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弥勒の拳  作者: 真桑瓜
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アレックス



アレックス


沖縄が返還された年、那覇の国際通りにオープンした高級クラブ“ラスベガス”に、アレキサンダー・アリ、通称アレックスという黒人バウンサー(用心棒)がいた。

彼は変わった経歴の持ち主である。

大学時代、アマチュアボクシングのヘビー級でテキサス州のチャンピオンになった。

卒業後その腕と、大学出という経歴を買われ、要人のボディガードとして雇われた。

要人が、沖縄返還記念パーティーに招かれた時、彼も一緒に来日した。

沖縄の文化を紹介するイベントの時、要人の気まぐれで、沖縄の武術とアレックスを対戦させることになった。

当時の沖縄県知事はその提案に困って、沖縄武術の重鎮、上原常一に相談した。

上原は自分が相手をしましょう、と知事に言った。

アレックスは最初、それは自分の仕事ではないと言って断ったが、特別手当に目が眩んで対戦することにした。

戦いはあっという間に終わった。アレックスは上原に一度も触れることなくマットに沈んだのである。

このことがあってボディガードをクビになり、そのまま前述のクラブのバウンサーになった。

彼は上原を恨み、復讐の機会を狙っていた。

この店の経営者は沖縄返還反対派の土建会社の社長で、アレックスは彼から耳寄りな情報を得た。

上原の道場に内弟子として住み込んでいる篠塚という男を狙って、本土の人間が沖縄に来ているというのだ。

しかし彼らは、松尾組や豊嶋組から邪魔が入り直接手を下すことができない。

そこで、私闘を装い篠塚を倒し、片輪にでもすれば破格のボーナスを出すという。うまくすれば上原にも恨みを晴らせるかもしれない。

アレックスは一も二もなくこの話に乗った。

しかしアレックスは慎重だった、もう二度とあの時の轍を踏んではならない。

あの時は、イエローモンキーの武術と侮って油断したのだ、と思っている。

アレックスは篠塚の行動を監視することにした。

自分では目立つので、店の従業員を金で雇い篠塚を見張らせた。

篠塚の行動パターンが掴めるまで、彼はトレーニングをすることにした。

計画の実行は、もう少し先になるだろう・・・。




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