戦っていたのだろう…

腕は千切れ、肉はえぐれ、治癒魔法で回復して戦う…

星が消し飛ぶほどの魔法を放ち合いザ、ワールド全体が何度も震えた…


そして、白と黒はバルハラムーンの地表にいた…

ナオトは横たわり、魔王は立ったままナオトを見下ろしていた…


「魔王、君の言う通りだった… エカテリーナやエミリアに関わるべきじゃなかった…」


ナオトは何もかも失い泣いていた…


「もういい、喋るな…」


魔王は悲しげにナオトを見ている…


「魔王、基地の地下にチェリー達が幽閉されている… 最後のお願いだ、助けてやってくれ…」


ナオトは輝き光りの粒子となり消えてゆく…


「ああ、友よ… 最後の願い、聞き入れよう…」


魔王がそう呟くと、ナオトは消滅しながらも微笑み、粒子は拡散し完全に消えた…

魔王はバルハラムーンの基地に戻る。


「貴方…」


エルザが心配そうに駆け寄る。


「ああ、大丈夫だ…」


魔王はエルザを抱きしめる。

その光景を羨ましそうにマリアが見ていた。


「さて、コイツをどうするか… 死なせてしまい、魂の行方がわからなくなるのも不安だな…」


無限地獄で生と死を繰り返す、エカテリーナを見ながら呟く。


「仕方がない…」


魔王は石膏像を出し、無限地獄を解除する。

エカテリーナは魂が疲弊して、ガタガタと震えている。


「お前を死なせ、その魂を野放しにする訳にはいかない! 未来永劫、この石膏像となり1番神聖な教会の大聖堂の中に飾ってやる。

毎日、聖なる祈りを聞き浄化され続けるといいだろう…」


「いっ、いやー!」


エカテリーナは叫ぶが、魔王はそれ以上は何も言わず、エカテリーナの魂を石膏像に移し、エカテリーナの身体を消滅させた…

のちに敬虔な信者の多い教会に寄付をした。

教会は魔王様に頂いた女神像だと、それは大事にされ、毎日祈られる事となる。

邪悪なエカテリーナの魂に、聖なる祈りは激痛以外の何物でもなかった…

魔王の結界が魂を完全に護り、消滅する事も許されず…

未来永劫、生と死の狭間の中で激痛に悶えながら生き続ける事となった…

そして魔王軍は全ての敵を殲滅した。


「貴方、今日は早めに休みましょうね…」


寂しげな魔王にエルザが声を掛ける。


「そうだな…」


魔王はエルザを抱きしめる。


「それ、私の役目…」


マリアが言い掛けたが、言える雰囲気ではなく、空気を読み途中で止めていた…


魔王は皆を連れデススターに帰還した。


バルハラムーンはデスムーンの隣りに置き、バルムーンと改名し、魔王軍の移動要塞基地2号機として使う事とした。

倒したサー、スー、ブゥーの女神は蘇らせて、カリスの元で働かせる事となった。

助け出されたチェリー達はデススターの家に戻りナオトの遺産で生活する事となった。


白の世界は荒れ果てて、神や人間は凶暴化し、星間戦争が絶えない世界となっていたが、魔王軍が時間をかけ征圧し平和な世界を目指す事とした…


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