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前日
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大会前日、平助は槇草を呼んだ。
「これを開けてみよ」平助は手に持った桐の箱を槇草に手渡した。
「なんですか、これ?」槇草は桐の箱を押し頂いて丁寧に開いた。
「黒帯・・・」
「そうじゃ、明日の試合はこれを締めて出るが良い」
「でも俺はまだ正式な審査も受けてはおりません」
「もう資格は十分じゃよ。それに篠塚も白帯に負けては立つ瀬が無かろう」
「では、師匠は俺が勝つと」
「篠塚は冷静さを欠いておる。じゃが、それでもお前との実力の差は歴然じゃ」
「では何故・・・」
「表裏突きがある。あの技がお前を守ってくれる。何も考えず、信じて身を任せるが良い」
「はい、師匠!」




