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第4話 初戦闘



ロゼいなくなったらギャグできんなったわ。

早いとこツッコミ役でも登場させたいです。



俺はトールとわかれてすぐに王都の冒険者ギルドに来ていた。


ギルド内は酒場と依頼のスペースに分かれている。

もう夕方という事もあってか依頼を終えた冒険者たちが酒場でワイワイ騒いでいた。



俺はギルドの受付に行き、中でも一際綺麗な黒髪ロングの受付嬢の所に並んだ。

これは、俗に言う男の性というやつだ。



「本日はどのようなご用件でしょうか?」



そのうち、俺の順番がやってきた。



「冒険者登録をしにきました。」



「そうでしたか。ではスキルを伺っても?」



この時間帯でも笑顔で接客をしてくるあたりプロだなこの人。



「スキルは『因数分解』俗に言う外れスキルです。」



俺はトールとの会話で冒険者には勇気も必要だと学んだので、躊躇わずに外れスキルであることを明かす。



―――え?アイツ外れスキルで冒険者になろうってよ?


―――きゃははは冒険者も舐められたものね


新人の加入という事で聞き耳をたてていた先輩方からの嘲笑の声が聞こえる。


わざと聞こえるように言っているのであろう言葉、まあ、覚悟はしていたがそう簡単に歓迎されないよな。

確かに自分の職場に外れスキルのやつが堂々と来たら舐められたと感じるかもしれない。



「き、気になさらないで下さいね。スキルがなくても上位ランクになった方もおられますし。」



「そうですね。ありがとうございます。」



受付嬢からのフォローに感謝しつつ説明をうける。



「説明をお願いします。」



俺は受付嬢に続きを促す。



「冒険者とは、国民からの依頼をこなしたり、魔物の討伐をしたりダンジョンに潜ったりなどしてお金を稼ぐ職業です。また、冒険者にはその人の実力に応じたランクというものがつけられそのランクによって受けられる依頼や入れるダンジョンなどが決まります。」



「ランクはF~SSSランクまでございます。一般的にはDランクからが一人前と呼ばれますのでそこから受けられる依頼が増えて行く形です。」



「わかりました。」



「最後になります、当ギルドは冒険者の仕事中の全責任を持ちません!」



「怪我しても死んでも知らないぞってことですよね?わかってます!」



「こちらがギルドカードになります。」



俺はFランクのギルドカードを受け取り登録料の3000Gを支払ってギルドを後にした。

明日から俺の冒険者生活がはじまる。

早いとこ一人前になって堂々と村にかえってやるよ!







翌朝、俺は冒険者ギルドで依頼を探していた。

やはり朝依頼を受けるのが主流なようでかなり混みあっていた。

とりあえず簡単な依頼を受けようと思い、Fランクの依頼に目を通す。

『スナイマ草の採集2000G』という依頼が最も難易度が低そうなので最初はこれにするか。



「この依頼を受けたいんですが。」



冒険者たちで混みあっているクエストボードに貼られていた紙を取り、隅の方にサインを書く。


依頼書にサインを書くのは依頼の失敗による死亡の時なんかのためだ。



「はい!手続きは完了しました!」



昨日と同じ受付嬢に趣旨伝え、依頼を正式に受けた。



スナイマ草は王都を出てすぐの所にある平原や平原の少し先にある森に生息しているらしいので、

俺は冒険者ギルドを出てクエストに向かう。


ギルド内ではかなり好奇の目で見られていた。

良くも悪くも新人は注目されやすいのだろう。


ちなみに今の俺の装備は短剣一本である。

村にいる時に父に連れられて魔物狩りに行ったことがあるので、心得くらいはあるつもりだ。


最悪魔物に出くわしてもゴブリン程度なら相手にできる。




フラグじゃないよ?




王都の門を抜け草原に出ると俺は一度大きく深呼吸をした。


―――広大な自然広がる大地の緑の香りが俺の鼻腔を燻る。



なんか冒険始まった感すごいわ。







俺はスナイマ草が群生していると言う森に来ていた。

この森は魔物が平原よりも多いが、そんなに強い魔物は出てこない。


スナイマ草は回復薬の材料になる。


平原のものは他の冒険者達に取り尽くされていたりしそうなので群生地がある森にきたのだ。



群生地は森の少し奥にあるらしいので俺は森の奥へと進む。

Fランクの魔物くらいならば俺でもどうにかなる。この森には最大でもEランクの魔物しか出ないため注意して進めば大丈夫なはずだ。



ガサガサガサ



「なんだ!?」



ふと、後ろを振り返ると俺の身長の半分くらいの醜い顔をした子鬼がいた。

『ゴブリン』だ。

ゴブリンはFランクの魔物で恐らくほとんどの冒険者が最初に倒すであろうため昇格への登竜門とも呼ばれている。


ゴブリンの主な武器は棍棒で危険度は低いが、気を抜けば骨の一本や二本では済まないだろう。


魔物は主に体のどこかにある魔石が核になっている。

ゴブリンの核は人間で言う心臓部にあるのでそこを狙えば良い。



「グギァァァ!!」



ゴブリンは棍棒を振りかぶって俺に襲いかかってきた。

ゴブリンとは何度か戦ったことがあるので俺は焦らずにまず一振り目をよける。


ここで気をつけなければならないのが二振り目だ。ゴブリンは一振り目で縦に振った棍棒を横薙ぎに攻撃をしてくる。



―――フッっっ



俺はその攻撃をジャンプして避けて、ゴブリンを蹴り倒す。



「グゥギィァァァ!!」



俺は倒したゴブリンの心臓部に短剣を突き立てて絶命させた。



「戦ったことあるやつでまじ助かったな。」



俺はゴブリンの耳の部分を短剣で切り取って魔物用のカバンに入れた。

ギルドではゴブリンの耳の部分が討伐の証として換金されているためだ。


冒険者としての初戦闘は上出来だと満足できる結果だったと思う。






俺はあの後何度かゴブリンと戦闘をしながら暫く進むと開けた場所にでた。


―――木々が避けるように円状に生えていて太陽の光が神秘的に差し込むその中心には一匹の狼がいた。毛先の青みがかった白銀の体毛、気品溢れるその体躯は周りの景色とも相まって非常に美しいものであった。―――



「俺、そんなフラグたててないよ?」



ちょっと冒険者始めて薬草取りに来たらこれだよ。運勢どうなっとんねん。三次関数くらい高低差激しいやん。



なんでこんなとこに『フェンリル』がおるん?





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