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弥勒の拳  作者: 真桑瓜
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横払い


横払い


槇草は愚直に実況中継を続けた。この頃は気がつくとやっている。

今までは意識しないとやれなかったのだが、『出来るとは、我知らず出来る事だ』と、平助に言われた。

「槇草よ、今日は居合をやろうかの」槇草が稽古着に着替えると、平助が刀を持って来た。

「師匠、大会まであまり時間がありません。少しでも空手の稽古がしたいのですが」

「空手では篠塚に勝てんよ」

「では、なんで勝てと?」

「だから居合をやるのじゃよ」

「・・・?」

「まぁ良い、刀を差してみよ」

槇草は、しぶしぶ刀を帯に差した。

「横払いをやってみよ」

槇草は教えられた通り、右の入り身から左足を引きながら、右腕を使わず左半身の体捌きと鞘の送りで刀を横に払った。

『横払い』とは、刀を抜いて横に切るだけの単純な動作である。だが言葉通りにやるだけでは、似て非なるものになってしまう。その単純な動作に完璧に武術の理が表現されていなければならない。

「それでは動きに角が付く。言葉は不完全じゃ。言われた通りにやったからと言ってすぐにできるものでは無い。儂らは古人の意思を推測し再現することに努めなければならぬ。そうする事が本当の『型』の稽古なのじゃよ」平助は自分の帯にも刀を差した。

「では、手本を見せる」

平助が鯉口を切るのと、剣が空間を斬り裂くのが同時だった。その間、平助の動きにはなんの滞りもなかった。

「やってみます!」

槇草も真似るが、全く上手くいかない。

「どうじゃ、難しいじゃろ?」

「はい・・・」

「これができるまで稽古せよ、後のことはそれからじゃ」


大会まであと四ヶ月。







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