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ジジイの異世界記  作者: パパちゃん
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英雄の息子2

(シンリー、頭が痛いです)


(軽い魔力酔ですね)


(ヒールで治りますか?)


(無理です。さあ、起きて先を急ぎます)


(あのー、頭が痛いから昼まで、お休みしてから出発しましょう…)


(もう一泊野宿をすることになりますが構いませんか?)


(わかりました急ぎます)


ゲンキーは元気に? 歩き出す!


(ゲンキー、前からゴブリンが3頭来ます! 剣を抜いて!)


(シンリー、戦わず逃げましょう!)


(左に行くとオークが4頭、右に行くとオーガが1頭、お好きなところへ…)


(ゴブリンでいきます!)


エクスカリバーを抜き! 白金の鎧を纏う! そして、忍び足で進む。


装備だけはドラゴンをも凌駕する。とてもゴブリンの攻撃が通じる物ではないが、その事実をゲンキーは解っていない…


(ゲンキー、出会い頭に先頭のゴブリンを袈裟斬りにして、次のゴブリンはお腹を真横に切り裂いて!

最後のは逃げようとするはずです。ファイアボールで焼いてください!)


(がっ、頑張ります!)


「うっ、うりゃー!」


出会い頭に一閃! 袈裟斬りが決まる。そのまま回転し次のゴブリンを横薙ぎに斬る! 最後のは驚きたじろいでいる。振り向き逃げようとするところを…


「ファイアボール!」


ゴブリンに向け突き出した手のひらから、ボッ! 火の玉が飛び出して飛んでいきゴブリンに命中する!


轟々と火の気が上がりゴブリンが燃えていく…


(とりあえず。ゴブリンの耳を斬りとって持っておきましょう。魔石を取ったらファイアで焼いてください)


(耳なんて、なんで取っておくの?)


(星によって違いますが、ギルドのゴブリンの討伐は常にあって、討伐部位を持っていくとお金になります。アイテムボックスの中では腐りませんから登録をして、何かの討伐のついでに買い取ってもらえばいいかと…)


(まだ冒険者ではありませんので、反則ではないのですか?)


(何か言いましたか!)


(いえ、取っておきます…)


既にシンリーには逆らえなかった。


それからも遭遇する魔物をシンリーの言われるがままに倒していく。


実戦に勝る訓練はないと、少量のゴブリンならシンリーのアドバイス無しで倒せるようになってきた!


(冒険者が苦戦していますね、そこを右に曲がったところですが…)


(本人達に頑張ってもらいましょう。僕より弱い冒険者はいないはずですから…)


(残念です。女性ばかりのお若い冒険者なのに…)


(少し行ってみましょうか…)


(なら、その鎧と剣はしまってください。過剰な装備だと怪しまれます。アイテムボックスの中に魔王様が昔使っていた冒険者の服とミスリルソードがあります)


シンリーの言うがままに着替える。


「なんかダサいな…」


(真理のイカズチ!)


「痛っ! なんで…」


(それは、シンリーどれが似合う? そう聞かれて私が選んだ服です! 魔王様はとても良くお似合いでシンリーが選んだ服だからと大事に着てくださっていた物です!)


(ごめんなさい… シンリーは父が好きなんですね…

当たり前です! 魔王様のスキルですから!)


ゲンキーはシンリーの言われるがまま道を進み、茂みの中から様子を伺う。


4人の冒険者、女の子達が10匹のゴブリンに囲まれていた。


「ハズレ、ハズレ、85のD 93のFキター!」


(シンリーどうしたら良いですか?)


(呆れて物が言えません… 魔王様はもっと素早く分け隔てなく助けています)


(シンリーは父を美化し過ぎです! 僕側の人間です!)


(違います! 多少、巨乳好きでエロいところもありますが、ゲンキーみたいに軽薄ではありません!)


(シンリー早く指示を、93のFがやられちゃうよ!)


(もうゴブリンぐらい大丈夫です! とりあえず。ファイアボールとエアカッターで数匹倒しながら出て行って残りはスパスパ斬ってください)


(指示が雑なんですけど…)


文句を言いながら…


「ファイアボール! ファイアボール! エアカッター! エアカッター! エアカッター!」


(駄目だ限界だ!)


まだ魔法を唱えるのは連続5回が限界だった…


(大丈夫、どれも急所に当たりました! あとは連続斬りのコンビネーションを試してみてください。

カッコ良く決まればモテるかも知れませんよ?)


