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第2話 外れスキル

文の稚拙さにかかってます、拍車が。


※使ってます、倒置法を。



「『因数分解』なんてスキル聞いたことないんですけど.........。」



もしかしたら、勇者が使っていた伝説級のスキルだったり.........?



「いや私も長年神官をやっていますがこのようなスキルは聞いたことも見たこともありません。恐らく有名なスキルではないでしょう。」



ベテラン神官も見たことないスキルとか地雷な気がしてならないんだが!?



「私の予想では多少計算が速くなる程度の能力かと思われます。」



「確かに因数分解は計算上のテクニックですけどそれはちょっとあんまりじゃないですか!?」



詰んだわこれ完全に詰んだ。多少計算が速くなるスキルってお前どうやって金稼げばええんや.........。



「未確認のスキルですのでこの後念の為能力検査を受けていただきますので教会内でお待ちください。」





俺が教会内の隅にある椅子に座りうなだれているとロゼが話しかけてきた。



「どうしたのよガメオ、まさかだけどあのフラグを回収しちゃったの?」



そういや俺外れスキルフラグゴリゴリに立ててたわ。後悔しかねぇ.........。



「第1話のフリはちょっと見え見えだったものね。」



「おい、メタ発言はやめろ。俺だって数多あるスキルの中で外れスキルという数パーセントを引くとは思わなかったんだよ。」



そう、外れスキルはその世代において数人いるかいないかレベルの確率なのである。誰も自分がその数パーセントであると思うはずがない。



「お待たせしました、ガメオくんですね?能力検査に行きますよ。」



さっきの神官とは別の神官の誘導で教会の地下室へと連れて来られた。

そこそこの広さがある地下室には十数人のいかにも貴族らしい風貌のオッサン方がいらっしゃった。



「こやつが未確認のスキルホルダーのガメオとやらか?」



中でもかなり偉そうなオッサンが神官に訊ねた。

てかこの人どこかで見たことあるような気がする.........?



「左様でございます。既にスキル能力検査の準備は整っています。」



そう言って神官は大きめの水晶を取りだした。

これは恐らく『鑑定の水晶』だろう。術者任意のもとスキルの詳細を写す魔道具だ。



「ガメオくん、この水晶に手を当ててもらえますか?」



神官の言葉に俺は頷きゆっくりと水晶に手を当てた。



『因数分解』

対象物を分解するスキル。



え.........?なんか意外と強そうじゃない?

分解系のスキルってかなり珍しいんじゃなかったっ

け?

見た感じ計算系のスキルではなさそうだ。

周りからも驚きの声が上がっている。

そんな事を思っていると、神官がみずぼらしい服を着て鉄の首輪をつけられた中年男性を連れてきた。



「この奴隷にスキルの試し打ちをしてください。」



神官がそう言うと奴隷は少しビクッとした。というかめちゃめちゃ震えていた。未確認のスキルの試し打ちとか怖すぎだろ。



「え.........?でももし分解してしまったら。」



身分が低いとは言っても人の命である。万が一の事を考えると無闇にはスキルは使えない。



「安心してください。この者は犯罪奴隷で、元々死刑に処されるところであったものです。」



周りのオッサンたちも興味深そうにこちらを眺めていてとても拒否できそうな空気感ではない。



「わかりました。」



俺は奴隷に内心謝りながらスキルを使った。



―――因数分解っ!―――



辺りが一瞬光り、スキルの発動が確認できた。

周りからも「おおおぉぉぉ!」と声が上がっている。



「ヒィィィ!!うぁぁぁ!!ぐぁぁぁ!!ってあり?」



―――しかし、何も起きなかった―――



「に、人間には効果ないよう、じゃな?」



偉そうなオッサンがそう言うと次は神官が鉱石の様なものをもってきた。



「次はこれをお願いします。」







結果から言うとあの後様々な物で試したが何も起きなかった。


三回目あたりから人が減り始め十回目には俺と神官と奴隷だけになっていた。


最初は人を殺してしまわなくてほっとしたが、途中からはヤケクソだった。

いくら使っても何も起きないんだ。流石に心にくる。



神官が手元の紙に『因数分解』重要度Fと書き込んだのも見えてしまったので伝説級など淡い期待を抱いていた分余計心にきた。



「あら?遅かったわね。さっさと宿にいくわよ。」



もう日は暮れているというのに教会の出入口でロゼが待っていてくれた。俺は無言で宿へ歩き始めてロゼも後ろをついてくる。

根が優しいロゼは俺の様子を見て何も聞かないでいつもどうり接してくれる。



「ねぇねぇ!スキルはどうだったの??」



前言撤回、やはりコイツは残念な子である。





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