「うりゃー! 93のFに近寄るなー!」


ゴブリンを袈裟斬りし回転して横斬り! 下から斜めに斬り上げ、胸を刺す! 最後は脳天から一刀両断だ!


10匹のゴブリンを全滅させる。


「アンタ、なんて事をしてくれるのよ! 私達の獲物を!」


気の強いリーダー格の女子が噛み付く。


「そうなんですか、すみません。93のFがピンチかと思いましていてもたっても入れず… さよならです…」


(シンリー、ピンチじゃなかったじゃないか…)


シンリーに文句を言いながら去って行く…


「ちょ、ちょっと待ちなさい! ゴブリンは…」


「貴方達の獲物です、お好きにしてください…では…」


「待ってください!」


93のFが駆け寄ってくる。


「本当はピンチだったんです! 助けていただきありがとうございました」


「いいんです。貴方のような93のFを失うと世界の損失ですから…」


「93のFってなんの事ですか?」


「いえ、なんでもありません、お名前を知りませんから…」


「アキです…」


「アキさんですか、とってもお綺麗ですねゲンキーと言います。よろしくお願いします」


「なによ! この男アキを見てデレデレして気持ちが悪い!」


さっきからうるさい女だ…


「ハズレは黙っていてください!」


「ハズレってなによ! はっ、コイツ、オッパイの大きさで女を見ているわよ!」


気の強いハズレ女が気づく!


「ええそうですよ! 巨乳は世界の宝ですからね。

家の父が言っていました。

巨乳に優劣は無い、優しか存在しないと、名言ですね。

さて、アキさんともっとお話をしていたいのですが、先を急ぎますので失礼します」


ゲンキーは踵を返し去ろうとする。


「ちょっと待ちなさいよ!

どこへ行くのよ?」


「さて、どこへでしょう… あての無い旅です…」


「なによ、それ!」


「簡単に言えば、迷子なのです… とりあえず街に行って冒険者になろうかと、一文無しですしね…」


「ご飯とかはどうしているのよ…」


「倒したオークがしまってあります。それを食べています。調味料が欲しいですよね… ハズレさん…」


「ハズレじゃないわよ!ナツよ… 街まで一緒に行きましょう…」


ナツに誘われる。


「僕に惚れても駄目ですよ? 巨乳の子しか好きになりませんから…」


「惚れる訳ないでしょう!」


ナツが激しく怒っている。


「では一緒に街に参りましょうアキさん、そちらの85のDの方のお名前は?」


「ハルですが…」


「ハズレのフユです…」


もう一人のハズレも自己紹介してくれた。


ゴブリンを解体し魔石と耳をとる。


「ナツさん、コレをどうぞ」


「えっ、なんで?」


「貴方達の獲物ですからね」


そう言って、ナツに全てを渡す。


5人で森の中を進む!


「街はこっちの方向だと思いますよ?」


「そっ、そうなのね… 貴方、初めて行く街なのに良く知っているわね…」


ナツが不思議に思っている。


「まあ、それは秘密です。それよりその街から来た貴方達はなんで、さっきから道をそれて行こうとするんですか?」


ゲンキーは不思議に思う。


「ごめんなさい、ナツ姉さんは方向音痴なんです…」


アキが言う… 彼女達は4姉妹でハルさんが長女でナツ、アキ、フユの順だと教えてくれた。

ただリーダーはナツらしい。春夏秋冬をそのまま名前にしたようだ…


(ゲンキー、前からオーク2頭が来ます! 彼女達を下がらせて、出会い頭にエアカッターで首を斬り飛ばしてください)


「皆さん、敵が来ます! 下がってください!」


突然のゲンキーの指示に、ナツも納得がいかない顔をしていたが、とりあえず下がる。


「来ます! エアカッター! エアカッター!」


2頭のオークの首を斬り飛ばす。


「ふぅ、なんとか勝てました…」


「何がなんとかよ! 楽勝だったじゃない…」


「ナツさん、僕は物凄く弱いんです。今のは反則みたいなものです…

僕なんか冒険者としてやっていけるか不安でなりません… 何処かに僕を養ってくれる優しい方はいませんかね…」


「なんかよく解らない人ね…」


(ゲンキー、ズボンのポケットに袋が入っています。

それをマジックバックだと言って、オークをアイテムボックスに収納しなさい)


指示に従い、オークを袋に入れるフリをしてアイテムボックスに収納する。


「なっ、なに?」


「ナツさんも1頭欲しいですか?」


「あっ、いや、どこへやったの?」


「マジックバックと言います。家にあったのを持ってきていたみたいでポケットに入っていました」


「そっ、そうなの…」


ナツは不思議そうだった。

その後も魔物を倒しながら街に向かう。


「暗くなってしまいましたね…」


「そうね、思ったより魔物が多く出たから…」


ナツも不安そうだった。


「野宿か嫌だな… 仕方がありません食事にしましょうか?」


火を起こしオークを焼く。


「あの、アキさんの隣がいいんですが、出来ればアキさんとハルさんに挟まれたいというか…」


「駄目よ! 貴方のようなエロ男に姉と妹を近づけないわ!」


ナツが怒っている。


「仕方がありません… ハズレに囲まれていただきます。

沢山あるので皆さんも食べてくださいね」


「ねぇ、ゲンキー、肉しか食べないの?」


「はい、野菜は嫌いなので、父が草なんか食わなくったって大丈夫だと、肉は全ての栄養を補える。足りない分は充電で補えばいいと…」


「なんか、変なお父さんね…

充電ってなに?」


「充電はその… この中ではナツさんしか出来ませんね…あの… やっぱり言えません…」


「なによ! 教えなさいよ!」


「ふくよかな胸に顔を埋めて抱きしめられると、世界をも滅ぼすパワーが充電されるのです」


「そんな馬鹿な話聞いた事がないわよ!」


「ウチだけの特異体質だと思っていただければ…」


4姉妹が呆れていた…


「ナツさん達はテントはあるのですか?」


「それが、日帰りの予定だったから…」


ナツが困った顔で言う。


「ナツさん惜しいですね…」


「何がよ?」


「ウチの父が良く言っていました。美人の寂しそうな顔、悲しい顔、困った顔は美しさが増すと、まさにナツさんの困った顔は美しい! それで巨乳だったら完璧だったのになと思いまして…」


「仕方がないでしょう? 大きくならないんだが…」


ナツは寂しそうな顔した…


「本当に惜しいです… ママの1人が作った巨乳丸があればナツさんとフユさんの胸を大きく出来たのに…」


ゲンキーはため息ばかり吐いていた…


「ママの1人って何人いるのよ?」


「ナツさんは細かい事が気になる人ですね…


「お母さんは1人ですが、8人のママと2人のママ予備軍がいます」


ナツ達全員が驚く!


「ゲンキーのお父さんは凄いわね、一度見てみたいわ!」


「大したことのない、エロ親父です… 痛っ!」


真理のイカズチを食らった…


「嘘です! 凄く尊敬出来る自慢の父です!」


「ゲンキーは情緒不安なの?」


「そうかも知れません、寂しいですからね… アキさん、慰めてくれませんか?」


「私が話ているんですけど…」


「ですが、ナツさんでは、充電が出来ませんから…」


「アキにだってやらせないわよ! そんな恥ずかしい事を!」


くだらない会話が進む。


(ゲンキー、アイテムボックスにテントが入っています。それを使いなさい)


「皆さん、朗報です、僕、テントを持って来ていたみたいです! 父がマジックバックに忍ばせていたようです!」


そう言ってテントを出す。


「じゃあ、交代せいね…」


「僕、アキさんの隣で、一緒に寝て一緒に見張りをしたいです!」


「はい駄目ー! ゲンキーは私とのコンビで隣で寝ます!」


「はぁ… 世の中はなんて理不尽なのですか…」


「なによー! そんな世界の終わりみたいな顔をしなくてもいいじゃない! 私だって可愛いって言われるのよ?」


「確かにナツさんは美人です… ですが、仮に巨乳でも駄目です…」


「なんでよー!」


「ウチの家系、と言っても僕と父ですが、強い女性が苦手で…」


「ひっ、酷い! ゲンキーのママ達はどんな人達なの?」


「それは皆さん、美人で優しく、そして巨乳で、まさに女神! まあ実際、女神なんですけどね」


「女神とか、全然話が信用できないわ!」


「ナツは誰かに似ていると思ったら、父の孫の愛姉さんに似ています。オッパイが小さく気の強いところがそっくりです」


「ほんと訳わからんわ…」


「さて、皆さん寝てください。僕はナツさんに怒られながら火の番をしていますから…」


「ほんと失礼よね…」


ナツは怒っていた…


交代しながら就寝した。



「血は争えないわね…」


愛が呆れている…


「なにがだ?」


「なんだかんだ可愛い女の子達に囲まれているじゃない! あの気の強い子、少し惹かれているかも…」


「あの愛に似た子か?」


「似てないわよ! 私、あんなに怒りっぽくないから!」


その怒り方がそっくりだった…


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